道総研が製造技術を開発したホタテウロ原料の養殖魚用飼料素材「ウロエキス」が実用化される。ハマチ・ブリ、クロソイ、マツカワなど多魚種でエキスを添加した飼料による飼育試験の結果、摂餌促進、成長促進の効果が確認されており、飼料メーカーが今年度中にマグロ養殖の稚魚向けにエキス配合飼料の製造販売を始める。
ホタテの生産から加工販売まで手掛ける株式会社山神(青森市、神武徳社長)は、3月末に対EU・HACCP認証を取得した。卵付き貝柱の販路拡大に向け、5年後の2023年までに原貝ベースで年間1000トンの輸出を目指している。
動画サイト「ユーチューブ」で水産関係者に注目されている津本式「究極の血抜き」。新ひだか町東静内の老舗鮮魚店、高槻商店(堀田毅一社長、電話0146・44・2433)は昨年からマツカワ、サメガレイなど前浜産の刺身製造で試行。徹底した血抜き処理を基盤に、うま味と歯応えを最適に仕上げる熟成条件を追求している。
北斗市の珍味メーカー・ソネ食品株式会社(水山康平社長、電話0138・49・4662)は、函館・道南産のブリを使った商品展開に乗り出した。第一弾で薫製を4月に発売。主力のスルメイカの不振が続き、加工業界は原料不足が深刻。「他社も参入し、『いかのまち』に次ぐ『ぶりのまち』として盛り上げることができれば」と、その先導を切っている。
白老町虎杖浜のたらこ・めんたいこメーカー、有限会社蒲原水産(蒲原亮平社長、電話0144・87・2057)は昨年から新たに薫製加工に乗り出している。主力のたらこを皮切りに前浜産魚介類で商品開発。常温で持ち歩ける食品の提供で顧客の裾野を広げていく。
昆布製品製造卸の株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は2月、ロンドンで現地のトップシェフらを対象としたうま味セミナーを初めて開いた。昆布だしやうま味を西洋の食文化に融和させることをポイントに、同行した日本人シェフがポタージュなど各種料理や昆布入りブイヨンを作り活用法を提案。同時に研究者がうま味の相乗効果などを解説し科学的根拠の面でもアプローチ。シェフらの反応も良く好評で、函館真昆布の海外での普及・需要拡大に向け手応えをつかんだ。
東京・築地市場の仲卸、幸樹水産株式会社はカニが専業。500を超える築地・仲卸にあってカニのみを扱う店は他にない。近年続いている毛ガニの浜値先行に猪又信幸社長は「顧客の動きははっきりと分かれている」と強調する。
寿都町漁協(小西正之組合長)は、漁獲物の品質向上によるブランド化を目指している。その一環として、国の水産業競争力強化緊急施設整備事業を活用し、海水氷の製氷機(株式会社ニッコー製)を導入。2月から稼働している。
製氷機は、有戸漁港地区に設置。海底からくみ上げる海水をマイナス3度でシャーベット状に凍らせる。
ホヤやホタテなどの取り扱いで知られる宮城県石巻市の有限会社マルセ秋山商店(秋山英輝社長)は3月、国際整合性のある食品安全管理規格「JFS─B」を取得した。一般財団法人食品安全マネジメント協会の規格で、HACCPにも対応。同県で初の認証となる。HACCP義務化に備えつつ、国内大手企業との円滑な取り引きや輸出再開を目指す。
北海道産の生食商材を中心に手掛ける札幌市の㈱丸二永光水産マルニ札幌清田食品(佐久間利紀社長、電話011・886・6363)は、海外市場への販売を拡大している。米国の日本料理店など外食向けのすし種・刺身商材の供給が皮切り。昨年末から新たにタイの複合企業が展開するスーパー向けにミズダコ生冷品の製造に乗り出している。