岩手県産養殖干し(本干し)コンブの第2回入札が9日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。4281個(1個20キロ中心、79.9トン)上場、長切1等が全量2万4000円を超えるなどほぼ一段高の展開となった。入札は終わり、2回の合計は292トンで昨季(288トン)並み。例年に比べ減産高値となる。
厚岸漁協の成コンブは台風によるシケで抜け流失、裂けたり傷んだコンブも多い。鈴木康則班長は「漁に出てもコンブがなく日産はいつもの半分。品質も良くない。減産になる」と厳しい表情で話す。
道漁連は8月末、平成28年度道産コンブ生産見込みを1万4701トンとした。6月末に示したものから約1900トン下方修正し、過去最低だった平成25年度実績(1万4931トン)を下回る予想。前年度実績比で12%減。平成18~27年度の10カ年平均比で19%下回る。
おぼろなど手すき職人の減少・高齢化が進む中、堺市の(株)郷田商店は昨年、新たな担い手を育成しようと「手すき昆布職人養成所」を開設した。同社職人3人が交代で指導し、ことし2月に1期生5人が約1年間の課程を終え卒業。4月から2期生1人が技術習得に励む。郷田光伸社長は「職人育成と併せて、手すきの価値を認めてもらえるようPRしたい」と意欲。大阪の食文化を支えてきた伝統技術を後世へと継承していく。
釧路市東部漁協の成コンブは8月末現在、出漁日数が13回(昨年16回)と伸び悩んでいる。7月は12回(同9回)操業したが8月に入り状況は一変。台風が次々と上陸するなど悪天候が続き、同月はわずか1回(同7回)にとどまった。
7月1日に解禁。同月は比較的順調に操業したが8月はシケや雨で苦戦。好天に恵まれた日が祭りによる沖止めという不運も重なり、出漁は同月12日の1回だけ。着業する坂本孝さんは「8月に1回というのは記憶にない」と話す。
道南白口浜の主産地、南かやべ漁協の本年度のコンブは、ここ数年維持してきた年間3000トン台(天然・養殖など全て合算)の水揚げを下回る見通しだ。主力の促成に加え天然も減産、2年養殖も近年同様に低水準となる見込み。過去10カ年のコンブ生産は平成19年度(2762トン)以外3000トン台をキープ。本年度も当初3000トン強を計画していたが、8月下旬現在で同漁協は「3000トンを割るのでは」とみている。
礼文島の養殖コンブの水揚げが終漁した。種付きが悪かったことで大半の着業者が昨年12月に巻き付けるコンブが不足、香深漁協の堀内浩養殖部会長は「減産」という。船泊漁協の瀬戸川盟(ちかし)養殖昆布部会長は「生育の良さでどの程度までカバーできるか」としている。
利尻漁協の天然コンブ漁が最盛期を迎えている。好調なのは仙法志地区で、繁茂良好に加えハシリは天候に恵まれてほぼ休みなく出漁。着業者は「解禁からこれだけ続けて出るのは初めて」と口をそろえ、順調に水揚げを積み重ねている。
えさん漁協の養殖はミツイシの生産が終了、促成マコンブの水揚げ・製品化を進めている。日浦と尻岸内は1月の低気圧で大幅に脱落したものの、補殖(予備のコンブ)などで復旧。両地区の部会長は「昨年並みの数量になるのでは」と予測する。一方、全般的に穴開きが例年より早く発生。2番切りがとれず、「減産見通し」という浜もある。
道南の本場折浜で促成の水揚げ・製品化が最盛期を迎えている。実入りや葉長、葉幅といった生育面は地区や施設でばらつき。7月上旬現在、毛(ヒドロゾア)などの目立った付着もない。