オホーツクの建マス(カラフトマス小定置)は5年ぶりのまとまった水揚げで健闘している。今季は隔年周期の不漁年に当たるが、主力のオホーツク管内で豊漁年ながら不調だった昨年実績の2倍以上、5000トン超の水準となり、久々に活況を呈している。
活じめ鮮魚「船上一本〆」を水産物の付加価値・ブランド化事業に位置付ける標津町。地域HACCPの厳格な衛生管理に取り組んで、まちの象徴でもある秋サケでは、地元企業が昨年から関東圏に構える飲食店でメニュー提供。食材の調理加工を地元加工業者が担う。船上から最終消費者まで活じめの経済価値をつなぐ窓口もでき、地域連携で需要拡大に挑んでいく。
秋サケの消流状況は、親製品が輸出の低迷で国内への供給量が増加、輸入物も前年を上回る搬入量で荷動きが停滞している。魚卵は国産が高値継続で需要が縮小し、輸入物の搬入量が増加。北海道の秋サケ業界は本年も引き続き、旬期の消費を促進する生鮮対策、供給増の親製品を中心に消費拡大を図る国内対策、輸出対策の3本柱で流通対策を実施、魚価と消流の安定を目指す。
道総研さけます・内水面水産試験場は6月30日に札幌市で開かれた道連合海区で、ことしの秋サケの資源状況を説明、北海道の総来遊数は前年比6%増の3901万5千尾との予測を示した。予測通りの場合、沿岸漁獲数は7年連続の4千万尾割れ。重量ベースで11~12万トン規模の低水準が続く。
函館市の水産加工・販売、株式会社山大(小林繁孝社長、電話0138・48・0231)では一昨年来進めている商品・企業ブランディングの核となるサケ商品の開発が大詰めを迎えている。特に地元・道南産のブナサケは山漬けし、かまくらに入れて低温熟成でうま味を引き出す独自製法を考案。中元商戦でのデビューを目指し、パッケージ案などを詰めている。
枝幸町の海洋食品株式会社(三國浩司社長、0163・62・3731)は、前浜・枝幸産の生原料で製造するサケ缶詰を差別化商品に位置付けていく。初年の昨年に個人客のリピーターをつかんだほか、ことしは協同購入の食材宅配、百貨店の通販に採用され、増産を計画している。
近年来遊資源の低迷が続く北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場は、ふ化場の飼育・放流状況や沿岸環境などの情報を活用し、来遊状況を再現・評価する解析技術の開発に取り組む。増殖事業の基本単位であるふ化場個別の放流効果などを検証、解析結果を飼育・放流方法の改善、飼育コストの削減などに役立てて、回帰率の向上につなげていく。
標津漁協さけ定置漁業部会(中村憲二部会長)はことし、ブランド化に取り組む活じめ秋サケ「船上一本じめ」の増産を計画している。末端からの引き合いが強まっており、定置業者が一丸となって需要に応えていく構えだ。
ひやま漁協は、サクラマスの種苗生産を行っている乙部サクラマス種苗センターを、秋サケ稚魚の2次飼育に転用することを検討している。
昨年魚病(IHNウイルス)が発生し、サクラマスの種苗生産を中断。既存設備を活用し、秋サケの資源増大へ増殖事業をシフトする。
昨年(平成27年)も前年に続き3千万尾台半ばの低来遊にとどまった北海道の秋サケ。26年に4年魚、27年に5年魚として回帰した22年級の不振が要因。特にオホーツク、根室、えりも以東の道東が顕著だった。一方、23年級は4年魚までの回帰が近年平均以上の来遊数で、来期の漁獲回復に期待がかかる。