函館市と北海道大学が連携し、キングサーモンとマコンブの完全養殖の技術確立を目指す。北海道内では初採択となる国の地方大学・地域産業創生交付金を活用。加えて、二酸化炭素(CО2)排出を抑制する低炭素飼料の開発やコンブの繁茂増によるCО2吸収量増大などを通じ、函館地域のカーボンニュートラルの実現を促す。
道総研さけます・内水面水産試験場は6月27日、今年の北海道の秋サケ来遊数予測値を昨年実績比10.1%増の2052万尾と発表した。予測通りの場合、4年ぶりの2千万尾超。沿岸漁獲量は重量ベースで5万トン台前半の低水準が続き、依然地域間格差も見込まれるが、3年連続の増加となり、来遊資源の回復基調が期待される。
一般社団法人岩手県さけ・ます増殖協会(大井誠治会長)は、2022年度の秋サケ稚魚放流数を7500万尾とする方針を決めた。県内で人工ふ化放流事業が本格化した1980年代以降、4億~4億5千万尾を目標としてきたが、深刻な不振が続く漁獲実績から大幅に下方修正。改良餌を導入して大型で遊泳力の高い稚魚を生産し、回帰率を上げてサケ資源の回復を図る計画だ。ふ化場の再編に着手し、事業収支の適正化も目指す。
宮城県産養殖ギンザケは日産200トンの水揚げペースとなり盛漁期に突入した。ウクライナ情勢などで搬入が鈍る海外産の代替商材として注目を集め、浜値はキロ700円台と記録的な高騰を見せている。活じめを施した「みやぎサーモン」の需要も急拡大。活発な取引は7月中旬のシーズン終了まで続く見込みだ。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。
後志管内泊村と古宇郡漁協が取り組む盃漁港カブト地区での海面養殖試験で1日、サクラマス295尾が初水揚げされた。村によると、生残率は約9割と高かった。13日には、別のいけすで養殖しているトラウトサーモン(ニジマス)も水揚げする見通し。昨年11月にいけす2基を設置、サラクマス約300尾、トラウトサーモン約600尾の幼魚を投入。漁業者約20人で魚類養殖部会を設立、給餌などを手掛ける。来年水揚げ分まで、村の補助事業で養殖する。
斜里第一、ウトロ両漁協の春定置はサクラマスが総体的には出足が早く、良型で水揚げが順調な一方、ホッケなどがいまひとつ。トキサケは盛り上がりに欠けるものの、不振だった昨年よりは見え、6月の伸びに期待がかかっている。
海水温の上昇など海洋環境の変化を受け、スルメイカなど天然回遊魚の水揚げが伸び悩む北海道日本海沿岸。安定的で持続的な漁業生産体制の構築を目指し、トラウトサーモン(ニジマス)養殖を推進する動きがひやま漁協管内を中心に活発化している。現状は自治体と漁業者が連携し、試験段階で実施しているが、水揚げ3期目を迎えた八雲町熊石では生産実績を積み重ね、事業化も視野に入れている。さらにせたな町大成区では初水揚げ。生産性や採算性などクリアしなくてはならない課題を抱えているが、道産養殖サーモンのブランド確立による苦境打開への挑戦が拡大している。
日本水産グループの弓ヶ浜水産株式会社(鳥取県境港市、竹下朗社長)は18日、岩手県大槌町で海面養殖したギンザケ「岩手大槌サーモン」を今季初水揚げした。並行して養殖中のトラウトサーモン(ニジマス)は7月初旬に水揚げ開始予定。全量活じめが大槌産の特長で、今季は2魚種で計300トン強の出荷を見込む。東北や北海道でテレビCMを放映するなどPRも強化。町内では一貫生産体制の構築や、淡水ギンザケのブランド化に向けた取り組みが活発化している。