成熟期のマダラの雌雄が判別できるようになった。岩手県水産試験研究成果等報告会が5日に釜石市の県水産技術センターであり、同センター利用加工部の藤嶋敦主査専門研究員が発表した。電気インピーダンス法による魚用体脂肪計で開腹せずに性別を見極める。
水産庁によると、2016年に沿岸付近で摘発した密漁の件数は1531件で高価なアワビ、ナマコなど貝類の被害が半数以上を占めた。北海道や青森県では大規模なナマコ密漁団が摘発されたが、密漁は依然後を絶たないのが現状。漁業界では、国や自治体の補助を受け、「被害は莫大な金額に上る。有効な防止システムで組合員の負担軽減につなげたい」(全漁連)と対策に乗り出している。
岩手県産ワカメの生原藻相対販売分の値決め会が2日、大船渡市の県漁連南部支所であった。3~20日出荷は基準価格125円となり、昨シーズンと同値でスタート。買受人に厳しい価格となったようだ。今季は3320トンが予定され、刈り取りは5日から徐々に活発化。
東日本大震災から7年が過ぎようとしている。被災地の再生を後押ししてきた国の復興支援事業により今年、サバの抗酸化成分が脚光を浴びそうだ。漁業者の減少に拍車がかかった沿岸では、外国人技能実習生が操業を支え、養殖作業で頼みとなり、水揚げを戻そうとしている。
サバの加工残さに含まれる抗酸化機能成分「セレノネイン」を抽出する技術が岩手県で確立し、これを素材にした健康食品が今秋に販売される見通しだ。国の震災復興支援事業で研究、実証実験が進み結実。アンチエイジング効果や養殖魚の品質アップも期待され、残さの価値を高めそうだ。
株式会社極洋はグループ会社・極洋食品㈱の塩釜工場=写真=で水産加工品の生産工程の「見える化」に関する実証実験を実施。その結果、生産効率の向上につながる効果を得たとしている。NECソリューションイノベータ株式会社や東北大学大学院工学研究科らが協力。今後も実証を続け、生産現場の効率改善や熟練者の技術の継承、生産工程の省人化を図り、持続可能な水産加工品業の実現をめざす。
宮城県のホタテ養殖で地種新貝の水揚げが5日ごろから始まる。中部地区の県漁協女川町と北上町十三浜の両支所産で、事前の初値決め会で470円プラス・マイナス10円となった。北部の唐桑支所でも水揚げ準備が進む。
宮城県の小型底引船・第二山神丸(FRP製9.7トン)が竣工し20日、進水披露が石巻市小渕の表浜港などであった。有限会社大勝造船(南三陸町)が建造した最新鋭のスタン・トロール船で、木村優治船主(同県漁協表浜支所組合員)は「ほぼ思った通りの出来上がりで満足」と喜んだ。頑丈な船体と油圧での揚網力アップが特長。活魚出荷の装備も充実させた。
シーズン入りした三陸ワカメで、芯取り機が開発され、深刻化する人手不足の解消に期待が高まっている。株式会社タテックス(静岡市)が製造し、開発に協力したマルキ遠藤株式会社(石巻市)が販売代理店となり、熟練作業者並みの処理能力を実現。ギヤードモーター3台の独立制御による最適な条件設定と、オールステンレス製で完全防水、水洗いできるのが特長だ。
岩手、宮城両県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁が22日、解禁した。同日、岩手では引網46隻が約270トンを水揚げしたが、宮城は出漁したものの漁獲はなかった。ただ、岩手でまとまったのは大船渡港のみ。全体的には今季も不安定で薄漁気味のスタートとなった。岩手の価格は70~60円中心で、昨シーズン初日に比べほぼ10円高。
ホタテ玉冷の消流は昨年末から輸出、内販ともに好調だ。輸出は米国向け主体に後半から予想以上の展開で1~2月も一定量の成約が見込まれる。一方内販は割安感と使いやすさから、量販店が年末商戦で売り場を拡大する場面も。大量在庫を抱える不安は解消され、関係者の多くは3000~4000トンの期末在庫とみている。