岩手県発の国産サバの洋風缶詰シリーズ「サヴァ缶」の累計販売数が1千万個を突破した。東日本大震災で被災した加工業者らを支援しようと8年前に販売を始めた缶詰は、オリーブオイルやパプリカチリソースなど珍しい味付けとカラフルな外装が「おしゃれ」と話題を呼び、今や岩手を代表する商品となった。「サヴァ」はフランス語で「元気」を意味し、「岩手から元気を!」と盛り上げに一層力を入れる。
乾燥ワカメ商品で知られる理研食品株式会社(宮城県多賀城市、渡辺博信社長)が陸上養殖事業に本格参入する。岩手県陸前高田市米崎町地内に整備を進めてきたスジアオノリの生産施設が完成し、稼働を始めた。高級品のスジアオノリは温暖化などの影響で国内の主産地で減産傾向にある。種苗生産から養殖・収穫まで一貫して手掛け、当面は乾燥品ベースで年間5トンの生産を計画。天候や海水温に左右されないメリットを生かし、市場への周年供給を目指す。
「第40回全国豊かな海づくり大会~食材王国みやぎ大会」が3日、宮城県石巻市で開かれた。新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、天皇、皇后両陛下は皇居・御所からオンラインで出席された。東日本大震災からの復興が進む「水産県宮城」の姿をアピールするとともに、全国からの支援への感謝の気持ちを発信した。
石巻専修大(宮城県石巻市)の鈴木英勝理工学部准教授らの研究グループは、県内に豊富に水揚げされるホウボウ科の底魚カナガシラについて、2日間程度であれば新鮮な刺身として提供できるとの研究成果をまとめた。鮮度、うま味、歯応え、身色の4点を考察した。主要魚種の漁獲量低迷が続く中、漁業者の所得向上にもつながる低利用魚の活用に期待が集まる。
「第40回全国豊かな海づくり大会~食材王国みやぎ大会」が10月3日、宮城県石巻市で開かれる。新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小し、式典や漁船による海上パレード、稚魚放流などの行事を実施。海や河川の環境保全推進や水産業振興を目指す。東日本大震災から10年を経た「水産県宮城」の復興を全国にアピールし、支援への感謝も伝える。
宮城県漁協は、今季の県産生食用むき身カキの出荷を10月11日に開始する。県は指針で毎年9月29日を出荷解禁日と定めているが、卵持ちが多いことなどから同日までに出荷に適した品質にならないと判断。11月から入札会場を石巻に一本化し、共販体制を強化する方針も決めた。来年6月までに昨季並みの約1600トンの出荷を目指す。
宮城県の魅力発信動画サイト「みやぎ12人の侍゜ズ(サプライズ)」に、一般社団法人ほやほや学会(事務局・石巻市)の田山圭子会長が出演している。「宮城の宝物『ホヤ』と出合って人生が変わった」と田山会長。普及・啓発活動で得た手応えをかみしめながら、一層の認知度向上へアピールを続ける。
宮城県漁協と北・中・南部各施設保有漁協の関係4団体は10日、来年4月の合併に向けた仮契約調印式を開いた。東日本大震災から10年が経過し、組合員の早期復旧・復興のために設立した施設保有漁協の役割は十分果たせたと判断。県漁協が事業を引き継ぎ、組合経営の一層の安定化を図る。
生産者と交流を深める産直アプリ利用者の約7割が生産地を訪れたいと考えていることが、株式会社ポケットマルシェ(岩手県花巻市、高橋博之社長)の調査で分かった。人口減少や高齢化が進む地方などで、産直アプリが都市部の消費者と生産者を結び付けて「関係人口」の拡大に貢献している。
株式会社大平昆布(宮城県栗原市、藤田洋生社長、電話0228・25・3553)は、コンブやワカメなどを粉砕したパウダー商材の生産に力を入れている。食品やサプリメント、美容品など用途は多彩。端材も使うことで食品ロス削減を推進する。豊富な栄養・美容成分に加え、独特のとろみや色味が販路拡大を後押し。長寿社会を支える商材に育て上げたい考えだ。