羅臼漁協の春定置では7月に入りブリの水揚げが上向いた。昨年に比べて半月以上早く、全体の日量は多い日で60トン以上。同漁協は「今は漁が落ち着いたが、この後どれだけ獲れるか」と漁況を注視。昨年が過去最高水揚げを記録しただけに、今季も好漁に期待を寄せる。
羅臼漁協の天然コンブ漁が始まった。繁茂は全般的に沖側が薄く陸側中心。下側では密生している漁場もある。生育状況は「幅が狭い」と指摘する声も多く、昨年に比べて芳しくない様子。着業者は今後の実入り向上などに期待している。
国内で年間50万トンの水揚げを誇るホタテ。主要商材の玉冷は昨年から続く円安に伴い海外需要がけん引する形で新物シーズンを迎えた。しかし順調に動いていた輸出はこの数カ月で軒並み停滞。消費低迷で各国の在庫が滞留し、価格修正を待つ様子見の情勢に入ったことが大きな要因とみられる。製品相場は下げ基調の様相。中心サイズの3Sでキロ2千円台の情報も漏れ伝わってきた。動向を注視する内販の引き合いも低調となり、底値を探る展開に移っている。
陸奥湾の主力となる半成貝の2023年度水揚量は、4~6月で前年同期比30%減の3万5679トンと大幅に減少した。しかし昨年に続き7月も水揚げを継続。青森県漁連では「当初の計画量に達するのは間違いない」と説明する。浜値は初回入札から堅調に推移し、最終5回目には235円まで上昇した。今後はベビー製品の消費動向に注目が集まる。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の2023年稚貝生産量は、前年比8%増の13億580万2千粒となった。道漁連留萌支店によるとデータが残る2002年以降で最高。各地で生残率が高まり大幅に伸長した。オホーツク海沿岸の地まき用稚貝を生産。近年は採苗不振や成長不足で10億粒を割る年もあったが、おおむね10~11億粒で推移している。契約粒数は増加傾向にあり、昨年は12億粒台に拡大。好成長が続いた今年は余剰貝も増え、能取湖産の大量へい死で苦慮した紋別向けにも当初の契約粒数以上に対応した。
噴火湾の2022年度シーズンの加工貝水揚量は、7単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部・いぶり噴火湾漁協)合計で前年度比5%減5万4千トンと昨年並みの水準に落ち着いた。その大半は中国向けの冷凍両貝に仕向けられ、高騰した浜値は昨年より3割前後高いキロ400円台を付けた。ボイル生産は4500トンと昨年並みだが、価格は3~4割高と高値に振れている。
本場折浜の促成は昨年同様ヒドロゾア(毛)の付着に苦慮している。付着が目立つ部分は切らざるを得ず生産できないほか、乾燥後の製品化も手間がかかり難渋する。今季は成熟誘導技術(人工的に子のう斑を形成させる手法)で生産された種苗を養成した着業者も多く、葉幅など生育面では手応えを感じている。
6月に始まった根室・花咲港のマイワシ棒受網漁は組成が小型化している。平均60グラム台で推移。地元の買受人は「今年の組成は小さい。生鮮ではなく、加工原料に少し仕入れている程度」と話す。道水産林務部のまとめによると、6月末日現在の花咲港の水揚数量は前年同期比36%増の874トンと伸びている。
南かやべ漁協大船地区の高谷大喜理事は、昨年から株式会社サン・シャインラグレス(宮崎県、電話0984・37・1906)のフジツボ船底付着防止剤「マリンシールド」を使用。「厚く塗布した部分は付着がなく全体的にみても少なめだった」と一定の効果を実感している。マリンシールドは天然素材(天石)を使ったパウダー状の混和剤。イオン効果によりフジツボやイガイの着床を防止、船舶の推進力やスピードが保たれ、燃料費や除去にかかる作業費などの削減につながる。天然素材のため安全性が高く海洋環境にも配慮されている。
健康的な食生活への関心は高いが、価格の高さや調理の面倒さで自炊の選択肢から外れがちな魚料理。そんな時流を踏まえ、加工食品・調味料メーカーのキッコーマンは、食事がおろそかになりやすい働く若い世代に向けた飲食事業「FISH A WEEK 週一魚」を展開している。イートイン、移動販売、テークアウト、デリバリーと4方向から「週に1度は魚を」のコンセプトで、消費者に新感覚の味わいを提供。商機を捉えながら魚食拡大につなげている。