北海道産カキの今季生産量は、産地・地区間で格差はあるものの大きな減産はなく昨季並みの見通し。サロマ湖産は放卵が早く進み身入りが向上したことで、10月の早い時期から出荷開始。むき身は高値キロ2千円台で推移している。殻付きは脱落が少なく例年並みの水揚量が期待できるが、昨季同様に輸出向けの買い付けが先行。量販店や業務筋の引き合いが強まる需要期に入り札幌市場では「むき身も殻付きも、もう一段下げの相場となれば流通量は増えてくる」と見込んでいる。
近年のライフスタイルや物価変動などを背景に、道産水産物の特産品のマーケティングやトレンドも大きく変化している。首都圏を中心に展開する北海道公式アンテナショップ「北海道どさんこプラザ」や、道内で道産品セレクトショップ「きたキッチン」を運営する株式会社北海道百科(社長・桑折功)営業本部の坪根淳道外事業部長と、中村健人バイヤーに運営ショップから見た最近の動向を聞いた。
浜中町のNPO法人霧多布湿原ナショナルトラストは、豊洲市場など消費地で高い評価を獲得しているブランド「浜中養殖うに」の魅力を伝える「冬のウニツアー」を実施している。ウニの殻むきを体験、丼にして味わえるほか、ウニ種苗生産センターや加工場も見学できる「ウニ三昧」の内容で好評を博している。また、昨年はコンブ干し体験や花咲ガニを食べられるツアーも初開催、町で水揚げされる水産物に触れ理解を深めてもらう機会を創出した。
40年奉職した道信漁連を2024年3月に定年退職した市原宏行さん。通算22年の電算システム担当で各漁協と関わり、6年の広報誌「マリンバンク」担当では全道の浜を訪ね歩いた。第2の人生で「お世話になった漁協・漁業者の一助に」と、昨年からその浜との縁を紡ぐ事業に乗り出している。漁業者の身体をケアする「足圧」の出張施術やホタテを中心に「キッチンカー」による消費拡大。今年は活動地を広げるほか、漁協女性部とコラボした販売などの進展も構想している。
北海道の秋サケ定置は、昨年の3割強にとどまり、1980年の統計開始以来最低の漁獲量となった。魚価は急騰したものの補えず、漁獲額は250億円と2019年以来の300億円割れ。定置や漁協の経営、増殖事業の運営、加工業者の稼動を直撃し、今後、北海道水産業の構造変革に迫られる危機感も覚える非常事態。消流面も供給不足と空前の高値形成で輸入物や他商材が需要先浸食に拍車をかけて秋サケ製品の売り場消失が懸念され、道漁連は売り場死守に向けた流通対策事業の取り組みを加速させる。
いぶり噴火湾漁協の加工貝は、伊達支所の「早出し」が11月後半以降、日産8~10トン、A貝(殻長8センチ以上)はキロ600円前後で推移している。12月2日からは礼文支所も3~4トンで開始しており、10日は14トンに増え500円台前半のスタートとなった。前年同期とほぼ同額の浜値を付けている。B貝は25%下げ。
漁業用ウエアを中心にアウトドア用品大手・株式会社モンベル(大阪市)の製品が浜にも普及する中、同社製品の実用性を高く評価する釧路市東部漁協の司口圭哉組合長は早朝の拾いコンブ漁でヘッドランプを重宝している。ヘッドランプのほかに、広い範囲を照らす広角レンズを搭載した「コンパクトマルチランプ」も使用。「軽量なので首から下げても負担がない」と言う。拾いコンブ以外でも利用しており、「船上だと釣り糸が見えにくいときなどに手軽に手元を照らすことができる」と説明する。
東しゃこたん漁協の大定置網漁は2日に漁を終えた。主体のブリ類は7月の漁開始から1日までの水揚げが前年同期比33%減の計416トン、キロ平均単価は1038円の高単価を形成した。
網走漁協で2軒が着業する養殖カキの水揚げが5日に始まった。全体に小ぶりの傾向だが身入りは例年通り良好。合計で4トン余りの生産を計画しており、今週末にも出荷を終える。藻琴湖、涛沸湖で各1軒が1年カキを生産。いずれも「真水と塩分のバランスが絶妙な汽水湖で育った芳醇な味わいと、加熱しても縮まない」(着業者)のが評判。少量かつ知る人ぞ知る逸品で、市場に出回る量は少ない。
浜中漁協の養殖ウニは1月~12月9日の集計で取扱金額が3億8200万円(税抜き)に達し、過去最高だった昨年1年間の実績(3億6千万円)を超えた。今年もキロ1万円を超える高値が付き、金額を押し上げた。出荷は続いており上積みが期待される。