渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝出荷が最盛期に突入した。9日時点で長万部、落部、鹿部は日産200トン以上、八雲町は100トン前後の水揚げ。貝毒の影響で自主規制中の森、砂原は出荷制限がかかり各100トン前後に抑えている。全域で小型傾向のため重量が伸びず、へい死が進んだ浜も見られる状況。水揚量は徐々に増加するが、今季は減産見通しで高値キロ400円前後と強含みの展開だ。
散布漁協の養殖ウニは今季浜値がキロ9千円まで高騰。数量もへい死が発生した前年に比べ増産、2月末現在の金額を2倍に伸ばし出荷終盤を迎えている。2月末現在でキロ平均単価は前年同期比51%高の7404円。数量も同35%増の22.2トンとなり、金額は同2倍の1億6437万円となった。
札幌市の水産卸・進風株式会社(光田義隆社長、電話011・813・7411)は、ECサイト「ウオス」で展開する通販に産地振興を掛け合わせた販売戦略に取り組む。観光資源など地域の魅力を発信することで水産品の訴求力も高めていくコンセプト。利尻島を皮切りに漁協や漁業者などとの連携産地の拡大を目指す。
砂原漁協(三上浩組合長)が砂原漁港敷地内に建設を進めていた新荷捌施設が完成し、3月下旬に業務を開始する。老朽化に伴う建て替えと併せて、品質、安全・安心対策に万全を期した閉鎖型の高度衛生管理施設に進化。活魚水槽の増強、低温管理など鮮度保持機能の強化、荷受業務の効率化なども図っており、新施設を有効活用し、漁獲物の付加価値向上に一層取り組んでいく。
北海道日本海沿岸のニシン刺網漁は2月以降、各浜で増産傾向となり、約5300トンまで伸ばした昨季を上回るペースで推移している。主産地・石狩湾漁協は浜益地区がハシリから好漁。厚田、石狩両地区も前年同期を超え、今季も5千トン確保が視野に入る。一方、数の子原料のメスは加工筋が昨年産の製品在庫を抱え、やや浜値が下落。ただ、円安傾向や船賃の上昇など海外産の搬入リスクから道産シフトが進んで来季以降も需要が底堅いとの見通しが浸透している。
国内初のシングルシード方式で生産する厚岸漁協の養殖カキブランド「カキえもん」を生産する鈴木賢二さんは、海外製のシングルシード専用バスケットの実証試験を昨年から実施している。鈴木さんは「数種類試しており、ザプコ社のバスケットが厚岸湖内で種苗を育成するのに適している」と太鼓判を押す。
漬け物やそばの具材などに利用される伝統食品の身欠きニシン。特に日本海・後志管内では水産加工の主力商品の一つだが、近年消費が低迷し、生産量や製造業者も減少している。道総研中央水産試験場は需要拡大に向け、風味改良技術を研究。製造中に増加し、風味に関与する有用菌を特定、人為的に添加することで風味を向上させる製造法を開発した。
北海道漁業就業支援協議会(事務局・道水産会)と道水産林務部は2月25日、札幌市のホテルライフォート札幌で「北海道漁業就業支援フェア」を開いた。漁業会社37業者が参加し、札幌をはじめ兵庫県など道内外から来場した漁業就業志願者15人、オンライン参加4人と面談。その結果、来場15人、オンライン参加1人の計16人を研修候補者に指名した。
ひだか漁協三石・鳧舞(けりまい)両地区の昆布組合は5年ほど前から副産物のコンブ仮根(通称・ガニアシ)を、帯広市の農園が栽培するごぼうの堆肥用に供給している。従来廃棄処理に困っていた未利用資源が作物を妙味に育てる栄養分に“アップサイクル”。地域、業種を越えた特産同志のコラボで有効活用が進められている。
いぶり噴火湾漁協有珠支所のホタテ・ナマコけた引漁が2月27日に始まった。ナマコは低資源が不安視される初日となったが、ホタテは想定以上の水揚げに「ここまで獲れるとは予想外だった」と着業者。浜値はホタテが高値380円と好値を付けた。