えりも以西栽培漁業推進協議会のマツカワ魚価対策プロジェクトチーム(PT)が今秋に取り組むマツカワの新ブランド「新王鰈」の認知や消費の拡大に向けた大規模イベントの内容が固まった。旅行雑誌『北海道じゃらん』とタイアップし、大消費地・札幌圏、産地の飲食店での期間限定メニューの提供や宿泊施設での特別プランの展開を実施していく。
留萌管内のエビかご漁は、一時不漁に陥ったナンバンエビの漁模様が地域間で変わってきた。北るもい漁協は回復基調に転じ「平場でも入るようになり大ナンも増えた」と着業者。一方増毛漁協の水揚げは依然、伸び悩んでおり、着業者は「小小の割合も少な過ぎる」と心配している。減産を受け浜値は両漁協とも好値で推移している。
松前さくら漁協のホヤ潜水漁が10日に始まった。例年同様漁期前半は資源量が豊富で身入りの良い陸側で採取。序盤の漁模様について鳴海敦士さんは「水揚げは例年並み」と話している。
ハシリは連日出漁。「5回出て今日(15日)が初めての休み」と鳴海さん。陸側で操業し「資源量は問題ない」と強調。「陸側はサイズにばらつきがあり、毎年良型だけを採取し小さい個体は将来の資源として残している。それが良い具合に間引き効果となり、残したホヤが成長している」と資源管理について説明する。
留萌管内で稚貝の仮分散が始まった。遠別が18日、北るもい、新星マリンが20日、増毛が22日に順次スタート。各漁協とも付着量は十分だが、成育に格差がある状況。遠別は1分3厘の目合いで始まったが、新星マリンは1分とやや小ぶり。ただ分散時期がずれ込み苦戦した昨年とは異なり順調に進んでいる。
ウトロ漁協の定置網漁(有限会社新生漁業部)に従事、加工販売を手掛ける圓子瑞樹さん(26)は会員制交流サイト(SNS)を駆使し、前浜産の魅力発信、消費拡大に取り組んでいる。特に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で行う加工作業のライブ配信が人気を獲得。7月4日に直売所も開設し、旬をアピールする商品づくりで「若い世代にも漁業や知床の魚のおいしさを伝えたい」と“6次化”に臨んでいる。
えりも漁協東洋地区青年部は磯焼け対策などのため鉄粉を投入している。2019年3月はセメントブロック、22年3月は土俵と異なる手法で実施。吉田祐一部長は「ある程度の効果を確認できた。今後も継続して取り組み、投入数を増やしたい」と意欲を示す。
函館市漁協のスルメイカ釣り漁は、極端に不漁だった前年を上回る出足。船間・日間差があるものの、7月12日現在の数量は前年同期比2.3倍の40トン、金額は83%増の4857万円となった。解禁から1カ月半が経過して主漁場は前浜(津軽海峡)に形成、ハシリに操業していた西津軽堆より圧倒的に近くなり、燃料消費も抑えられている。
道南・本場折浜の促成は、天候に恵まれず水揚げペースに遅れが出ている。悪天時に使う乾燥機はコンブの収容本数が限られ、天日干しに比べ1日に揚げる本数が大幅に少ないため。「機械乾燥の稼働率が上がる中、燃料価格が高く大変」との声も挙がっている。また、例年より多い毛(ヒドロゾア)の付着にも頭を悩ませている。
陸奥湾養殖ホタテの2022年度春季実態調査結果がまとまった。21年産のへい死率、異常貝率および殻長、全重量、軟体部重量の平均値は平年並みとなった。このうち耳づりの異常貝率はやや高いものの、耳づり、丸かごの成育状況は平年を上回っている。一方、幹綱1メートル当たりの収容枚数は平年を上回り、県は適正密度による養殖管理の徹底を促している。