冷凍・冷蔵装置製造販売の㈱MARS Company(群馬県高崎市、松井寿秀社長)は、独自の製氷・冷蔵技術による生鮮品の新たなコールドチェーンシステム「蔵番熟鮮市場」を構築、小樽港で水揚げされた鮮魚の高鮮度流通に取り組んでいる。首都圏の居酒屋に加え、(株)ダイエーが1日から千葉県市川市の店舗で実験販売を開始。7月にも販売事業の新会社を設立し、販路拡大と併せて北海道の提携出荷先を広げていく構えだ。
日本昆布協会(田村満則会長)はこのほど、昆布の利用についてアンケートを実施、昆布だしを取ったことがないとの回答が全体の3割強を占めた。理由は「面倒」「粉末・顆粒だしを使う」「高価」の3つが多く、合わせて74%に。同協会は「この現実を踏まえ、より多くの家庭で昆布を使ってもらえるよう、レシピ紹介や使いやすさの工夫に努めていきたい」としている。
「レベルが高くて驚いた」―訪れた観光客が口をそろえるのは、札幌市内の回転ずしのこと。手ごろな価格だけでなく、季節や産地を限定した厳選素材を握る名店がひしめく激戦区で、年末の“勝負ねた”や店づくりの工夫、産地への思いを取材した。
コンビニ利用者といえば若者、というのはいまや昔。コンビニ各社のターゲット戦略もあって高齢者の利用も増え、年齢層は幅広い。客層の変化や個食化など消費者ニーズの多様化を受け、和食総菜に力を入れるところもあり、個食パックの焼魚や煮魚もコンビニの棚を飾るようになった。道産水産物の仕向け先として、コンビニ商品での需要動向を取材した。
平成12年来の低来遊にとどまった昨年の北海道の秋サケ。主群の4年魚(平成22年級)の来遊数が平成元年以降最低で、中期の来遊数が平成6年以降最も少なくなったのが特徴。特にオホーツク・東部、根室・北部が顕著で、原因究明が課題。一方、全道的に3年魚の回帰数が前年より大幅に増え、来季に向けて明るい材料も見えている。
道産コンブ主要銘柄の昨年の値決めは、日高や道東ナガ・アツバが消流状況の鈍さを映し下方修正。羅臼は若干の値上げか据え置きで妥結した。
解凍後も「生」の鮮度感、風味、食感を再現できる凍結技術は、水産物の消流に新たな切り口をもたらす。近年消費が伸びている刺身、すし種の商品化などで活用が広がっているのが「液体凍結」。旬と需要期の時間差を埋め、安定供給と収益確保を目指している。産地加工のメリットも生かせる「液体凍結」にスポットを当てた。
生産量の減少で地域間格差が拡大している日本海側のひやま、古宇郡両漁協は、新年度から新たな養殖事業に取り組む。ひやま漁協はマボヤ、イワガキ、古宇郡漁協はホタテを中心に展開。実施に当たっては「もうかる漁業創設支援事業(沿岸漁業版)」の活用を想定しており、道は国へ人件費の支援拡充などを求めている。
株式会社永楽(大阪市、藤橋健太郎社長)が兵庫県西宮市内に構える店舗「苦楽園本店」は、「体においしく体にやさしく」をコンセプトに合成保存・着色料無添加商品を展開する。道南産天然真昆布が原料のつくだ煮や塩吹き「匠の昆布」シリーズが看板。その中で、使用する等級や部位、製法にこだわった半生塩昆布「最上昆布 生汐永楽」は自慢の逸品だ。
鹿部町の(有)嘉楽(辻合明男社長、電話01372・7・3489)は、熟成と脱水を同時に最適に仕上げる製法を開発した。うま味成分が濃く、鮮度、歯応えも兼ね備えた刺身商材を目指した挑戦が結実。日高の秋サケブランド「銀聖」を皮切りに、他魚種に応用、商品化を進めていく。
同社は、ニシン・数の子を主力にサケ・マス、いくら・すじこ・たらこ、刺身・とばなどを手掛け、年商117億円(平成26年3月期)を誇る。加えて、近年商品・販売戦略で力を入れているのが過熱蒸気による焼成商品だ。
過熱蒸気は、100度で蒸発した飽和水蒸気をさらに加熱した高温の蒸気。食品に吹き付け加熱することで、従来のボイルや焼成に比べてうま味や栄養分を逃さずに調理が可能。色目や食感も向上する効果が試験研究機関の実証試験でも確認されている。