国土交通省は、「海の次世代モビリティ」の日本沿岸・離島地域における新たな利活用を推進する実証事業に、ASV(小型無人ボート)を用いたウニの効率的な駆除や、海洋ごみの調査効率化を図るシステムの実用化に向けた取り組みなど6件を選定した。高齢化・過疎化による担い手不足、老朽化が進むインフラの管理、海域の自然環境劣化などの課題に対し、次世代技術による新たな利活用法の検証を始める。
八雲町と定置漁業者ら11人で組織するひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会(南部健一部会長)が熊石漁港で養殖に取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の「北海道二海サーモン」。過去2年の試験結果を受け、新たな漁業資源の創出に期待が膨らんでいる。イカなど前浜の水揚げが振るわず、工藤幸博組合長は「将来的には養殖規模を拡大し、サーモン養殖の企業化を実現させたい」と意欲を見せる。
株式会社 國洋(岩手県大船渡市、濱田浩司社長、電話0192・27・1611)は、三陸産イサダ(ツノナシオキアミ)を原料にしたサプリメントを開発した。肥満や動脈硬化、高血糖などを抑える効果のある成分を含むことに着目。抽出したオイルを粉末化し、カプセルに詰めた。年内の発売を計画。三陸特有の水産資源を生かした高付加価値商品として売り込む。
「安心して来館を」―。岩手県宮古市の重茂漁協(山崎義広組合長)は、運営する市重茂水産体験交流館「えんやぁどっと」に、抗菌効果が見込める光触媒コーティングを施した。人体には無害で、新型コロナウイルスを分解する機能もあるとしている。抗ウイルス化をアピールして利用客アップを目指す。
留萌市の株式会社 ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、日本酒蔵元とのコラボ商品の展開に力を入れる。第1弾は旭川市の髙砂酒造㈱と開発。主力の道産秋サケを使った乾珍味で酒粕を融合した。9月には増毛町の国稀酒造株式会社と同様の商品を打ち出す。
北海道の秋サケ定置網漁が今週から開幕する。平成以降最低の来遊予測が示され、漁獲量は4万トン台前半の凶漁見通し。引き続き、水揚げの回復を見据え、売り場堅持、円滑な消流への価格形成が焦点となる。今季の商戦展望、流通対策の重点などを、道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会加工部門(日沼賢澄部門長)が製造するアカモクは今春採取分を皮切りに、加工過程を改良するなど品質アップに力を注いだ。日沼部門長は「色や粘り気がこれまでより良くなった」と手応えを話す。
首都圏の小売店では、8月中旬から“北海道産生秋サケ”とうたった切り身を提供する店が出始め、一部ではチラシに記載して季節の先取りで集客に乗り出す店も現われた。昨年は豊漁とはほど遠い秋サケだったが、それ以上に厳しかったサンマに替わる商材として重点的に販売を仕掛ける場面も多く、売上高は好調だった一昨年よりもさらに1割増で着地する店舗も多かったようだ。今年も国産で旬を訴求できる商材として、各バイヤーは首都圏の消費者に向け、良質な原料の調達に奔走している。
町役場を早期退職し亡父の漁業権を相続して増毛漁協組合員となった田邊康光さん(61)。公務員から漁業者に転身し新たなフィールドで活躍の場を広げている。浅海漁業を営む傍ら、「田邊漁業部合同会社」を立ち上げ前浜の海水で天日塩の製造に挑戦。年内にも大手ECサイトで試験販売する計画だ。将来的には未利用の地魚で加工販売も見据えており「増毛のPRに少しでもお手伝いできれば」と夢を膨らませている。
七飯町の中水食品工業株式会社(園田哲三社長、電話0138・65・5631)は、主力のレトルト食品で、北海道産ホタテなどをメインにした「パエリアの素」を商品化した。炊飯器で出来上がる簡単・時短調理が特長。コロナ禍の巣ごもり需要などをつかんで順調な売れ行きを見せている。