札幌市のナナクラ昆布(電話011・556・5952)は、日高昆布漁と加工業を営んできた木村茂さん(86)を祖父に持つ木村真依子さん(29)が代表を務める。「家業を絶やさず後世に残したい」との思いから昨年4月に設立。「若い人にも昆布を味わってほしい」といい、「もらってうれしいおしゃれな昆布」をコンセプトに各種製品を開発。少量サイズのかわいらしい包装デザインが特長的だ。
日高管内の様似や平宇地区では、タコ箱を工夫している漁業者も多い。タコ箱の入り口を部分的に切り落とし独自形状にすることで、箱内にたまった砂や泥をスムーズに除去、船上での作業効率の向上につなげている。 写真は、ある漁業者が使用するタコ箱。口の形状が異なる3つの箱を漁場によって使い分ける。写真上下の箱は従来のものをそのまま使用。工夫を施したのは写真中央で、写真下の箱の丸口部分を縦に切り落とし、口の形状を変えた。「数十年前からの工夫。この辺の浜では、タコ箱を同じように加工している漁業者が多いのでは」と話す。
日高中央漁協様似地区の籾山章ホッキ部会長は、エラコが多いけた引き漁場に限り、ステンレス製の専用漁具=写真=を導入している。長方形のかご型形状で、網袋の代わりに噴流式マンガンに装着、同じように船で引いていく。網袋に比べエラコなどで目がつまりにくいのが利点で、「作業効率を落とすことなく水揚げできる」と強調する。
ホッキの本場・苫小牧の漁業者に「数年前に教えてもらった」といい、「東日本大震災後、漁場にエラコが大量発生したため地元鉄工所に製作を依頼、試験的に導入した」と話す。
標津漁協のスケソ刺網は、低水準ながらも好調なスタートを切った。多い船は日産3~4トンを水揚げ。浜値はキロ160円と強含みだ。漁業者は好漁が続くことに期待を寄せている。
気仙沼鹿折地区のマルトヨ食品(株)(電話0226・22・2058)は、サンマのみりん干しや開き、各魚種の一夜干しなどを作っている。 昭和26年、新聞に、「小名浜でサンマのみりん干しができた」という記事が出た。当時みりん干しといえばイワシが常識。しかしそのころ、棒受網が広まり、サンマの水揚げがまとまってきた。その記事を見た、当時失職中だった先代社長、中学2年生だった息子で現社長の清水徹二さんに、「これやっかと思う」と相談。徹二さんは「いいごって」と賛成した。
室蘭漁協はブランド化に取り組む3年貝の活ホタテ「蘭扇(らんせん)」の販路拡大に力を入れている。ことしは期間限定で量販大手のイオン北海道で店頭販売を実施。さらに海外での催事にも出店している。
蘭扇は殻長13センチ以上の3年貝。垂下式の養殖で砂かみが少なく、大粒で品質が高いのが特長。貝殻に付着するイガイなどを何度も取り除きながら成長を促している。
オホーツク海けた引漁の28年計画量は、大きく落ち込んだ前年実績をさらに下回る18万トン程度となる見通しだ。北部では猿払村が前年実績比14%減の3万6千㌧、南部では常呂が同12%減の2万6600トンなど。12単協のうち現段階で7単協が減産の計画量を設定している。
一昨年12月から昨年1月にかけて発生した低気圧や昨秋の低気圧に伴うシケ被害の影響で、ことしも厳しい水揚げが予想される。
函館ひろめ堂株式会社(林林社長)は、白口浜天然真昆布など道南や北海道の食材にこだわり、ふりかけ7品を製造する。「塩吹き昆布」「帆立×昆布」の2品は、平成27年度北海道新技術・新製品開発賞(食品部門)で優秀賞を受賞した糖化熟成技術を用いた逸品だ。
宮城県漁協が殻付カキの販売を加速する。直営するカキ専門の電子卸売市場を通じ、東京のカキ小屋への出荷を12日から2店舗に増やすほか、同市場バイヤーの首都圏での拡販にも期待。日産最大3000個が見込まれ、出荷する同漁協支所は7カ所に増える。洗浄機の設置も進められている。