長万部町の有限会社ヤマタ菊田水産(菊田稔社長、電話01377・2・3624)は、カタログ通販、テレビショッピングなど消費者直結の販路に絞ってカニ加工品、松前漬け、海鮮おこわなど高次加工品を商品展開している。特に3段階の漬け込み工程で作り上げる「松前漬」は売れ行きも良く通販業界で注目され、取引先が広がってきている。
道南の南かやべでことし、5人の漁業後継者が誕生する。北海道南茅部高校を今春卒業予定の佐藤晃太さん(17)、加我拓海さん(18)、石川明将さん(18)、佐藤大吾さん(18)、本間海飛さん(17)の5人。共通するのは「漁師の仕事が大好き」なこと。幼少から魚の網外しやコンブ干しなど家業を手伝い漁業は生活の一部。学校に行くと漁の話で盛り上がり、互いにロープワークを教え合う。「父の働く姿に憧れて」「漁師しか頭になかった」。それぞれの思いを胸に、間もなく船出のときを迎える。
海洋土木の(株)菅原組(函館市、菅原修社長)はことし、松前町でのコンブ養殖プロジェクトを立ち上げてから8年目を迎える。異業種の漁業参入は全国的に珍しく、先行事例として注目される。
昨年(平成27年)も前年に続き3千万尾台半ばの低来遊にとどまった北海道の秋サケ。26年に4年魚、27年に5年魚として回帰した22年級の不振が要因。特にオホーツク、根室、えりも以東の道東が顕著だった。一方、23年級は4年魚までの回帰が近年平均以上の来遊数で、来期の漁獲回復に期待がかかる。
秋サケの資源回復に向け、道総研さけます・内水面水産試験場が稚仔魚の原虫病予防技術の開発に取り組んでいる。ハーブの一種・オレガノを添加した飼料を給餌することで原虫の寄生を抑制できることを見いだし、昨年来、ふ化場での実証試験を実施。治療から予防への転換で、健苗育成とその作業負担の軽減につながる新技術。増殖事業関係者も実用化への好結果に注目している。
昨年の北海道内のカキは、サロマ湖が減産で弱含み、厚岸は前年並みの出荷でむき身、殻付きともに高値傾向。良質に育った宮城は脱落被害で出荷量が伸びず浜値は高値に振れた。
ことしのホタテ生産見通しを道漁連の大谷内優営業第一部長に聞いた。オホーツク海の水揚げは前年割れで、玉冷相場は輸出中心の高水準継続を示唆。噴火湾は2~3割減を予測し、ボイル生産量は最低でも1万トン以上を確保したい考え。
都会からボストンバッグ一つでやって来た若者が、東北の地域に根差して漁協組合員になる――。漁業の担い手不足に歯止めが掛からない中、一方でそうしたこともある。全国の海面漁家で後継者があるのは17%弱(平成25年)、東北では県により10~30%程度。後継者確保のポイントは安定収入だが、居住環境なども重要条件だ。岩手、青森両県の浜で後継者、担い手育成のヒントを探った。
寿都町漁協の底建・定置業者の一部が試験的にカスベを活じめで出荷している。従来煮魚需要が中心だが、生食可能な料理素材として地元仲買の(有)米澤商店と連携して売り込み。鮮度がいいため、提供先の飲食店では従来廃棄されていた皮や肝臓も食材に利用している。
上磯郡漁協上磯支所がブランド化に取り組む「峩朗(がろう)ガキ」は今季、11月中旬に開かれた直売会などに合わせて水揚げしたが、本格化は年明けとなりそうだ。