オホーツク海沿岸の漁場造成を含む6月末水揚量は9万7190トン。前年同期と比べ10%減となった。北部、南部ともに昨年を下回っているが、猿払村、沙留、紋別、佐呂間、常呂の5単協は増加ペースで推移。6月の歩留まりは10~12%台、組成は3S、4S主体。浜値はキロ100円台中盤~後半と、昨年より軟調にスタートしている。
別海漁協所属の北翔丸水産(相馬祥吾代表)が2022年から取り組むクリガニのかごオーナー制が好評を博している。3年目の今シーズンは道内を中心に注文が増加し、オーナーの数は22年実績の3倍以上となる1500口数に伸長。過去最高の注文数を獲得している。
安全性に配慮した食品・食材を販売するオイシックス・ラ・大地株式会社は回転ずし大手の「スシロー」と初コラボでミールキットの販売を始めた。目利き食材を食べ切るプロジェクト(PJ)を立ち上げ、にぎりずしのたねにならない部位の新たな活用方法を見いだした。これまで未活用食材を多く“アップサイクル”してきた同社と、厳選された目利き力と食材を余すことなく使うスシローの思いが共鳴した。第1弾は「おおばちまぐろ(厳選めばち鮪など)」の加工時に発生する「わかれ身」という部位に注目、低温のオイルでじっくりうま味を余さず加熱する「コンフィ」にすることでコラボメニューを完成させた。
全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま、八木田和浩組合長)は今年のサンマ棒受網漁の出漁日を小型、中型、大型とも8月10日に統一する。6月27日の2024年度通常総会、28日の理事会で決めた。これまでは10トン以上20トン未満船が8月10日、20トン以上100トン未満船が同15日、100トン以上船が同20日としていたが、近年は漁期序盤では日本のはるか沖合の公海が漁場の中心となっていることなどから、中・大型船の前倒しを決めた。
Q・B・Bベビーチーズを製造販売する六甲バター株式会社(神戸市)は、新企画・日本の名産ベビーチーズシリーズで湧別産ホタテを使った「北海道産ホタテ入りバター醤油仕立て」を製品化した。こだわりの原料に付加価値を訴求する「ご褒美気分」の商品として開発。原料を提供する湧別漁協オホーツク湧鮮館の小熊篤直販部長は「湧別のホタテ生産に興味を示してくれた。全国に湧別産をPRしてほしい」と期待する。3月から全国の主要な量販店で販売を開始している。
東京都・豊洲市場の北海道産いくら消流は相場が下げ基調だ。飲食店など末端需要が伸びず、引き合いは低調。仲卸業者は「年明けから状況は変わっていない。顧客は価格が下げ止まるまで最少限の仕入れに徹している」とし、過剰在庫を抱えないよう買い付けている。東京都の集計で豊洲市場のいくらのキロ平均単価は5月時点で前年同期比29%安の5361円。歓送迎会シーズンを過ぎて急落。「他の水産物は物価高で高騰する中で、いくらだけが下がっている。当社の仕入れ値はしょうゆが7200円、塩が7900円。昨年同時期はしょうゆ7800円、塩は1万円と高かった」と振り返る。
噴火湾の毛ガニかご試験操業が始まった。渡島5単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原漁協)の序盤は日量1隻100キロ程度と苦戦。砂原沖は中主体、長万部沖は小主体と漁場間で組成が異なる展開。一方浜値は大がキロ1万円台前半、中が1万円前後、小が5千円程度と高騰している。
農業生産法人の株式会社流山(七飯町、宮本英樹代表取締役)が運営する積丹町の積丹しおかぜ羊牧場は2020年から東しゃこたん漁協の美国地区浅海部会や積丹支所青年部のウニ養殖用ホソメコンブを羊の飼料に活用し羊肉のブランド化を推進している。ウニと藻場の循環型再生産・積丹方式による持続可能な漁業の一端を担い、水産と畜産の連携に取り組んでいる。
落石漁協で刺網やタコかごなどに着業する小川真一さんは昨年、自身が代表を務めネット販売を中心に手掛ける大伸丸水産を設立。花咲ガニやタコを販売するほかSNSも利用して魅力を発信している。花咲ガニは身入りが良いものを厳選し新鮮な状態でボイル。塩辛くなく甘味があり花咲ガニ本来の濃厚な味わいが特長。漁期中はチルド、オフ期間は冷凍品を販売する。タコは足のほかに、それを薄くスライスした商品も展開。「ゆで方はレア。刺身はもちろん、しゃぶしゃぶにもお薦め」と提案する。
昨年4月に設立50周年を迎えた株式会社寺島商会(函館市、寺島達則社長)は、漁業者の声を参考に利便性や作業効率化などを追求したコンブ関連機器を製作販売。最近では主力の洗浄機で作業負担を軽減できるコンパクトタイプの新型を打ち出したほか、コンブの巻き取り機も製作。また、曲げ・レーザー両加工機の導入で板金加工の精度向上を図ったほか、多様な部品・文字看板などの製作も新たに手掛け関係先に提案している。