ひやま漁協が取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖は、11月に各地区で種苗の搬入が始まった。檜山管内では、2019年の八雲町熊石地区(北海道二海サーモン)を皮切りに、これまでせたな町大成地区、奥尻町(奥尻サーモン淡雪)、江差町(江さしっ子繁虎)が実証試験を実施し、今年度から乙部町と上ノ国町で各支所が養殖部会を立ち上げ3カ年の試験を開始する。
いぶり噴火湾漁協の有珠支所で、アワビとナマコのたも採り漁が始まった。近年、増加傾向にあるアワビは1人日量20~30キロ、多い着業者は30キロ以上と順調なスタート。一方、ナマコは昨年並みの水揚げだが、低迷する中国需要を背景に、浜値は3割安のキロ2千円と安値に振れている。
漁期は11~2月。アワビは今月中旬時点で5人が水揚げ。内城正幸さんは10日に2日分合わせ75キロを出荷しており「量は年々増えている。アルトリ岬沖中心に採れる場所はある程度限られるが、昨年より多い印象。サイズは大・小さまざま。ただ特大は少ない。全体的に小さい感じ」と話す。
函館市漁協の函館サーモン養殖部会が手掛けるトラウトサーモンの海面養殖試験が5期目を迎えた。今期は従来の函館漁港内に加え、新たに外海にもいけすを設置し12日から幼魚を搬入。漁港内・外海合わせて150~180トンの生産を目指して飼育を進めていく。
株式会社フーディソンは7~13日、東京電力ホールディングス株式会社と協業し鮮魚専門店「サカナバッカ」6店舗で「発見!ふくしまフェア」第15弾を開催した。「常磐もの」のヒラメやタコ使用の限定丼や加工品を販売し、オリジナルメニューを豊富にそろえてさまざまな食べ方を提供。フェアは回を重ねるごとにファンやリピーターを増やしており、応援消費だけでなく“美味しいから選ぶ”といった日常の選択肢となる機会を創出している。
宮城県南三陸町のマダコかご漁が16日から始まった。町地方卸売市場(志津川魚市場)では17日に167隻が4.9トンを初上場。数量は昨年の初日に比べ約1トン少ないものの、関係者によるとサイズは昨年より大きく1~2キロが中心。初日の取引は2200~1900円、平均単価は昨年より約3割高いキロ2070円。「西の明石、東の志津川」とも称される名産は、ご祝儀も兼ねた高値で幕開けした。
北海道の秋サケは、道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、前・中期を合わせた来遊数(10月31日現在の沿岸漁獲数と11月5日現在の河川捕獲数の合計)が漁期前予測値の58%、前年同期比61.5%減の617万9700尾。11月に入って沿岸漁獲、河川そ上とも下火になり、最終実績は700万尾を割って、10億尾放流開始前の1970年代前半の水準まで落ち込む様相を呈している。来期に向けても主群の4年魚となる2022年級の3年魚が過去最低水準だった昨年同期の半分以下の厳しい回帰動向で推移している。
猿払村漁協の定置業者・猿払鮭鱒漁業株式会社(代表・永井英俊漁協監事)は地域貢献に主眼を置いた事業活動に乗り出している。サケとばやサクラマスの寒風干しなど自社加工品を含めて村の特産品を一堂に提供する物販用の自動販売機3台を地元道の駅「さるふつ公園」内に設置。その日獲れた前浜産の移動販売も始め、地域住民が気軽に地場産魚を購入できる機会の創出に挑んでいる。
標津漁協のけた引が11日に始まった。序盤は日産50トン前後の水揚げ。同漁協では「今月初めのシケで岸寄りしたため心配したが、予想外に獲れている」と安どする。浜値は初日にキロ900円台を付け、2日目以降800円台で推移している。
いぶり噴火湾漁協の秋サケ定置は、低水準ながら10月までは数日置きに一定量を揚げていたが、11月に入って1カ統数十尾と大きく減速。それでも苦戦した昨年の約2倍に迫る水揚量で終盤を迎えた。浜値は全道的減産の影響もありメスが一時キロ4千円台中盤まで高騰。金額は前年比3倍に伸びている。
胆振管内の白老町が取り組むホッケの閉鎖循環型陸上養殖実証実験は、9月26日に採卵作業を開始した。7日までに3回の採卵で1回当たり70グラムを採取している。実証実験は2024年度から3カ年で実施。2年目の今年は事業の最適化と種苗生産技術の確立、3年目で最適な事業規模や事業推進体制を検討していく。