マルハニチロ株式会社の2026年3月期中間期決算は、北米ユニットの大幅な収益改善や好調な欧州事業が貢献し、営業利益は前年同期比16.6%増の187億となり、中間期では過去最高益を更新した。売上高は0.9%増の5367億円、経常利益は16.8%増の183億円。10日の決算説明会で小関仁孝常務執行役員は水産資源セグメントについて「中期経営計画で掲げた北米の収益改善や漁業の操業効率改善により、全体では前年対比で増益」であることを明らかにした。
東京都・豊洲市場の北海道産マダラ白子消流は、大衆居酒屋向けの安価な商材が順調に動く一方、料理店向けの高級品は低調に推移している。消費者の倹約志向などで飲食店需要が価格優先の傾向。浜の天候悪化で集荷にも苦戦している。
岩手県の山田湾で養殖トラウト「岩手・三陸・やまだオランダ島サーモン」を手掛ける三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は12日、試験養殖期間を含め5季目で初の自家生産種苗7トン(約1万5500尾)を海面いけすに投入した。秋サケふ化場を有効活用したもので、関係者によると「成育は順調」。同漁協は今季、県内他産地の種苗を含め40トンを投入、来年4月からの出荷を予定し、160トンの生産を見込む。
宮城県気仙沼市大島で、7月末に発生したロシア極東カムチャッカ半島地震の津波で甚大な被害を受けた養殖カキ生産者が身入りの良いカキを消費者に届けようと奮闘している。市によると同地域の被害額は約1億4千万円で、被災漁業者を支援するクラウドファンディングも実施された。むき身カキを出荷する株式会社ヤマヨ水産の小松武代表は「応援して良かったと思ってもらえるようなカキを届けたい」と懸命に前を向く。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会のブランド「海峡根ぼっけ バキバキ」の秋漁が11月上旬に始まった。シケが多いことに加え漁もまだ本格化しておらず、出足は2隻の着業。幸栄丸の髙島信幸部会長は「魚が陸に寄っていない。今後に期待したい」と話している。
未曾有の不漁で空前の高値市況を形成した北海道の秋サケ。量販店の生鮮商戦は単価高が直撃。特に生筋子は集荷、価格訴求が難しく、拡販に苦戦。生秋サケも商品づくりなどで購買意欲の喚起を図ったものの、売り上げの低迷を余儀なくされた。生活協同組合コープさっぽろ札幌地区本部の鈴木健水産SVに販売・消費動向を聞いた。
道南太平洋のスケソ刺網漁は10月1日に解禁したが、胆振管内の主産地・いぶり中央漁協は薄漁に加えて、シケで網揚げを余儀なくされるなど操業回数も伸び悩み。ハシリから水深400メートル前後で操業する着業者は「群れは薄く、シケがあるとなおさら厳しい」と序盤の漁模様を示す。一方、浜値は昨年同様に薄漁高値の滑り出し。地元加工業者は「最近は卵成熟が早期傾向。真子の時期も集中している」と、今後の漁況を注視している。
東京都・豊洲市場の北海道産活じめブリ消流は11月に入って卸値が10月下旬に比べて倍に急騰し、一時的に荷動きが減速している。大口の量販店などが取り扱い意欲が消極化。飲食店が1尾単位で仕入れる程度になっている。4日時点の相場は古平産(9キロ以上)がキロ1300~1200円、羅臼産が1800円など産地で異なるが、総体的には高値で推移。仲卸は「10月下旬まで600~500円で仕入れていたのものがシケ絡みで値上りした。量販に供給するにはせめて千円以下に抑えたいところ。今後の水揚げ安定化に期待する」と話す。
水産庁は5日開いた水産政策審議会で、スルメイカの年間漁獲枠を1800トン拡大する案を示し、了承された。今期の好漁を受け、現行の2万5800トンから2万7600トンに引き上げる。今月から操業停止命令を出した小型船も増枠するものの、増枠後も漁獲量が上回っているため、停止は継続される。ただ、今後漁業種間での融通などで調整されれば停止解除に含みも持たせている。
イオンリテール株式会社は7~9日、全漁連と協働して漁連・漁協らの選定による地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を販促するフェアを「イオン」「イオンスタイル」など380店で開催した。食育イベントと連動した愛媛県産のプライドフィッシュや、季節、地域ならではの魚種をそろえたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。