岩手県の三陸沿岸、大槌町にこのほど、ウニの陸上蓄養に取り組む試験研究施設が完成し、18日に開所を祝うセレモニーが行われた。町と自動車部品メーカーのトヨタ紡織株式会社(愛知県刈谷市)、トヨタ紡織東北株式会社(岩手県北上市)、岩手大学が連携協定を結ぶプロジェクトで、磯焼け対策として間引いたウニの蓄養技術を確立し藻場の再生・保全を目指す。将来的には蓄養ウニを観光資源に活用するなど地域活性化も視野に入れる。
岩手県の宮古市魚市場で、今月から毛ガニの出荷量がまとまっている。昨年12月の解禁から1月末までの水揚量は1トンに満たなかったが、2月は18日現在で8トンを超え、昨年同月並みの数量となっている。キロ平均単価は前年同期比19%安の約3400円(県水産技術センター水産情報配信システム調べ)。12日からの1週間で1トンを超えた日は4日あり、漁業者らは活気づいてきた漁模様に期待を寄せている。
留萌管内の2025年度三陸向け半成貝出荷量は、前年度より約2割多い1100トン余り。新星マリン漁協が1月以降、臼谷・鬼鹿地区合わせ160トン、北るもい漁協苫前地区が残り30トンの出荷を見込み、3月上旬までに終える予定。昨年末時点で小ぶりだったが、年明けから成長が進み例年並みとみられる。
函館市、北海道大学地域水産業共創センターは16日に南茅部総合センター、17日に戸井西部総合センターで「令和7年度函館市水産産学連携交流会」を開いた。漁業者や漁業振興に携わる関係者の連携を深めるとともに、研究成果や地域漁業のニーズなど各情報を共有することなどを目的に2007年度から実施。今回は研究者らがコンブ(3月2日付掲載)やキングサーモン完全養殖、ブルーカーボン、魚の鮮度保持などについて講演した。
財務省の通関統計によると、2025年の食用干し昆布の輸出数量は前年比3%減の326トンと過去10年間で最も少なかった。一方、キロ平均単価は上昇傾向が続いており、25年は3千円を超えた。全体の輸出数量は09、10年が600トン、11年以降は400~500トン台で推移していたが、24年は道産コンブの大減産で主力の台湾向けが落ち込んだことが影響し338トンに減少。25年はそれを若干下回った。キロ平均単価は9年連続で前年価格を上回り、25年は前年比16%高の3348円に。10年前の15年と比べると2.1倍。利尻や真昆布など各銘柄を輸出するコンブ業者は「昨年は価格が上昇した中で動きとしてはそれほど悪くなかった印象だが、今年はどうなるか」と懸念する。
北海道日本海沿岸のニシン刺網漁は、主産地・石狩湾漁協で石狩本所の1月18日を皮切りに始まった。石狩本所は1月末に最初のピークを迎えたものの、その後は大きな盛り上がりに欠ける展開。厚田支所と浜益支所はシケや海獣類の被害に苦戦しながらも低調だった昨年同期を上回る漁況で推移している。ただ、3千トン超を記録した2024年に比べ低進度で、浜値はメスの高値でキロ600円台を付けるなど昨年より強含みを呈している。
別海漁協のホッキけた引漁は、当初の計画より操業日数が増え、1月の水揚量は前年同月比2倍62トンに伸長した。2月は休漁となり、3月上旬に再開する予定だ。1月7日に17隻でスタート。黒ホッキ漁場、茶ホッキ漁場、造成区、未利用区の4漁場のうち、未利用区と黒ホッキ漁場を中心に30日まで計16日間操業した。
道は13日、2026年度当初予算案・25年度補正予算案を発表した。26年度一般会計予算案の水産関係分は274億4446万2千円で、25年度比1.1%減。Jブルークレジットを活用した藻場保全活動や漁業系廃棄物の循環経済への移行を促進する事業費を新たに盛り込んだ。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は、相場が例年より若干安値で推移している。高値でもキロ800~600円ほどで、100~200円ほど下落。魚種全般に高騰している中、身質が良く価格が安いニシンは販促商材となり、仲卸業者の中にはその伸びしろに期待を込めて販路開拓に注力している。入荷産地は道東や日本海。仲卸は「水揚げは低調だった昨年同期と比べてまずまずのスタート。品質維持のため高値でも買う」と前置きし「例年、ナギが続くと集中入荷で供給過多の傾向。そうなると、安くなりやすい。おそらく荷受も売れ残るのが心配なのだろう」と供給状況を見る。
一般社団法人全国漁業就業者確保育成センターは10日、東京都内で「漁業担い手対策ネットワーク会議」を初開催した。翌日の就業支援フェアを前に、関係者間の横の連携強化を図るのが目的。全国から漁業者や関係団体、行政担当者が参加し、課題共有や優良事例の紹介を通じて、体制構築の必要性について認識を深めた。事例発表では、水揚げ連動型のインセンティブ導入や、多能工化による全員参加の運営を構築している石川県・有限会社金城水産の窪川敏治社長が登壇。都市部の他産業との人材獲得競争が激化する現状を指摘し「漁業の『面白み』だけに頼るのではなく、労働環境の整備が不可欠」と訴えた。質疑応答では、収益還元の具体的な仕組みを提示した。水揚げに応じた手当支給や、採算ラインを超えた分の賞与還元など経営状況を透明化。社長自らが事務を担い、削減したコストを現場の給与に充てる徹底した体制とともに、全員が全工程を担うことでいつでも休める組織作りを進めている。