枝幸漁協のナマコ漁が始まった。昨年と変わらず漁獲許容量(ノルマ)は1隻7トン。初日の水揚げから地区間差が見られたものの枝幸地区では1隻400~500キロと上々のスタート。各自で乾燥作業を行い、10月後半に製品出荷していく。ナマコけた漁は14隻着業。漁獲サイズは110グラム以上。今年の漁期は6月16日~8月3日。資源保護のため8月末の漁期を短縮し毎年8月1週目に終漁。10月20日ごろに「枝幸産北海キンコ」のブランドで出荷する。
白糠漁協の丘ツブかご漁は水揚げに漁場間差があり、下側で操業する船が灯台ツブの日量ノルマを揚げるなど比較的順調な漁模様で推移している。浜値は毛ツブがキロ200円台と高く、着業者は「昨年の倍くらい」と話している。
紋別漁協所属・紋別共同定置(代表・飯田弘明組合長)の第2グループ(代表・大澤眞人副組合長)で稼働する新造船「第五翔運丸」(19トン、FRP)がこのほど竣工した。船体の大型化、ユニックの増基に加え油圧、給排水などのスイッチ盤を3カ所に配置するなど作業性、機能性が格段に向上。定置船の漁船リース事業活用は4隻目となる。6月2日に母港・紋別港でお披露目。大勢の関係者が見守る中、餅まきを行い安全操業を祈願した。
浜中・散布両漁協のさお前コンブ漁は20日に計画日数を消化し終漁した。昨年は資源状況が悪く操業を断念したため2年ぶりの採取。着業者は「順調に採れて良かった」「コンブが揚がると浜に活気が出る」と笑顔を見せる。浜中漁協は6月15日に解禁し19、20日と続けて操業した。山﨑貞夫組合長は「計画の2日間操業でき、2年ぶりにさお前を揚げられて良かった」と安どする。
市場流通の弱いカナガシラの有効活用を目指し、青森県野辺地町漁協で刺網漁などに着業する熊谷浩さんと、海洋環境保全に造詣が深い土木建築業・志田内海株式会社(青森市)の志田崇会長が「かながしらラーメン」の販売に乗り出す。濃厚なだしが取れる利点を生かして製造したラーメンが県主催イベントで大好評となり、本格販売へと舵を切った。JR青森駅近くの人工海浜「あおもり駅前ビーチ」周辺に店舗を構える計画で、カナガシラを漁獲する熊谷さんは「未利用魚の知名度を高め付加価値を向上させたい」と意欲を燃やしている。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)は、2022年に高度衛生管理型の「水産物荷捌施設・防災施設・海業支援施設」を整備。23年12月には一般社団法人大日本水産会が推奨する「優良衛生品質管理市場・漁港認定」を北海道で初めて取得した。屋根付き岸壁などと一体となった徹底した衛生管理で、歯舞産のブランド力向上と安全安心で品質の高い水産物の供給拠点として機能。地震や津波といった大規模災害にも対応するほか、都市漁村交流など地域活性化の推進にもつながっている。
エア・ウォーター・ラボアンドフーズ株式会社キュー・アンド・シー事業部(札幌市)は、水産加工など食品関連事業者の衛生管理に関する従業員教育をサポートする動画配信サービスを展開している。40年余りにわたって培ってきた食品衛生に関する知識を落とし込んだ教材動画を提供。従業員に効率良く食品衛生の重要点を教育、理解度を統一化し、定着・高度化を目指す製造現場をバックアップ。利用企業からは「分かりやすい」「説明のテンポが聞きやすい」など評判を呼んでいる。
スモークサーモンや魚卵のたらこ・いくらなど非加熱で食べられるRTE(レディートゥイート)食品に潜む食中毒発生のリスク菌として近年警戒が強まっているリステリア・モノサイトゲネス(以下「リステリア」)。株式会社札幌市中央卸売市場食品衛生検査センター(電話011・618・2263)の水嶋好清社長に特徴やリスク、加工業者の対応状況、予防対策などを聞いた。
全漁連は19日、東京都内で通常総会を開き、2024年度事業報告と25年度事業計画など全議案を承認した。2年目となる第7期中期経営計画(24~28年度)を着実に取り組み、状況を注視しながら漁業者が安心して操業できる環境づくりに努めていくことなどを共有した。任期満了に伴う役員改選では坂本雅信会長の再任を決めた。開会に先立ち、坂本会長は中国の輸入規制の全面解除を引き続き求めていくことや環境に対応する漁業の構築、インフレ時代の魚の付加価値向上などの課題を挙げ「国へお願いを求めるとともに、われわれ漁業者自身が変わっていく自己改革の姿勢で困難に対応していかなければならない」と呼び掛けた。
東京都・豊洲市場のアマダイ消流は秋田県産の釣物がうろこ焼き商材の需要を取り込んで高値安定。3.6キロ10尾入りでキロ3500円。すし店でも天ぷら商材として利用価値が見直されて、以前から引き合いがある洋食店と併せて活用の場は広がっている。