いぶり中央漁協のかご漁が2日に始まり、主力のヤナギダコは11日現在で前年同期比43%増の16トンと伸びている。ただ着業者からは「タコは昨年に比べ若干多い。それほど多く獲れている実感はない」などと現状を捉えている声が複数上がった。一方のエビもナンバン、ボタンが前年を上回るペースで推移するが「全体的にエビは薄い」と話す着業者が多く、今後の増産に望みをつなぐ。
東京都・豊洲市場の北海道産ミズダコ(足・皮むき済み)消流は販路がほぼ飲食店に集中している。昨年10月から年末にかけての高騰は落ち着いたものの、依然高値で推移し、量販店からの引き合いが乏しい。飲食店では端材になる先端や吸盤も「タコぶつ」などに調理し提供、ロス削減でコストの吸収に注力している。
別海、厚岸、紋別の漁業関係者らが6次産業化を推進する「北海道フィッシャーマンズプロダクション(FIP)合同会社」を昨年11月に立ち上げた。現状では各自が扱う商品を新会社のECサイトで販売。「漁師による漁師のための会社」という理念を掲げ、将来的には他の漁業者との連携やSNS発信、マーケティングなど多岐にわたる分野でのコンサルティングを視野に入れている。
砂原漁協(三上浩組合長)が砂原漁港敷地内に建設を進めていた新荷捌施設が完成し、3月下旬に業務を開始する。老朽化に伴う建て替えと併せて、品質、安全・安心対策に万全を期した閉鎖型の高度衛生管理施設に進化。活魚水槽の増強、低温管理など鮮度保持機能の強化、荷受業務の効率化なども図っており、新施設を有効活用し、漁獲物の付加価値向上に一層取り組んでいく。
株式会社鯖やのグループ会社でサバの養殖事業を行うフィッシュ・バイオテック株式会社(大阪府豊中市、右田孝宣社長)はこのほど完全閉鎖循環型によるサバの陸上養殖に成功した。1年間をかけて飼育してきたという。この実績を記念して“サバの日”である3月8日に、鯖やグループのサバ料理専門店「SABAR」の一部店舗で提供した。3と8の数字にちなんだ特典も用意して消費の拡大を促し、サバの日を盛り上げた。
水産庁は、寿都町(対象漁港は寿都漁港)や岩手県大槌町(吉里吉里漁港)など全国12件の海業(うみぎょう)振興モデル地区を選定した。漁村の人口減少や高齢化など地域の活力が低下する中、地域の賑わいや所得と雇用を生み出していく必要がある。豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値や魅力を活用して所得機会の増大を図る海業振興の先行事例を創出して広く普及を図り、漁村の活力を向上させることを狙いとする。
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ徐々に人の動きが戻る中、観光地や商店街で商いをする昆布専門店は、人出の中心となる若者や外国人観光客を意識した商品展開に加え、だしの提供も行うなど昆布食文化の発信に努めている。
3月に始まった噴火湾のエビかご春漁が極度の不振に陥っている。昨秋に低水準ながら漁獲できた一角でも、1隻で日量10キロに満たない水揚げとなり、大半が1キロ未満~数キロと絶不調。浜値は薄漁のため高騰しているが、着業者は「諸経費すら補えない漁模様」と頭を抱えている。
道日本海沿岸漁業振興会議(運営委員長・大石康雄船泊漁協組合長)と道漁連(阿部国雄会長)は8、9の両日、道・道議会、水産庁、道選出国会議員に対し、国がTAC化を検討しているホッケ、マダラなどに対する漁業実態に即した資源管理の実施、トドなど海獣被害対策の強化、流木・漂着ごみの迅速な撤去体制の構築、洋上風力発電事業に伴う水産資源への影響調査の実施など4項目を要請した。
散布漁協の養殖ウニは今季浜値がキロ9千円まで高騰。数量もへい死が発生した前年に比べ増産、2月末現在の金額を2倍に伸ばし出荷終盤を迎えている。2月末現在でキロ平均単価は前年同期比51%高の7404円。数量も同35%増の22.2トンとなり、金額は同2倍の1億6437万円となった。