枝幸漁協所属のカニかご船「大翔丸」(新井田雄大共同代表)がこのほど竣工した。船体の大型化に伴う安全性の向上はもとより、バルバス・バウ構造の安定感や前後2カ所のサイドスラスター搭載による操作性も格段にアップした。漁船リース事業を活用。敷島機器株式会社が受注。お披露目した乙忠部漁港には同漁協組合員はじめ大勢の関係者が集まり新造船を祝福。餅まき、祝賀会を行い来季の本格操業に向け安全操業を祈願した。
北海道で初めて線状降水帯が発生した9月20日から21日にかけての豪雨・突風・高潮が漁業にも深刻な被害をもたらしている。道水産林務部が現在、各振興局を通じて被害状況を調査・集計中だが、盛漁期を迎えた定置網では使用不能となった漁場や操業継続が困難となった漁場も出ている。
東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路回復を支援する「東北復興水産加工品展示商談会2025」が9月30日から2日間、宮城県の仙台国際センターで開催された。青森から千葉まで太平洋沿岸6県から約130社が出展。海洋環境の変化や不漁による原料不足など課題に向き合いながら技や工夫を凝らした多彩な加工品を全国のバイヤーや業界関係者約5千人にアピール。活発な商談を繰り広げた。全国水産加工業協同組合連合会(全水加工連)や一般社団法人大日本水産会など4団体で構成する復興水産加工業販路回復促進センター(東京都、代表機関・全水加工連)が主催。2015年から毎年開催する東北最大級の水産系商談会で、今年で11回目。
従来加熱製品や珍味の原料で注目されてきたムラサキイカが、生鮮商材でも市場評価を高めている。スルメイカの不漁で生食用イカが品薄となったのが背景。加えて胴肉の歩留まりが95%と高く、用途の多様性でスルメイカに代わる基幹商材としての地位を確立しつつある。
香川県の養殖ブランド魚「オリーブハマチ」の今シーズンの出荷が始まった。首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社では、刺し身やすし、切り身、総菜などの商品にし、順次出荷される「オリーブぶり」と合わせ来年1月上旬ごろまで展開する。23日には荻窪総本店(東京都杉並区)に池田豊人香川県知事や香川県漁連の嶋野勝路会長が来店してトップセールスを行ない、この時期でしか味わえない県自慢の産品をPRした。
東京都・豊洲市場のマサバ消流は宮城県産の入荷量が安定している。ただ、身質に課題があり、長崎県産に比べ安値に付いている。東京都が集計する9月第2週の取扱状況によると、宮城産マサバは前週比81%増の約22トンが入荷し、キロ単価の中値は621円となった。
天然ブリの全国有数産地に定着した北海道。2024年も1万トンを超え、農水省集計の海面漁業生産量(養殖業を除く)で2連続の全国トップ。今年も各地で水揚げされ、秋以降の活況が注目される。一方、地場消費が依然途上の状況を受け、新たな道産資源の魚食普及に加工品やレシピの開発など各方面で取り組みが活発化している。
大樹漁協の事業部・自営加工場は、大樹さけ定置共同経営体が手掛ける船上活じめ秋サケの拡販に取り組んでいる。塩蔵品(新巻き・山漬け)などの加工品、生筋子の差別化に加え、今季から数量限定で漁業者が厳選出荷した3.5キロ以上の大型サイズを一尾発泡で消費地市場に生鮮出荷。来遊資源の低迷が続く中、沖の水揚げから陸の加工処理まで短時間の強みを生かし、1尾1尾の価値を高める流通対策を続けている。
いぶり噴火湾漁協のヒラメは、底建網中心に好漁となった。特に伊達地区の水揚げが伸長。全地区合計では8月末現在50トンとなり、昨年の2倍に伸ばしている。浜値も昨年より高値傾向で、金額は約3倍となっている。全地区合計の4~8月水揚量は前年同期比2.1倍の50トン、金額は2.9倍2440万円(税抜き)、キロ平均単価は37%高488円。うち活出荷分は34%増15トン、76%増850万円、32%高570円。伊達は計31トンで5.5倍に増加した。
散布漁協の養殖ウニは8月末に出荷が始まり、出足にキロ1万2千円(殻付き価格)を付けるなど今季も高値で推移している。永坂哲也うに養殖部会長は「目立ったへい死もなく順調に水揚げが進んでいる」と笑顔を見せる。