岩手県の秋サケ水揚げはピークと予測された11月下旬、小幅な伸びにとどまった模様だ。懸念されていた大震災の影響による可能性があり、影響はこれから大きくなるとも見方も。市場別では宮古が1日2万~3万尾ペースで好調を維持するが、減ったところもある。価格はメスが800円前後から700円台後半と高値張り付き、オスは下げ傾向で中値200円台前半に。
鹿部町の(有)嘉楽(辻合明男社長、電話01372・7・3489)は、熟成と脱水を同時に最適に仕上げる製法を開発した。うま味成分が濃く、鮮度、歯応えも兼ね備えた刺身商材を目指した挑戦が結実。日高の秋サケブランド「銀聖」を皮切りに、他魚種に応用、商品化を進めていく。
同社は、ニシン・数の子を主力にサケ・マス、いくら・すじこ・たらこ、刺身・とばなどを手掛け、年商117億円(平成26年3月期)を誇る。加えて、近年商品・販売戦略で力を入れているのが過熱蒸気による焼成商品だ。
過熱蒸気は、100度で蒸発した飽和水蒸気をさらに加熱した高温の蒸気。食品に吹き付け加熱することで、従来のボイルや焼成に比べてうま味や栄養分を逃さずに調理が可能。色目や食感も向上する効果が試験研究機関の実証試験でも確認されている。
岩手県水産技術センター(釜石市)は同市の熊野川にサケ大規模実証試験施設を竣工し、1日、稼働を開始する。サケ稚魚の回帰率向上が目的で、今季から120万尾の飼育密度別試験を予定。回帰率の低迷が続く中、好適な海洋環境下でまとめられた稚魚の生産、放流マニュアルの見直しも含め、現代に合う資源増殖手法を検証していく。
(株)マルハニチロ北日本釧路工場(平野浩美工場長、電話0154・23・7421)は、サンマ、マサバ、マイワシの青魚缶詰で釧路産を前面に打ち出した商品を強化している。原料、製法など品質を高めた差別化商品で、首都圏の百貨店など高級志向の需要にアプローチしていく。
マイワシでは昨年1月に販売を開始した「釧路のいわし」(味付・味噌煮各150グラム)で、ことしは150グラムアップの生原料を使って製造。冷凍原料に比べ食感良く仕上がるほか、生臭みがなくうま味がさらに引き立つという。缶のとじぶたを従来の銀色から金色に換え、高級感をアピールしている。
昆布消費量全国トップクラスの富山。北前船の寄港地として昆布文化が花開き、今もなお身近な食材として親しまれている。中でも、昆布じめは江戸時代中期からの長い歴史があり、郷土料理の代表格。「サス(カジキ)」が定番で、どのスーパーにも常に陳列、酒の肴やおかずとして日常的に食されている。昆布じめ刺身の草分けで、専門メーカーの株式会社かねみつ(富山県魚津市、金三津貢社長)を取材した。
岩手県大船渡市の鎌田水産株式会社(鎌田仁社長)が製造販売している即席スープ「ふわとろめかぶ」は、フリーズドライで手軽に食べられる簡便さが受け、好評だ。全国に販路が広がっており、営業担当者は「年間販売目標は100万個」と意気込む。
大阪府八尾市の有限会社浪花昆布茶本舗(大山喜隆社長)は、白口浜真昆布を原料にした昆布茶専門メーカー。人気の「昆布茶きざみ昆布入り」や「梅こぶ茶しそ葉入り」のほか、湯を注ぐと昆布を形抜きした「寿」の文字が浮かび上がる「寿茶」などアイデア商品も展開する。製造工場では衛生・品質管理を徹底。キッチンスペースを設置し、簡単レシピや新商品開発にも取り組んでいる。
加工販売など約30社でつくる「をぐら昆布系友会」(会長・山本博史株式会社小倉屋山本社長)は2日、大阪市立住吉区民センターでことし最後の「だしの取り方教室」を開いた。主婦ら参加13人に、一番だしの取り方や銘柄別の特長を教えたほか、だしがらの活用法も紹介、昆布の魅力を伝えた。
八雲町東野でヤマト外崎水産を営む落部漁協の外崎正廣さんは、前浜産のホタテ、タコ、ツブなどで燻製などの加工品作りに励んでいる。ことしから八雲町情報交流物産館「丘の駅」で本格的に販売を開始。「商品として買ってもらえるのがうれしい」と笑顔を見せる。
鹿部町のたらこメーカー・株式会社丸鮮道場水産(道場登社長、電話01372・7・2523)は、鹿部・噴火湾産を使った「燻製たらこ」を商品化した。岩見沢市の燻製メーカー「市川燻製屋本舗」と共同開発。新機軸のたらこで噴火湾産のおいしさを訴求していく。