青森県・三沢市漁協(門上馨組合長)の直売所が順調に滑り出した。同市三川目の国道沿いに11月19日オープン、組合員が水揚げするヒラメやイカなどの魚介類を中心に並べ市民らでにぎわう。年間の売り上げ目標は3000万円。「将来的に収益の上がる事業に」との期待がかかり、漁閑期(りょうかんき)が課題となる。
枝幸町の海洋食品株式会社(三木康裕社長、電話0163・62・3731)は来年から前浜・枝幸産を使ったサケ缶詰の製造販売に力を入れる計画だ。産地加工の強みを生かし、生原料で作る差別化商品で高級志向などをつかんでいく。
新巻き商戦が大詰めを迎えている。今季は不漁と、国内加工、輸出向けの原料需要で、生産量が低水準。特に小型サイズの水揚げが少なく、小箱(10キロ)は品薄、払底状態。一方、大箱(19.5キロ)は高単価に付く6尾以上の荷動きが鈍く、年内に売り切れるかが焦点だ。
岩手県沿岸最北端の洋野町の有志が取り組んでいる「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」は、タコ、ホタテ、サケを使った薫製品を開発。素材の風味や食感を最大限に生かした風味が売りで、10月に東京都内の大手百貨店で実施したテスト販売で完売となる人気を得た。今後商品化し、首都圏での販売展開を計画。将来的には海外進出も目指す。
世界でも北海道の太平洋沿岸にのみ生息するシシャモ。釧路海域では、漁業者、漁協、自治体、加工流通業者、飲食店など地域の関係者挙げて、その希少な魚の資源維持・増大をはじめ付加価値向上、消費拡大に取り組んでいる。昨年3月にはこれまでの活動と実績が認められ、「釧路ししゃも」が地域団体商標に登録。統一ブランドマークで、一層の知名度アップを目指していく。
南かやべ漁協尾札部地区青年部(佐藤正紀部長)は、昨年から札幌駅前地下歩行空間で、尾札部産昆布の宣伝・販促活動を展開し、需要喚起と知名度向上に力を入れている。
同地区は白口浜に位置し、献上昆布としても知られる高級銘柄を生産する。ただ、2年前の関西消費地視察で需要低迷を肌で感じた。佐藤部長は「昆布離れが進んでいることに加え、尾札部産の知名度も低かった」と危機感を抱き、「このままではいけない」と漁業者が先頭に立ちPRすることを決意した。
岩手県宮古市の宮古水産物商業協同組合(島香尚組合長、電話0193・62・5061)は11月28日、商品開発したイサダ(ツノナシオキアミ)のさつま揚げとサクラマスのへしこ(ぬか漬け)のお披露目と試食会を宮古漁港のシートピアなあどで開催した。両品とも好評で、来春の販売開始に向け手応えを強くした。
秋サケの国内需要の拡大に向け、秋サケ業界ではすしネタや刺身など「生食」普及への挑戦が続いている。国内の生食サケ市場は回転ずしを中心に拡大しているが、輸入養殖物が売り場を席巻。脂肪分では輸入物の壁は厚いものの、原料の厳選、製法の工夫で高品質を追求。「サケ本来のうま味」の訴求などで商機を追っている。
太平洋沿岸のシシャモ漁は今季も全域的に低調だ。終盤を迎えた釧路海域は昨年を上回るペースで滑り出したものの、中盤から漁が切れだし、昨年同期を割り込んだ。また、11月中旬で終漁した胆振・日高海域は大幅減産。十勝海域は日量が少なく、11月以降はシケ休漁の連発も響き、前年並みの低水準となった。
猿払村漁協のけた引は11月21日に終漁し、前年比16%増の5万7370トンを水揚げした。平成20年の5万2700トンを上回り過去最高数量となった。