海上保安庁は17日、2023年の海上犯罪取り締まり状況(速報値)を発表した。全体の送致件数は前年比133件減の7190件、送致人員は86人減の4693人。その中でも漁業関係法令違反の送致件数は、3年連続の増加となり、各種法令別送致件数の中で最も多くの割合を占めている。
全漁連は15日、農林水産省に対し能登半島地震の復興に関する緊急要請を行い、森健水産庁長官に要請書を手渡した。坂本雅信会長は「水産庁を挙げて支援していただいたことに感謝申し上げる」とした上で「漁村、漁港、漁港設備、漁船などの被害が能登半島中心に起きている。漁業者の生活の再建と漁業の生業復興に向け、長期間にわたる息の長い対策が必要になると思われるが、よろしくお願いしたい」と要請した。
東京都・豊洲市場の東北産ムール貝消流は固定客を持つ仲卸業者が定番で仕入れている。ただ、以前ほど安定した入荷が望めず、仲卸業者は頭を悩ませている。
卸値は青森県産や宮城県産がキロ800円ほど。「数量が多い年は宮城県産で400円の場合もあったが、最近は現在の価格で安定している」と説明。引き合いは「入荷すれば必ず買っていく客はいる。また、新規客には青森産は身入りが良いと説明している」と拡販に努めている。
最終盤を迎えた2023年度の岩手県の秋サケ漁は過去最低の水揚げで漁期を終えることが確定的となった。県の漁獲速報(10日現在)によると、海と河川を合わせた回帰実績は4万4千尾、130トンで、過去最低水準だった前年同期に比べて尾数で74%減、重量で70%減。19~21年度の稚魚放流は不調に終わっており、来季も厳しい漁模様が続くとみられる。
漁業法改正後初となる定置漁業権の切り替えは、第15次(2024~28年)の漁場計画が全海区で樹立され、桧山、渡島、胆振、網走(一部予定含む)、宗谷、留萌の6海区が1月1日付で免許された。残る4海区は2月1日付の免許予定。今次の切り替えでは経営統合など大きな変更はないが、主体となる秋サケの来遊資源の低迷に伴う不採算漁場の廃統などで免許統数は第14次に比べ56カ統減の1048カ統となる見込み。
北海道漁業士会(住吉俊文会長=佐呂間漁協)は17日、札幌市の第2水産ビルで研修大会を開いた。全道各地から約100人が参加。漁村活性化活動、行政・漁協系統との連携強化などを柱とする2024年度事業方針を決めたほか、活動報告や講演を通し、研さん・交流を深めた。冒頭のあいさつで住吉会長は燃油・資材価格の高騰、海洋環境の変化に伴う資源の減少・変動、中国の日本産水産物禁輸措置など漁業を取り巻く環境を挙げ「厳しい時だからこそ、われわれ漁業士の存在・必要性も問われる」と強調。「全道の仲間が一堂に会する絶好の機会に研修・交流を通し、少しでも成長できる良い時間になってほしい」と呼び掛けた。
渡島噴火湾で水揚げされるマボヤの韓国輸出が東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出以降、停滞している。水揚量の多い落部、森、砂原漁協では大半が養殖施設に垂下したまま。国内の取引先も見つからず、漁協関係者は頭を悩ませている。
えさん漁協のマダラ一本釣りは、今季も年明けに漁模様が好転、各船好漁に恵まれ日量が1トンを超える船もある。ただ、浜値は安く、中心サイズはキロ100円台まで下げている。
ひやま漁協乙部支所のナマコ協議会加工部門は、主力商品の乾燥ナマコ「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」の売れ行きがコロナ禍収束以降、好調に推移している。インバウンドの増加傾向とともに主要空港での販売に加え、料理人の間でも評判が広がって中華料理店など業務筋の引き合いも増大。次期生産量は現在の3倍増となる3~4トンを目指す。
繁茂不良による生産低迷が続いている渡島管内の天然コンブ。その中でもガゴメの減産が著しく、生産量を示す道水産物検査協会の格付実績によると近年は1トン台にまで激減している。加工業者も在庫が減る一方で、代替原料を模索するなど苦慮している。