2024年春の叙勲で、根室漁協組合長の大坂鉄夫氏が旭日双光章を受章した。道漁連副会長、道水産物貿易対策協議会委員長、根釧漁船保険組合組合長、日本漁船保険組合副会長など数々の要職を歴任。地域の漁業をはじめ全道・全国の水産業の発展に大きく貢献している功績が認められた。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は宗谷管内が昨年より1旬早く、4月中旬で全4漁協が許容漁獲量を達成し、終漁した。またオホーツク管内は流氷などで開幕がずれ込んだ南部(網走・斜里第一・ウトロ)も4月上旬に水揚げを開始。漁獲状況などを考慮し、許容量の調整を2回実施。オホーツク総合振興局の集計によると、20日現在で管内全体の漁獲量は前年同期比12.6%増の99.4トン。許容漁獲量の達成率は73.7%。
一昨年来、高単価を形成している北海道産タコ。全体の水揚げが3年連続の2万トン割れとなり、低水準の供給量と搬入が不安定なアフリカダコ代替需要の生冷仕向けが影響。ただ、4年前の倍値まで上昇し、消流は高値疲れの様相。漁況、実消費など変動要素を抱えながらも品薄高に限界の気配が漂っている。
道南本場折浜の促成は、例年に比べてコンブノネクイムシの付着による変形や脱落が目立っている。予備コンブなどを移殖し対応しているが被害箇所全てに手当できず減産を見込む着業者もいる。生育中のコンブについても「例年より短い」と指摘する声が多い。
ここ数年不振を極めている噴火湾3単協(落部・森・砂原漁協)のエビかごで、今年は春漁終盤に突如上向いた。大量発生している混獲のオオズワイガニが減少した矢先にボタンエビが急増。1隻数尾の水揚げから100キロ前後に増えている。着業者は「全盛期より少ないが、この好転を秋漁につなげたい」と期待を寄せている。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会が生産するブランド「海峡ねぼっけバキバキ」の春漁が4月上旬に始まった。初日は唯一操業した髙島信幸部会長の幸栄丸が100箱(1箱5キロ詰め)を超える好漁に恵まれたものの、その後の水揚げは潮によって網に付着する「泥」の状況に左右されている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で加工貝の水揚げが終盤に入った。4月13日時点の水揚量は前年同期比3%減の3万5千トン。計画達成率は74%。日産数量は落部が370~380トン、長万部、森が約200トンなど。浜値は八雲町、砂原、鹿部の入札がキロ200円台前半、長万部、落部、森の値決めは200円。いずれも昨季の半値に落ち込んでいる。
中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)が開発し、井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する冷凍設備「イータマックスシステム」は2006年の誕生以来、食品工場や冷蔵倉庫などで多くの実績を積んでいる。安定稼働や電気代削減が強みで、最新の導入事例では生産性の向上や商品の品質強化を引き出して、拡販体制も支えている。省エネ効果は電気代高騰時代の切り札となりそうだ。
冷凍のトータルソリューションを提供するデイブレイク株式会社(東京都、木下昌之社長)は、メーカーとしての側面でも頭角を現わしている。2021年10月に販売を開始した初の自社開発冷凍機「アートロックフリーザー」は2年半で受注社数が700社を突破した。「さまざまな側面から価値を高めた結果、お客さまから選んでいただけるフリーザーとなった」と同社では受け止めている。導入している業態も食品加工会社や飲食店、量販店、生産者などさまざまで、その多くが共同で商品開発を進めている。日本の食シーンに新たな風を吹き込んでいる。
食品の鮮度を保ち、長期保存を可能にする冷凍技術は、SDGsの達成という社会的課題も背景に重要性を増している。昨今は、空前の冷凍食品ブームといわれているが、冷凍技術に関しては、産官学それぞれがさまざまなアプローチで進んできている。これを整理し、科学的知見に基づき発展させることを目的とし、中立的な立ち位置で業界を先導していく組織も立ち上がっている。関係者の横断的な連携の推進を担うものとして、こうした組織の発足は学術、業界関係からも意義あることと関心、評価を得ている。