網走湖で獲れるヤマトシジミの減少に歯止めをかけようと、網走市や東京農大、西網走漁協などで組織する「網走湖ヤマトシジミ資源対策検討会」(座長・園田武東京農大助教)は今年、人工採苗に挑戦する。7月に種苗を採捕後、水槽で育成し殻長1ミリに成長させ放流。4月に先進地を視察し具体的な試験内容を固める計画だ。
2011年3月11日の東日本大震災から間もなく9年。宮城県東松島市の東名漁港を拠点にカキ養殖に励む木村幸喜さん(31)は復興への支援に感謝を伝えようと、生産意欲を新たにしている。「おいしいカキを届けるのが何よりのお返しになる。全国の人に鳴瀬のカキを食べてもらいたい」。苦難の復興期を地区全体で乗り越えた今、「これからは若手が先頭に立って引っ張る番」と気を吐く。
岩手、宮城両県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁が解禁され、岩手県の大船渡市魚市場に4日、今季の初水揚げがあった。制限いっぱいの275箱(1箱約30キロ)に達した船は1隻のみで、水揚量は昨季初日より92トン少ない103トン。海水温が高く、漁場形成が遅れているためとみられる。価格は1キロ67円~55円50銭で昨季初日を2円ほど上回った。
札幌市のノフレ食品株式会社(信太孝一社長、電話011・200・0822)は一昨年7月の設立以来、新たなライフスタイル・価値観を捉えた商品開発を進めている。水産品では現在、北海道産素材を前面に、魚総菜とサバ缶の2つのカテゴリーを商品展開。コンセプトやパッケージデザインも追求し、差別化販売に臨んでいる。
岩手県宮古市の日出島漁港を拠点にホタテ養殖や遊漁船業などを営む㈱隆勝丸。「海で稼いで地域を盛り上げたい」。その一心で、「脱サラ漁師」平子(たいこ)昌彦社長(39)が立ち上げた設立2年目の若い会社だ。今年夏にはインバウンド(訪日外国人客)向けの体験型観光を計画するなど事業は順調に拡大。東日本大震災からの復興、交流人口拡大による地域活性化を目指す。
昆布森漁協仙鳳趾地区のカキ養殖業者3人は、共同でワカメの試験養殖に取り組んでいる。昨年秋に宮城県から種苗糸を搬入、順調に生育している。代表者の木村仁さんは「まだ手探りだが、成長に関して言えば初めてにしては大成功」と手応えをつかむ。今後も研究機関などと連携し前浜環境に適した養殖技術の向上に注力。主力のカキに次ぐ養殖業の確立と新たな「仙鳳趾ブランド」の創出が期待される。
水産庁は2月20~21日に福岡市で、26~27日には東京都内でサバの資源管理方針に関する検討会を開いた。新たな資源管理である最大持続生産量(MSY)の概念に基づいた漁獲シナリオや2020年漁期のTAC案について漁業者・研究者らと検討を行った。水産庁が示した案に最終的に出席者からの納得が得られたとして、今後資源管理基本方針を策定し、正式なTACとして決定していく。
1月下旬に始まった日高西部海域(門別~冬島)の毛ガニ漁は、低水準ながら2月下旬までの前半で昨年度実績を超え折り返した。組成も昨年に比べ良型。ただ、浜値は昨年より安値形成。餌代などコストが重く、厳しい操業が続いている。
いぶり中央漁協のスケソ刺網が終漁した。今季はハシリに順調な出足を見せ昨季を上回る数量で推移したが、真子が多い1月以降の後半に失速。単価安に見舞われ、2月22日現在の水揚金額は前年同期比約2割減と伸び悩んだ。
札幌のセンチュリーロイヤルホテルは、「北海道喜こんぶフェア」開催記念企画として「五感で感じる!昆布食育セミナー&ランチ会」を初めて開く。道漁連職員が講師となり産地や銘柄、栄養素、健康効果など幅広く解説するほか、だしの試飲でうま味も体感する「見て、食べて、触って、感じる授業」を展開。レストランでは多彩な昆布料理を提供、世界無形文化遺産にも登録された「和食」を支える昆布の魅力を発信する。