5月に本格化した枝幸漁協のミズダコ漁は樽流し、かごともに好調だ。樽流しは水揚げの多い着業者で日量500キロ以上に。全体では日量平均20トン前後の好漁を持続している。組成は中主体。浜値は消費停滞のあおりでキロ500~400円台後半と安値基調。同漁協市場では「昨年より100円ほど下回っている」と話す。
えりも漁協のツブかご漁は数量・価格とも低調で苦戦を余儀なくされている。新型コロナウイルスの影響を受け、真ツブが大でも千円台の相場が常態化し、対策で4月8日から5月26日までかご漁を週3回に制限。着業者らは緊急事態宣言解除後の価格形成を注視している。
後志沿岸のコウナゴは昨季同様に三陸や西日本など本州の不漁が相まって、コロナ禍の影響もなく高値で推移している。5センチ前後の大サイズを中心に本州の加工筋の引き合いが強く、5月下旬の漁期終盤でもキロ700~600円の好値を付けている。一方、つくだ煮に使う小サイズの浜値も底上げされ、地元加工業者は原料手当てに苦戦している。
利尻・礼文両島の養殖は、早い地区で6月中旬の水揚げ開始を予定、着業者は雑海藻駆除や干場整備など準備を進めている。長さなど生育は順調な様子。一方、シケなどによるコンブの脱落や施設被害があり、鬼脇地区で規模が大きいという。
宗谷漁協のミズダコ漁は、昨年と比べ低調な水揚げ。多い船は日量200~300キロとなるが、「昨年は500キロ前後揚げていた」と話す着業者には物足りない漁模様。浜値は消費低迷のあおりで安値に傾斜し、前年同期比2割安のキロ400円台と低迷している。
オホーツク沿岸の宗谷管内4単協(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)では、枝幸を除く3単協が本操業に入った。5月末の全体水揚量は3万3800トン。歩留まりは8%前後と上がり方が鈍く、アソートは5S、6S中心。猿払村は6月1日から34隻体制となり日産400トン台の水揚げを見込む。
生ウニの加工販売などを手掛ける(株)マルシチ水産(宮城県南三陸町歌津、髙橋七男社長、電話0226・36・2118)の工場長、髙橋栄樹(ひでき)さんは、磯焼け対策で駆除されたウニ(ムラサキウニ)の陸上畜養実験に取り組んでいる。磯焼け域のウニは身入りが乏しく、売り物にもならないが、配合飼料を使った畜養技術を確立し食材として販売できるめどを付けた。髙橋さんは「豊かな海を残したい。藻場を再生し、質の良い天然物を取り戻すきっかけ作りになれば」と気を吐く。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が滞る地元水産加工会社を支援しようと、宮城県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、本部・石巻市、阿部勝太代表、電話0225・98・7071)は「加工屋さんのおさかなアウトレット便」を始めた。加工会社で過去にインターンシップに参加した県内外の大学生7人が全面協力。冷凍殻付きカキや骨抜き加工した「金華さば」など、行き場を失った主に業務用食材を全国の消費者向けにインターネットで販売している。
根室市のカネ共三友冷蔵(株)(石田一志社長、電話0153・23・5261)は、近年前浜で水揚げが増加傾向のマイワシの加工を強化する。小型魚に対応したフィレーラインを新たに備え、急速凍結の新技術「3D冷凍」でワンフローズンのフィレーを生産。昨年から手掛ける生食可能なラウンド凍結品と合わせ、回転ずし店、量販店などの販路拡大に取り組む。
農林水産省が5月28日に公表した2019年漁業・養殖業生産統計によると、全体の生産量は416万2800トンで、前年に比べて25万8千トン(5.8%) 減少した。 そのうち、海面漁業の漁獲量は319万7千トンで、前年に比べて16万2500トン(4.8%)減少。サバ類やサンマの減少が影響した。海面養殖業の収獲量は91万2400トンで、前年に比べ て9万2500トン(9.2%)減少。 内水面漁業・養殖業の生産量は5万3317トンで、前年に比べて3489トン(6.1%)の減少となった。