福島吉岡漁協で促成の間引き作業が最盛期を迎えている。シケによる大きな脱落はないものの、生育面は「例年に比べて遅い」と指摘する声もあり、着業者は今後の成長促進に期待する。
網走漁協の毛ガニ漁は1隻当たり日量200キロ台の水揚げ。組成は小主体だが「資源に不安を感じない」(着業者)スタートを切った。浜値は大・中ともにキロ7千円前後で始まったが、13日以降6千~5千円台に落ち着いている。
北見市常呂町の(株)常呂町産業振興公社(社長・髙桑康文常呂漁協組合長)が建設を進めてきたホタテ貝殻粒状化施設がこのほど完成した。ホタテ貝殻で製造する土壌改良材の粒状化事業は国内初。従来の粉末を粒状に加工することで農家経営の生産コスト削減や所得向上が期待できる。9月をめどに販売を開始、来年から本格的な生産体制に入る予定だ。
福島吉岡漁協の電光敷網でヤリイカがまとまった。福島地区では3隻が着業。そのうちの1隻、祥福丸の住吉国男さんは「3月に1週間ほど漁があり、4月上旬にまた獲れだした」と説明。多いときで千箱以上を水揚げ。「これだけの漁は久しぶり」と話す。
終盤を迎えている今季の噴火湾渡島地区6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝(2年貝)累計水揚量は、当初計画をやや上回る2万8千トン前後となりそうだ。大半の漁家が4月末で終漁する見込み。同月中旬時点の水揚量は約2万5千トン、当初計画に対する達成率は9割を超えた。一方、3月末までキロ200円程度だった浜値は、歩留まり低下、流通停滞に伴い160円台まで下がっている。
羅臼漁協のマダラとスケソはハシリの数量が伸び悩んでいる。4月上旬の小型船に加え、13日から大型の刺網船も着業したが海況に恵まれず、苦戦している。
道南の各浜では、毎年春に促成の若葉を利用して早煮昆布などを生産している。えさん漁協所属「(株)美千丸漁業」(尻岸内地区、木津谷正揮代表)は、ボイル後に細切りに裁断、板状に乾燥させた刻み昆布をつくる。洗浄などで使う活水器や異物混入を防ぐ金属探知機を備えるほか、板状に成形する専用枠をステンレス製に切り替えるなど「食の安全安心」を意識、衛生面に配慮した製品作りを徹底する。1シーズンの製造枚数は近年15~16万枚と当初に比べて大幅に伸長。主力に据えるイカ釣りが資源低迷で苦戦を強いられる中、漁業経営の「もう一つの柱に」と力を注ぐ。
出荷最盛期を迎えた「三陸わかめ」の生産現場で活躍している水産加工機械がある。(株)エフエムピー(静岡市、髙橋博社長)が製造・販売する「ワカメ全自動ボイル冷却装置」だ。全自動による省力・省人化の効果は大きく、2人体制でもボイル加工の処理能力は1時間1.5~2トン。「一度使ったら手放せない」「しっかり炊かれ、仕上がりのむらもない」などとユーザーの評価は高い。壊れにくい頑丈さも魅力で、人手不足や高齢化が進む浜を支えている。
岩手県の宮古湾特産「花見かき」の水揚げが始まった。食べ応えと濃厚なうま味が特長の大粒殻付きカキで、殻が器になるよう見た目にもこだわった春限定の味覚。昨年10月の台風19号の影響が懸念されたが、今年も品質は上々。例年並みの9千個の出荷を目指す。
1日付で道水産林務部長に就任した佐藤卓也氏は9日、記者会見し、水産行政かじ取りの抱負を語った。秋サケ、ホタテ、コンブなど主要魚種の生産回復対策を根幹の最重点に強調。喫緊には需要減退など水産業界も深刻な影響を受けている新型コロナウイルス対策に迅速に取り組む考えを示した。