落部漁協かれい刺網部会(宮本弘文部会長)の有志5軒が、促成マコンブの養殖試験事業に取り組んでいる。昨秋に養成を始め、6月下旬に1回目の水揚げを行った。宮本部会長は「直下式のため実入りに差は出ているが手応えは感じている。当面継続していきたい」と力を込める。
後志管内の岩内町が取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験は、6月2~6日の4日間で3期目の水揚げを実施した。水揚数量は8020尾、総重量17.8トン。1尾当たりの平均体重2.22キロ、生残率74%だった。札幌市の卸売業者に出荷。一部は町内の加工業者、札幌市の卸売業者を通じ町内の飲食店やスーパーなどで販売した。
東京都・豊洲市場のいくら消流は供給量がタイトで仲卸は仕入れに苦しんでいる。2023年、24年と北海道の秋サケ水揚げが大幅に減少し、生産量が低水準となったのが要因。卸値も塩の良品が築地時代の倍値に高騰。各仲卸の在庫は8月前半には払底になる見込みで新物供給を切望している。
水産庁は、クロダイのおいしさの認知を向上させるプロジェクトを立ち上げた。クロダイの漁獲量が多い府県や研究機関、「さかなの日」賛同メンバーと官民協働で働き掛ける。持続的利用のほかに、食害による漁業被害の軽減も狙いとしている。第1弾として大消費地の百貨店で販促イベントに参加、引き続き産地や企業とのマッチング機会を拡大させ、普及を促進させる。
8日解禁した道東沖のサンマ流網漁(10トン未満船)の初競りが10日、釧路港の卸売市場で行われた。水揚げは2023、24年が皆無で3年ぶり。卸値は最高値がキロ25万円と過去最高を更新した。また、札幌市中央卸売市場で11日に行われた初取引でも1尾175グラムの1キロ6尾がキロ88万8888円と過去最高値を付けた。
マルハニチロ株式会社は2025年秋季の新商品27品、リニューアル品13品を9月1日から発売する。家庭用加工食品では、増加・安定基調にある漁獲量を背景に道産ブリを使用した缶詰を開発した。このほか、健康意識の高まりに寄り添いながら、簡便さと本格さを兼ね備えた市販用商品や、調理現場や施設での人手不足に対応する業務用商品をラインアップしている。
2024年産の北海道産秋サケ製品の消流状況は、水揚げの減少などで生産量が大幅減産となったものの、親製品は年間供給商材のコストが上昇、魚卵製品の単価も超高値を形成している。一方、チリ産ギンザケなど競合する輸入鮭鱒や、米国・ロシアが昨年不漁で冷凍卵の搬入が少ないマス子も高値推移。今年も近年にない低水準の来遊予測通りになれば秋サケ製品の単価高が見込まれるが、サケ全体の国内消費量に陰りが見え、サケ離れの回避、売り場の確保・維持などが引き続き課題となる。
苫小牧市に工場を構えるスモークサーモンメーカー・王子サーモン株式会社(東京都、安田敬秀社長)の子会社・王子サーモンロード株式会社(今井尚隆社長)は昨年10月から上川町で手掛ける養殖トラウトサーモン(ニジマス)「北海道大雪サーモン」の販売を本格化している。通年の出荷体制で回転ずしをはじめ、百貨店・量販店、鮮魚店など多岐にわたって需要先を獲得。今年度は初年度から倍増の70~80トンの水揚げを見込んでいる。
昨年まで生鮮カツオの水揚量28年連続日本一の宮城県気仙沼港で、今年は水揚げが低調だ。6月末の時点で前年同期の3%にとどまる。専門機関によっては過去20年で最低水準との予測もあり、北上が遅れている。今年は同地に一本釣漁の原型が伝わって350年の節目。市を上げてさまざまなイベントを用意しており、関係者らはカツオの本格的な到来を待ちわびている。
コンブの大規模養殖生産技術確立を目指し、理研食品株式会社(宮城県多賀城市、宮澤亨社長)が岩手県大船渡市で実証試験を重ねている。7日に経過を観察する収穫を行い、順調な進行を確認した。従来の水平養殖方式と異なり、親縄にロープを垂直につるす垂下方式2種に取り組む。温暖化の要因となるCO2(二酸化炭素)の吸収源として、脱炭素社会実現へ多様な利活用が進むコンブの大量供給に寄与し、確立した技術の養殖漁業への転用も期待される。