JCFU全国沿岸漁民連絡協議会に所属する北海道から沖縄県の沿岸漁民の代表者らが26日、農林水産省正門前で集会を開き、クロマグロの沿岸漁獲枠の拡大を求めた。その後の森健水産庁長官との面会では、漁業者の訴えの詰まった署名と要望書を提出。経営に苦しむ沿岸漁民の実態を知った上で、それに配慮した配分枠の決定を訴えた。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)に、長崎大学海洋未来イノベーション機構の西原直希教授が応募した研究課題「海藻養殖漁場におけるブルーカーボンの高精度定量化と固定能評価」が採択された。琉球大学の小西照子教授や理研食品株式会社と共同で研究を行う。海藻養殖が有効な二酸化炭素(CO2)除去戦略であることを証明していく。
卸業者の受注業務を完全無料でデジタル化できるシステム「食べログ仕入」を、飲食店口コミサイトで知られる食べログを運営する株式会社カカクコムが提供している。電話やFAXでの受注業務を、スマホやパソコンからウェブ上での管理に切り替えることができるシステム。受注業務にかかる時間を大幅に削減でき、業務の効率化が図れると好評で、約250社の卸業者が導入している。
自治体のふるさと納税支援などを手掛ける株式会社イミュー(東京都、黒田康平社長)と白糠漁協(山田明組合長)は、前浜で急増しているブリの船上活じめ(放血)などで価値を高める取り組みで生み出したブランド「極寒ぶり」の進化に乗り出した。生食できる鮮度の長期保持を図るための新蓄養技術を導入。専用施設を新設し、9月から実証試験を始めた。料理人の調理意欲などに刺さる出荷商品を確立、飲食店などの販路拡大を進めて白糠産ブリの需要・認知向上を目指す。鮮度保持蓄養施設は、鮮度保持技術の開発・指導などを行う釧路市の株式会社リバーサー(松田英照社長)が開発した「低活性活かし込み技術」を応用。海水より塩分を低濃度などに調節した蓄養水で数日間安静飼育し、漁獲によるストレスなどを回復(実証試験中)。さらに餌を与えずに断食飼育することで胃の中を空にし、酸化を遅らせる(実証済み)。
北海道の秋サケ定置網漁は平成以降最低の漁期前予測を下回る水揚げペースで推移している。根室、オホーツクが低水準ながら日量が増加してきた一方、太平洋、日本海・中部以南が9月中旬まで伸び悩み。浜値は出足より下方修正となったものの、依然高位置。盛漁期入りが注目される。漁期前予測で前年比2割減が示されているえりも以東・東部地区主体の釧路管内は、道漁連の集計によると、19日現在で前年同期比59%減の136トン。
サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)の稚貝本分散が9月上旬に始まった。採苗は外海・湖内ともに振るわず、仮分散で確保している稚貝を融通し合いながら、必要量の確保に向け慎重に進めている。
余市郡漁協のエビかご漁は数量・金額ともに昨年並みで推移し、操業する5隻でボタンエビが3S~6Sサイズ中心、ナンバンエビが小と小小を中心に、それぞれ日量平均100箱前後を水揚げしている。9月5日の浜値ではボタンエビが2万2391円~2110円、ナンバンエビが5591円~1388円を付けた。
国内のカキ生産場所としては最深部で養殖している森漁協所属・株式会社イワムラ水産のブランドカキ「碧」が生産拡大に成功した。管理手法に試行錯誤を重ねてきた結果、4年目の今年は歩留まり良好で生残率も高く大幅に増加。生産量は以前の約10倍に当たる10万個に伸長した。出荷は9月上旬から順次始まっている。
えりも漁協のコンブ採りが終漁した。今季は総体的に繁茂状況が芳しくなく、わずか2日の操業で切り上げる浜もあるなど採取に苦慮。全10地区の累計採取日数は89日(320時間)と前年の228日(796時間)を大きく下回り、大幅な減産が見込まれる。繁茂状況については「2~3月の大シケで抜けた。場所によって差が大きく総体的に陸側は薄かった」と話す。一方で「深みの漁場は実薄だったものの予想以上に着生しており、ねじりで7日間操業でき、最後は浜いっぱい採れた」と表情を緩ませる。
近畿大学水産研究所奄美実験場(鹿児島県瀬戸内町)は絶滅危惧種とされているタマカイ(ハタ科)の9歳魚を親として約23万尾の人工ふ化に成功した。国内では2例目だが、奄美海域では初。熱帯性である同種の繁殖としては最も高緯度海域での成功例となり、高水温に適し、成長が早いなど陸上養殖の優良品種として評価されている交雑魚「クエタマ」を持続的に生産できる可能性も見えてきた。