一般社団法人漁業情報サービスセンターは6月26日、2024年度の定時総会を東京都内で開き、高精度情報の継続的提供による漁業現場への貢献を事業方針などとする全議案を承認した。主力の情報サービス「エビスくん」の新たな取り組み開始を明らかにするとともに、養殖業の振興、洋上風力発電やブルーカーボン活用の動きに伴った沿岸・内湾域向けの情報サービスも充実させる方針。
標津町(山口将悟町長)は6月21日、東京・新宿の飲食店「新宿魚縁一丁目」(中村仁店主)と地場産品の普及に関する連携協定を結んだ。産地と首都圏飲食店が連携し、水産物など標津産品の魅力発信を図り、消費者ニーズを高める。産品をふんだんに盛り込んだ料理を提供しながら、産地と店舗をオンラインで結んだ生配信などイベントも実施し、魅力を余すことなくPR。交流人口の創出にもつなげていく。
全道各地でごみの不法投棄、漁業作業や親魚そ上の障害など一部のマナー欠如者による問題が発生しているサケ・マス釣りの健全化に向け、漁獲量日本一で釣り人も多く訪れる斜里町は1日、「斜里海浜サケ・マス釣りルール」確定版を発布した。アンケートや意見交換などを踏まえ、「お願い事項」に、同時使用の釣竿数3本以内、釣果1日3尾以内を明記。現場啓発などでサケ・マス釣りの秩序確立に取り組んでいく。
苫小牧漁協(伊藤信孝組合長)はタコ、マツカワなどの蓄養水槽に供給するウルトラファインバブル(超微細気泡、UFB)の生成装置(株式会社丸山製作所製、株式会社JALUX納入)を導入した。活出荷で漁獲物の販路拡大、高付加価値化の魚価対策に取り組んでおり、UFBを組み入れて蓄養時のへい死抑制による安定供給、出荷品質の維持・強化などを図っていく。
小樽市の株式会社NSニッセイ(松田さゆり社長、電話0134・52・2022)は、常温品の商品展開を強化している。北海道産水産素材と野菜のコラボで3年前に発売した「食べるスープ」に次いで「生茶漬」を打ち出した。7月中旬から販売開始。従来のギフトに加えて、観光土産品や災害・非常食の需要開拓にも照準を合わせている。
公益財団法人宮城県水産振興協会(七ケ浜町、石田幸司理事長)は今年、ホシガレイ種苗の大量生産に成功した。ホシガレイは成長が早くて単価が高く、刺網など多様な漁法で漁獲可能。主要魚種の水揚げ低迷が続く中、特色ある栽培対象種として期待する漁業者も多い。種苗生産技術はおおむね確立されている。漁業所得の向上と資源の維持・増大を目指す。
有限会社泉澤水産(岩手県釜石市、泉澤宏社長、電話0193・55・5481)は、釜石湾で養殖するサクラマスとギンザケの水揚げを開始した。両魚種とも輸出を視野に、4月3日付で水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証を取得。ブランド力に磨きをかけた。今季は給餌を工夫することで大型化にも成功している。7月中旬までに計400トンの生産を目指す。
昨年4月に設立50周年を迎えた株式会社寺島商会(函館市、寺島達則社長)は、漁業者の声を参考に利便性や作業効率化などを追求したコンブ関連機器を製作販売。最近では主力の洗浄機で作業負担を軽減できるコンパクトタイプの新型を打ち出したほか、コンブの巻き取り機も製作。また、曲げ・レーザー両加工機の導入で板金加工の精度向上を図ったほか、多様な部品・文字看板などの製作も新たに手掛け関係先に提案している。
農業生産法人の株式会社流山(七飯町、宮本英樹代表取締役)が運営する積丹町の積丹しおかぜ羊牧場は2020年から東しゃこたん漁協の美国地区浅海部会や積丹支所青年部のウニ養殖用ホソメコンブを羊の飼料に活用し羊肉のブランド化を推進している。ウニと藻場の循環型再生産・積丹方式による持続可能な漁業の一端を担い、水産と畜産の連携に取り組んでいる。