むかわ町は2021年度にシシャモふ化場の新築工事に着工する計画だ。鵡川漁協の既存施設の老朽化に伴う建て替え。収容卵数を既存施設の約5000万粒から3倍近くの約1億4000万粒に拡大。同町は「町魚・シシャモの資源維持を後押ししたい」とし、22年度漁期中の供用開始を予定している。
苦戦していたいぶり噴火湾漁協のカレイ刺網は、8月後半にようやくアカガレイ、ソウハチがまとまり始めた。ただ好漁と言える日は連続せず「挽回できるほど獲れてはいない。これからが勝負」と着業者。後半の巻き返しに期待している。
道立工業技術センターは、昆布製品製造卸の株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)と共同で乾燥昆布のヨウ素含量を制御する新技術を開発した。昆布の内部構造の変化を利用したもので、すでに特許を出願。輸入海藻のヨウ素含量に規制値を定める国もあることから、新技術によって海外市場の新規開拓が期待される。
今季サンマ漁の本州初水揚げが8月27日、大船渡、気仙沼両港であり活気づいた。20日に道東を出漁した大型船が漁獲し、大船渡に2隻、23トン、気仙沼に1隻、7トン。価格はそれぞれ、900~821円、800~700円。ハシリは群れも薄く、各船とも苦戦しているという。
函館市の生珍味メーカー・株式会社竹田食品(竹田寿広社長、電話0138・43・1110)は、道産魚介類を使った「おつまみ」缶詰=写真=を商品展開している。今春には初めての取り扱いとなるカキで2品を投入。2014年発売の「ワインに良くあう焼き貝」と外箱のデザインを統一したシリーズ化で売り場での訴求力を高めている。
鹿部漁協の盛田竹彦さんは「第十五宝寿丸」(FRP、9.7トン)を新造、5月末に進水した。ホタテ養殖やエビかごで操業。盛田さんは「前船に比べて広く船上での作業性が向上。船速も出るのでスピード感も前船と違う」と話す。10月からはスケソ刺網にも着業する。
道漁連は8月27日、道産魚介類を取り扱う取引先でつくる「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会を東京都内で開いた。札幌や関東地区の卸や商社など約180人が参加。秋サケ、いくら、ホタテの商戦展開を意見交換した。
宮城県から県内外に出荷される種ガキは、付着が原盤1枚100個を大幅に上回る「厚種」に偏重する見通しだ。出荷量県内1位となる石巻湾の石巻市渡波地区、2位の松島湾の東松島市鳴瀬地区とも良好な採苗となり、自家用含め確保は確実な情勢だが、東日本で需要が高い「薄種」はこれまでのところ少ない模様だ。
ヒジキの養殖試験を続ける宮城県漁協志津川支所青年部(佐藤一弥部長・19人)が人工採苗で付着に成功した。天然物を採取、挟み込み養殖で成長させ、7月下旬、成熟を確認して母藻としてタンクに浮かべ、ポリエステル製ろ過フィルターに受精卵を高密度に付着させた。
苫小牧漁協の夏ホッキけた引漁は、増産基調で推移している。資源量が豊富で、シケの影響も少なく順調に水揚げ。一方で浜値は振るわず、着業者は今後の価格挽回に期待している。