昆布森漁協のホッカイシマエビかご漁が6月中旬に始まった。各漁家が煮方などを工夫し良質なエビを生産する中、着業5年目を迎える仙鳳趾地区の竹花敏市さんも煮る時間や塩加減、尾数など随所で追求。加えて、輪ゴムなど副資材を必要としない嵌合(かんごう)パックを使い衛生面・異物混入対策も徹底している。今年から「花えび」の独自名称を付けてPR。長期保存可能な真空パック詰めの冷凍品も展開している。
水産庁は6月25日、札幌市で水産政策の改革に関する説明会を開いた。参加した北海道の漁業関係者は、新たな資源管理目標の設定に採用する最大持続生産量(MSY)の信頼性やメリット、漁獲可能量(TAC)対象拡大に向けた混獲魚種の管理方法や経営支援策について質問。これに対し水産庁は徹底した資源評価・管理への移行、微小魚種のグループ化検討などを示した。
船上活じめのホッケやニシンを独自の販路で直販している常呂漁協の川口洋史(きよふみ)さん(33)。フェイスブックの配信やイベント運営を通じ、取引先は道内外の飲食店中心に20店舗まで拡大した。最近は6次化についての講演依頼も増えているという。
散布漁協のさお前コンブは、シケや悪天候に悩まされたものの、漁期最終日となる6月25日に出漁して計画の3日間を消化、漁を終えた。秋森新二組合長は「3日採るのに日にちはかかったが、数量的には順調に揚がった」と話す。
噴火湾で毛ガニかご漁が始まった。いぶり噴火湾漁協は中主体の組成で1隻平均100キロ台、日量1トン台と上々の出足。浜値は昨年の2割高で始まり大がキロ5000円台、中が3500円前後と高値基調で推移している。
留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(北堀孝男社長、電話0164・42・1127)は昨年10月に食品製造の株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(HD、本社・東京)の傘下に入り、業容拡大に取り組んでいる。今年に入って主力商材の珍味で秋サケとホッケを使ったジャーキーを新たに商品化。同HDの販売力を基盤に新たな販路開拓を進めていく。
網走漁協の毛ガニかご漁は水揚げペースが順調だ。許容漁獲量達成率は5月下旬までの堅ガニ時期で7割強と、オホーツク管内最速。自主休漁を挟んで6月25日に再開し、若ガニも好スタートを切っている。
いぶり噴火湾漁協の伊達地区でホタテ養殖を営む佐藤三男理事は、一昨年から酸素濃縮装置を導入し、耳づり作業の一時保管に使用している。春定置では活魚出荷にも効果を発揮。「生存率や鮮度が確実に高まった」と驚いている。
「津軽半島今別サーモン」の水揚げが快調、終盤を迎えている。トラウトサーモン(海産ニジマス)を青森県今別町沖の津軽海峡で約7カ月間養殖し、大きな死滅や波浪による施設被害もなく順調に成長。2.5~3キロサイズで7月初旬までに生食向け供給で約50トンに迫る。地元漁協では「夢のような話が現実になった」と喜び、養殖事業化に期待を膨らませる。
宮城県漁協と牡鹿漁協は6月、ナマコの種苗生産に取り組み始めた。親ナマコを採捕し、温度刺激で放卵・放精を誘発。ふ化した数十万の浮遊幼生を飼育し、採苗器に付着させてから海で中間育成する。体長1~2センチになる冬に放流。簡易な方法でコストをかけず、放流のサイズやその後の生残率より、数量を重視する「粗放的放流」で資源の維持、増大を狙う。