宮城県漁協は本年度通常総代会を6月29日、石巻市で開催した。昨年度事業での剰余金6億5200万円などを報告、悲願となっていた震災特例優先出資66億8000万円の消却を決めた。7月中に解消できる見通しで、その後を見込んだ3カ年の経営改善計画を承認。昨年12月発覚の販売事業をめぐる不祥事について、あらためて詫びるとともに損失1億7700万円を2016年度にさかのぼって訂正、再発防止策をまとめ決意を示した。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)主催の「全国サンマ・イカ等鮮魚大手荷受・荷主取引懇談会」が4日、釧路市のANAクラウンプラザホテルで開かれた。全さんまが来年5月から本格操業に乗り出すことを決めた公海サンマの活用策や、道東沖で好漁のマイワシの安定消流策などを協議した。
北太平洋での漁業資源の保護・管理を協議する国際機関「北太平洋漁業委員会(NPFC)」が3~5日の3日間東京都内で開いた第4回会合で、日本が提案した公海でのサンマの漁獲量に上限を設ける案には中国などが反対。昨年に続いて合意が得られなかった。来年の次回会合で再度論議されることとなった。
秋サケの消流は、いくら、親製品とも昨年産が大減産に伴う近年にない高値形成で海外物に切り替わるなど売り場縮小、消流減退の危機的状況に陥っている。今年度の流通対策事業では、既存販路の死守に向けた漁期前販促の充実に加え、引き続き、旬期消費の伸長を目的とした「生鮮対策」、通年需要を取り込む「国内対策」を実施。原料輸出の継続実施と製品輸出を一層強化する「輸出対策」と併せて、売り場回復と消流安定を目指す。
道内水産加工大手の株式会社マルサ笹谷商店(釧路市、笹谷智貴社長)が釧路町に建設を進めていた直営店「釧之助本店」が5日、開業した。釧路初の水族館を併設し、物販、飲食の複合施設。成長分野の直販事業を強化するとともに、地場産魚介類の消費拡大、観光客の集客など地域活性化に貢献。水産のまち「釧路」を発信する新名所として期待されている。
渡島噴火湾の毛ガニかご漁は、単協によって水揚量に差が出ている。落部、八雲町の2単協は許容漁獲量(ノルマ)を達成したが、ほか3単協は最終日まで操業する見込み。組成は小または中主体。浜値は小がキロ3000円台中盤、中が5000円台後半~4000円台後半、大は高値7000円台まで高騰している。
道漁連は5日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万5826トンと発表した。道東地区を中心に資源が回復模様で、過去最低の昨年度実績(1万3260トン)に比べ19%増。ただ過去10年平均(1万7017トン)と比べると7%下回る。
石巻市の有限会社ミツワ製氷冷蔵は窒素ナノバブルで満たした低酸素氷を提供、鮮魚出荷業者などから評価を受けている。海水に窒素を注入することで酸素濃度を低下させ、魚の酸化抑制をはじめとする効果により鮮度保持を高める。同市などと連携して沖合底引網などでの導入も進め、流通の川上から川下までカバー範囲を広げている。
根室湾中部漁協の養殖カキの春夏出荷が終盤に入った。今季は目立ったへい死もなく順調に推移。着業する石野洋一さんは「昨年に比べ身入りなど成長も良い」と話す。1~6月の取扱数量は、へい死が目立った昨年に比べ30%増の6万170個となった。
渡島噴火湾で来季に出荷する加工貝の耳づり作業が終了した。本数は各浜で異なるが「開始当初の見込みより下げることができた」と話す漁業者も少なくない。今後の成育次第で来季の出荷量が左右されるため、漁業者は天候に注意しながら安定した海況となることに期待している。