宮城県漁協気仙沼地区支所のカキが、シーズン序盤から大粒で身入りが良いと評判だ。一昨年採苗の2年子をむき、主に東京市場に加熱用として出荷。昨シーズンの平均単価は2000円を超え、県内共販と比べ6割近く高い。階上地区の生産者は種ガキの個数調整や成育に合わせた漁場の移動、温湯処理など手間をかけ丁寧に生産している。
落石・根室両漁協のコンブ漁が終盤に入り、ネコアシの本番時期を迎えた。落石は10月5日、根室も同4日から本格的に水揚げ、浜は荷揚げや乾燥作業で活気に包まれた。繁茂状況は漁場で異なる様子。品質面では「コケの付着がなくきれい」との声もある。
スモークサーモンなどを手掛ける札幌市の丸高水産株式会社(田名部實社長、電話011・676・3758)は、北海道産の刺身商材の製造・販売に力を入れている。最新の冷凍技術「3D冷凍」を基盤に、生魚から加工するワンフローズンに特化。委託加工に加え、「瞬造(しゅんぞう)くん」と名付けた自社商品も打ち出し、外食チェーンなどの販路を獲得している。
北海道の秋サケは前期の来遊実績が前年比115%の867万5000尾となり、漁期前予測の68%にとどまった。道総研さけます・内水面水産試験場では年齢査定の解析途中で「来遊傾向はまだ明確に見えていない」が、5年魚、4年魚とも予測より低調な様相。2000万尾台の低水準も懸念される状況だが、今季は中期の割合が高くなる見込みで、全体の75%を占める予測の4年魚に注目している。
道南太平洋のスケソ刺網が始まった。シケの影響で4日に初水揚げ。渡島地区は浅みに船が集まる中、群れは深みで比較的厚く沖側が好漁に恵まれた。魚体は小型主体で昨年初日より隻数も少ないことから水揚量はほぼ半減。それでも「魚探反応は広範囲に見られ、まずまずのスタート」と着業者。浜値は強含みの展開となった。
札幌中央水産株式会社(武藤修社長)は昨年来、北海道産に特化した焼成済みの焼魚シリーズを商品展開している。ガス置換包装で、焼きたての品質を長期間保持。国内の簡便・即食、個食需要に加え、中国など海外市場にも売り込んでいく。
ヤフー株式会社は3日、海の課題を知らせてアクションにつなげるメディア「Gyoppy!(ギョッピー!)」を開設した。海の環境汚染や生物多様性の危機、漁獲量の減少などの課題に関する記事を掲載。一部の記事では、読者がすぐにその課題解決に向けた支援に参加できる仕組みを整える。立ち上げ当初からすでに複数の企業が参画、さらなる輪を広げるため参加を呼びかけるとともに、直面する海に関する課題を社会全体で考える機会を創出する。
来年1月から本格出荷となる渡島噴火湾の加工貝(2年貝)が一昨年度に続き、またしても大量にへい死している。6単協(長万部、八雲町、落部、森、砂原、鹿部漁協)とも8月から9月にかけて多発しており、来年は、ある程度回復した昨季の水揚量を下回る可能性が高い。ここ数年続いている不安定な成育に関係者は頭を抱えている。
北海道の秋サケ定置は台風24号通過の影響が収まった3日に2814トンとまとまり、4日も1810トンと上向いてきた。今季は4年魚主体で中期の来遊割合が高くなる予測。9月が2万トン強にとどまり、漁期前に見込まれた前年比8割増、9万トンは厳しい状況だが、10月以降の伸びに漁獲水準の行方が懸かっている。
道東沖のサンマ漁は9月末現在で、低調の昨年を6割強上回る水揚げとなった。10月に入っても漁は続き、1日は道東4港(花咲、浜中、厚岸、釧路)で日量2000トン弱に達した。花咲に荷揚げする着業者は「漁模様は昨年に比べるとはるかにいい」と笑顔。主漁場は日本水域とロシア水域で、魚体は小型傾向が続いている。