古宇郡漁協のイカ釣り着業者は水揚げしたスルメイカを当日中に札幌市中央卸売市場で販売する「朝出し」を行っている。泊地区から片道2時間ほどと近い好立地を生かし、高鮮度を売り込んでいる。
水産仲卸の有限会社森本商店、水産加工の株式会社ヤマモ水産(ともに山口県下関市、森本徹社長)が営む飲食店「海人(かいと) 銀座店」は、この9月に2周年を迎えた。地元の名産フグはもちろん、それ以外にも下関自慢の魚をふんだんに用意して、訪問客を出迎えている。
8月16日から31日にかけて上陸・接近が相次いだ4つの台風は、本道水産業に大きな被害をもたらした。大シケで養殖ホタテは脱落・流出し施設も損壊。高波でコンブ干場の砂利が流出したほか、河川から次々と流木が流れ定置漁場に漂着した。5日現在で7、11、9号による水産被害は176件1億5400万円。10号では634件に上る。道漁協系統5団体などは6日付けで「北海道水産被害合同対策会議」を設置。復旧に向けた支援対策を道などに要請した。
後潟漁協は今年、潜水による天然貝の水揚げを始めた。採取するダイバーは1日最大5人。8月1カ月間で終漁し水揚量は18トン。来年から本格操業に入る。
平成22年の大量へい死がきっかけで、安定した採苗を行うため親貝確保を目的に24年から殻長5センチ程度の稚貝を放流。毎年300万枚約10トンを養殖施設オカ側の水深18~25メートルに放流している。
三沢市漁業協同組合は、神経抜き活じめによる天然ヒラメを、地元の名産品に育てるよう動き出している。さらに、処理したヒラメをプロトン冷凍機を活用して鮮度を保持したまま保管、出荷調整による魚価安定と販路の拡大を可能にする取り組みにも挑戦している。
太平洋沿岸などの秋サケ定置では、網入れ作業が大幅に遅れたのに加え、操業開始後も河川から流出した流木の被害に見舞われている。漁場に大量に漂着し、型の破損などの被害も発生。定置業者や漁協など関係者は連日撤去作業に追われている。
「沖は流木だらけ」。1日の網入れから5日経過した6日。3号定置船頭を務める大樹漁協の神山久典組合長は漁場への流木の漂着が一向に収まらない状況に表情を曇らせ「まだ1週間から10日は流木被害が続くだろう」と言葉少なに荷揚げ後すぐに沖に向かった。
根元から抜けた流木も多く、1本1本が大きい。沖では定置船を近づけ、ロープを掛けてユニックでつり上げ、チェーンソーで裁断し、船に積み込む。ひたすらその作業を繰り返す。
後潟漁協は今年、潜水による天然貝の水揚げを始めた。採取するダイバーは1日最大5人。8月1カ月間で終漁し水揚量は18トン。来年から本格操業に入る。
8月30日に大船渡市に上陸した台風10号の暴風雨と高波が三陸で養殖を中心に大きな被害を与えた。これから水揚げを迎えるカキが深刻だ。調査や復旧が進み、宮城県の鳴瀬(東松島市)、志津川(南三陸町)両地区で4割の減産が見込まれる。岩手県での被害は釜石市の室浜が8割とみられ甚大。広田湾などにも広がっている。
北海道の秋サケ定置はメス、オスとも全面高でスタートした。台風や低気圧による出遅れ、休漁も絡んで水揚げが低調な出足となり、メスがキロ800円台半ばから700円台後半中心、オスが400円絡みの高値発進。いくら製品の在庫薄などに加え、工場稼働の原料確保で高止まりの様相も呈しており、製品価格の形成は、秋サケと併せてサンマやイカなど他魚種の水揚げ動向にも行方がかかっている。
小樽市漁協銭函地区のホッキけた引漁は前年を下回る水揚げで推移。資源は減少傾向で、特に規格で最小の中サイズが伸び悩んでいる。ただ、沖側の漁場で稚貝が発生しており、着業者は今後の資源加入と水揚げ増加に期待している。