利尻漁協の今季の天然は地区によって繁茂状況にばらつきがあるようだ。同漁協は「仙法志は繁茂良好で鬼脇もまずまず。一方で、鴛泊や沓形は芳しくない」と説明する。
養殖も地区で状況が異なる。鴛泊と沓形は順調に推移している一方で、仙法志と鬼脇が昨年生産を大きく下回る見通しだ。
三陸ワカメのボイル塩蔵は出荷盛期も高騰が続いている。直近の入札で、岩手県は重茂産抜1(芯抜き1等)の高値2万2123円など一段高、中芯まで軒並み例年の2倍前後に上がった。宮城県では下げもあり今季初めて修正気配をみせたが、外(外洋系)抜1は1万5000円以上、中芯は大半が5000円を超え過去最高を更新した。
宮城県の養殖ギンザケは水揚げが徐々に増え、2季目を迎える活じめの評価が注目、期待されるが、入札では野じめとの価格差がまだ出ていない。重量か尾数の3分の1以上の活じめは国の「がんばる養殖復興支援事業」の要件。価格向上の活路とされるが、生産者に徒労感が深まっていきそうだ。
寿都町漁協の有限会社マルホン小西漁業(代表・小西正之同漁協組合長)は、活じめしたクロガシラのブランド化を進めている。地元仲買の有限会社米澤商店(米澤豊社長、0136・62・2066)と連携して試験的に出荷、料理提供する飲食店から高評価を得ている。今後は「鰈寿(ちょうじゅ)」の名称で展開、水揚げ時期や対象サイズなどの規格を設定し今秋からの本格生産を目指す。
寿都町漁協のアンコウ刺網が3月末で終漁した。着業する阪内忍理事は「最盛期の冬場に振るわず3月に入ってから見えだした」という。組成は小型主体だった。
水産物卸・小売の株式会社フーディソン(東京都中央区、山本徹社長)は、自社用に開発・運用している鮮魚に特化した受発注システム「魚ポチ(ウオポチ)」を、他業者にも提供する。「魚屋」のノウハウを生かした機能はそのままに、サプライヤー用に個別にカスタマイズして展開。システム導入会社の業務を支援し、水産業界全体の活性化を図る。
根室沖の毛ガニ漁は水揚げが低調だ。一方、浜値は大・中・小の全サイズで前年より高値形成。根室漁協花咲市場は「特に小サイズは消費地で品薄傾向のため、引き合いが強い」と説明する。
有限会社ヤマグン(宮城県気仙沼市、高橋哲朗社長)は新たにサケやブリの切り身加工を始める。同市鹿折地区に建設し、ことしから稼働を始めた新工場に切り身加工の専用室を設置。自動切り身機には処理能力の高い最新鋭のマシンを導入した。
年々深刻化する漁業の担い手不足に歯止めをかけるため、石巻市の対策「石巻市水産業担い手センター事業」を、県漁協石巻地区支所と一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(石巻市)が受託。昨年11月から「牡鹿漁師学校×TRITON SCHOOL」の準備と活動を始めている。