円安や世界的な需要の高まりを背景に、チリ産ギンザケをはじめサケ・マス相場が高騰している。国際情勢の変化でロシア産ベニザケの搬入の予測もつかず、輸入物の供給は例年にも増して不透明な様相を呈している。
チリギンは在庫のひっ迫を背景に異例の価格上昇が続いている。6月下旬には、4/6ポンドサイズの冷凍ドレスの内販価格がキロ1200円にも達した。3月から3カ月で約300円値上がりし、シーズン開始時の2021年10月の価格と比べると1.5倍ほどの水準となっている。
在庫ひっ迫の要因について、商社筋は「ベニが高値だったため、早期から北海道・東北でもチリギンの売り場が増え、相場は前期よりも高いものの、消費は鈍らなかった」と説明。加えて「搬入量が予想に反して少なかった。例年は11万トンほどだが、21/22年シーズンは最終的には10万トンに達しないのでは。当初4月から価格が下がるとの見通しで、商社各社は在庫を潤沢に確保していなかった」と続ける。