創業100年を超える岡田屋昆布老舗は、安居院(あぐい)商店街唯一の昆布専門店で、天然のみを扱う。道南産真昆布を原料に、店主の安部勝さんが削るおぼろやとろろが看板だ。
職人歴は20歳から。「よそに頼んでいた時期もあった」というが60年以上の経験を持つ。「昆布は採取だけでなく、作るのも自然相手」と強調。その時期の気温や湿度、昆布の状態を見極め、酢への漬け具合を判断する。
削るのは「中心部の良いところだけ」。その際に履く草履は妻・敏子さんの手作り。昆布用ダンボールパッドの結束バンドを再利用、水に漬け軟らかくしてから編み込む。敏子さんは「わら草履だと耐久性に乏しく、削った昆布の中にほつれたわらが混じり異物混入につながる。バンドは丈夫だしエコ」と話す。