「無駄な配送コストをかけていませんか-」。電子商取引(EC)サイトを使い、「イワカキ商店」や「イワカキ屋」の屋号で三陸の海産物を販売する岩佐亘さん、玲子さん夫妻(仙台市太白区)は、小口配送に適した正六面体の発泡スチロール箱「cube(キューブ)80」を開発した。以前からある、同じ「80サイズ」の直方体の箱に比べて6割増の収容力。殻付きの生カキ5キロにぴったりのサイズ感だ。個人向け(BtoC)EC市場の拡大を後押しするアイテムとして注目を集める。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯当たり(2人以上)の昆布購入金額は、富山市の1681円(前年比7%増)が全国主要52都市の中で最も多かった。富山市の全国一は2年連続。昆布つくだ煮は、福井市が2207円(同16%増)で3年ぶりに首位となった。
標津町の水産加工・有限会社マルサフーズ(戸田智之社長、電話0153・82・2116)は、地元の食品・食材の発信拠点となる店舗経営の新規事業に乗り出している。昨年春に新施設「海鮮スイーツファクトリー ホニコイ」を開設=写真。一昨年発売した中華まん「北の海鮮まん」や秋サケ・ホタテなどの自社加工品のほか、地元の生産者・水産加工業者が手掛ける商品など特産品を幅広く取りそろえ、地域住民の買い物や観光客の土産品購入の利便性を提供していく。
冷凍機器や冷凍技術のノウハウを提供するデイブレイク株式会社は1月24日から2月2日の期間、同社の開発機種によって凍結した冷凍食品「アートロックフード」のポップアップストアを東京・池袋の西武池袋本店のデパ地下内で開催した。初の実施で「冷凍だから、ウマい」をテーマに、複数の飲食店とコラボして開発した冷凍食品を販売。洋食や中華総菜、スイーツ、フルーツなどさまざまなカテゴリーから約60種もの商品が売り出され、訪れた買い物客の関心を集めていた。
株式会社ニッスイは23日、2024年春・夏の新商品・リニューアル品を発表した。3月1日から順次発売する(一部4月発売)。家庭用すり身製品では、いつでもどこでも手軽に食べられるバータイプの商品に新味を投入。練り製品市場が高年齢の世代で購入されているのに対し、若年層に受け入れられているバータイプを拡充することで、市場の拡大を図る。
全漁連は15日、農林水産省に対し能登半島地震の復興に関する緊急要請を行い、森健水産庁長官に要請書を手渡した。坂本雅信会長は「水産庁を挙げて支援していただいたことに感謝申し上げる」とした上で「漁村、漁港、漁港設備、漁船などの被害が能登半島中心に起きている。漁業者の生活の再建と漁業の生業復興に向け、長期間にわたる息の長い対策が必要になると思われるが、よろしくお願いしたい」と要請した。
平日はオフィス街、週末はイベント会場といった人が集まる場所に出向いて消費者と近い距離でサービスを提供できるキッチンカーが、水産業界でも魚食拡大の新たな販売手法としてビジネスチャンスを広げている。Googleトレンドによるとコロナ禍だった2020年以降「キッチンカー」のウェブ検索数が伸長するなど消費者側の注目度も上昇。事業者は新規顧客層の開拓、商品開発のヒントなど、キッチンカー販売ならではの効果を上げている。
留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、北海道産水産素材で新感覚の菓子を相次いで打ち出している。秋サケの塩とばを使ったせんべいと、マダラの身肉のみで仕立てたクッキーの2品。乾珍味など主力製品の加工副産物も有効活用。今年から土産品需要を中心に拡販を本格化していく。
燃油・資材価格の高騰、海洋環境の変化による水産資源の減少・変動などに加え、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸措置といった難題を抱えた水産業界。ただ、足元の現場では逆境を乗り越えるための努力を重ねている。新年が夢と希望に満ちた年になることを祈念して、「水産UP(アップ)」と題し、進化や向上に挑む事例を取り上げた。
豊洲市場に隣接する観光施設「豊洲 千客万来」が2月1日にオープンする。東京都の公募で選ばれた温浴・宿泊施設の運営で有名な万葉倶楽部株式会社がプロデュースする。水産仲卸棟と同じ6街区で開設され、食楽棟(商業棟)「豊洲場外 江戸前市場」と温浴棟(温泉・ホテル)「東京豊洲 万葉倶楽部」の2エリアで構成する。水産物の魅力を発信・体験できる施設として期待されている。