函館市水産物地方卸売市場の9月のスルメイカ取扱量(生鮮)が230トン(昨年同月比11倍)に上り、単月としては7年ぶりに200トンを超えた。椴法華沖の釣りや南かやべの定置などが好漁に恵まれたことで陸送が増え、取扱量を押し上げた。一方、前浜(津軽海峡)の釣りは船間差のある漁模様で、着業者は「マグロの影響も大きい」と指摘する。6月の取扱量はわずか10トンと過去最低の出足となったが、7月133トン、8月80トンと低水準ながら昨年同月を上回り9月はさらに増産。6~9月の累計は454トンに達し、2005年以降で2番目に少なかった昨年度実績(6~1月、400トン)を上回った。
福島吉岡漁協の促成は8月で収穫作業が終了。各部会長は「シケによる脱落もなく、おおむね順調に揚がった」と振り返る。現在は製品作りが進行、のし昆布などに仕立てて出荷している。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)は防災情報伝達システムを導入し、コンブなど沿岸で操業する漁業者の安全安心を確保している。緊急地震速報や大津波警報といった全国瞬時警報システム(Jアラート)発報時に、漁業者が所持する情報端末(スマートフォンなど)とブルートゥース(近距離無線通信)で接続した船上の電子サイレンが吹鳴する仕組み。漁業者が波や風、エンジンなどの音に遮られず防災情報配信に素早く気づき、直ちに帰港・避難できる態勢を構築。防災・減災機能を有する組合施設と併せて、大規模災害に備えた対策を推進している。
宮城県漁協は、今季の県産生食用むき身カキの出荷を27日に開始する。1日に行われた品質検査会を受け、生産者や買受人と協議し決定。海水温が高く卵持ちの個体が多かったことを踏まえ、十分な品質を確保するには同日までの日数が必要と判断した。高水温でへい死が多かった昨年より1日早い解禁となるが、今季のへい死率は昨年同期に比べ低い。成育サイズも順調といい、県漁協は昨年以上の生産を目標に据える。
後志管内の余市町で宿泊施設やワイナリーなどを運営する株式会社余市ドリームス(井内由佳代表)は8月11日、ニシンをコンセプトにしたラーメン店「余市らぁ麺 雪洞(ぼんぼり)」(余市町)をグランドオープンした。新たな切り口で日本海沿岸ニシン主産地の一つ、余市町に新たな価値を生み出している。提供するラーメンはしょうゆ味「鰊 醤油らぁ麺」と塩味「鰊 塩らぁ麺」、油そばの3メニュー。
洋食の技法を生かした革新的なラーメンが特徴の札幌場外市場にあるラーメン店「とくいち」のオーナーシェフでイタリアンのシェフ経験を持つ磯部拓也さんと、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン「ル・ミュゼ」の石井誠シェフが率いる「チームとくいち」が監修した。
東京都とNTT東日本株式会社は9月26日、「漁協運営型陸上養殖プロジェクト」に関する協定を締結し、事業の詳細を明らかにした。閉鎖循環式の施設を福生市内に建設し、ヤマメ(サクラマス)を生産する。陸上養殖を活用した教育(食育)や地域づくり(地域交流・観光)、雇用創出を目指し、多摩地域を起点とした新たな地域振興の実現を図る。
渡島噴火湾3単協(落部・森・砂原)のエビかご秋漁は、多い船で日量100キロ以上のボタンエビを水揚げし、ここ数年続いた薄漁から回復の兆しを見せている。最近は漁期後半から増加する小型サイズも見えており、来春のさらなる増産に期待を寄せる着業者も少なくない。一方、序盤にキロ5千円台を付けたメスの浜値は、9月末時点で4千円台と堅調に推移している。
ひやま漁協江差支所のスルメイカ漁は昨年より長く操業しているものの、水揚げは7月から盛り上がりがなく停滞した状況が続いた。10月に入り、漁況は上向き傾向。地元船が5隻から8隻まで増加し、外来船3隻が集結するなど、着業者は今後に望みをつなぐ。
上磯郡漁協上磯地区のホッキ噴流式漁には2隻が着業、順調な水揚げが続いている。着業する加藤佑基さんは「規格外だったホッキが漁獲対象サイズまで成長したほか、良い場所を引けている」と話す。操業期間中には移殖放流を行うなど資源管理にも努めている。
オホーツク海沿岸の漁場造成を含む9月末水揚量は、前年同期比14%減の22万2310トンとなった。北部が6%減、南部が2割の落ち込み。南部では一部、計画の下方修正を行っており、修正後の計画全体に対する達成率は86%。歩留まりは8%前後まで下降した地域もあり、サイズ組成は5S中心で6S、7Sが増加している。一方、浜値は引き続き堅調。キロ300円台後半~200円前後で推移している。