全道漁協女性部と道漁連は今年も10月に札幌市の小学生や高校生、生活協同組合コープさっぽろ組合員を対象に「浜のおかあさん料理教室」を3カ所で開催し、道産水産物のおいしさを伝えた。魚食普及を目指し、1991年から実施。コロナ禍で2020、21年は休止となったが、昨年までの開催回数は150回を数え、参加者は6300人を超えている。また、道女性連が初開催の昨年同様、9月に立命館慶祥中学校・高等学校で高校3年生の選択授業「フードデザイン講座」の授業の一環として出前授業を実施した。
NPO法人雄武町観光協会は、町内では秋の味覚として食べる家庭が多い秋サケの内臓にスポットを当てた「地元グルメ」で観光振興に取り組んでいる。「鮭キモグルメ」と銘打って地元の加工業者や飲食店、ホテルなどの協力を得て、心臓や胃袋、白子を使った商品、メニューを創出。町のふるさと納税返礼品、地元や近隣、札幌市でのイベント販売に加え、旅行商品の体験プランにも盛り込んでまちの魅力に昇華、発信している。
渡島管内のスケソ刺網は、序盤から薄漁が続き荒天の沖止めも頻発、操業隻数が増えた11月も低調な水揚げ。水深400メートル以深が主漁場となる中、1隻1~3トン前後と勢いを欠き、沖側主体に形成しているため出漁を見合わせる船も少なくない。魚体は良く卵も真子(成熟卵)に近づいているが、仕事買いの様相を呈し、浜値はキロ200円台と高騰している。
船舶用電子機器総合メーカーの古野電気株式会社(本社・兵庫県西宮市、古野幸男社長)は、遠隔から定置網の様子をリアルタイムで確認することができる定置網モニタリングシステム「漁視(りょうし)ネット」(以下、FMS)を開発。定置網内部を把握し、ピンポイント操業を行うことで経費を圧縮して利益を確保する、引き算の定置網経営に貢献している。
原材料費の高騰や人材確保などの課題に向き合いながら、新技術を取り入れユーザーのニーズに応え続ける造船業、搭載機器メーカー。水産業の持続的発展に欠かせない漁船建造関連業界の役割は年々高まっている。ここでは沿岸漁業を中心に活躍する最新鋭の新造船や、船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。海水動力漁船は、FRP船が94.1%と圧倒的に多く、アルミ船4.9%、鋼船0.7%、木船0.2%。トン数ベースでは鋼船23.8%、FRP船62.7%と勢力を2分。アルミ船の割合は小さいが、近年はFRP船の廃船処理費用が多大であるなどの理由から、リサイクル可能なアルミ船が増加している。
宮城県漁協は11月27日、県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を塩釜総合支所で開いた。県内8支所からの出荷枚数は、前年同日より10%増の1841万枚。100枚あたりの平均価格は同6%高の2767円(1枚27円67銭)。初日としては過去10年で最高値となった。九州・有明産の不作が続いた昨季からの高値傾向を懸念する声も聞かれる中、国内の先陣を切る宮城産への高い注目をうかがわせた。
釧路市東部漁協のマダラが好調だ。序盤の10月は昨年同月の3倍以上を水揚げ。11月も漁を持続し増産。平均単価も昨年比2割高に上昇し金額を大幅に伸ばしている。
留萌管内で予定している今季の三陸向け半成貝出荷は、昨季並みの千トン程度と見込まれる。11月から順次出荷を始めているが、悪天候の日が多く足踏み状態。サイズは例年より小ぶりで1キロ当たり20枚以上の地区もある。年内に出し切れない地区が大半とみられ来年3月まで対応していく。
戸井漁協小安地区のコンブ養殖漁業者は、サンダーに工業用パッドを取り付け、コンブ表面に付着した毛(ヒドロゾア)を丁寧に除去、作業の省力化を図っている。サンダーは操作性に優れる手のひらサイズの小型・軽量タイプを利用。工業用パッドをサンダーのパッド部に取り付け、コンブ表面の毛をこすって落とす。着業者は「毛の付き始めの付着が軽い時期はパッドによる手こすりで十分落とすことができるが、付着がひどくなるとサンダーは必須。数十年前から利用しており、毛の除去作業を機械化することで製品づくりの労力を軽減している」と話す。
枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は今季に合わせて流通加工段階(CoC)認証Ver2.0を取得した水産エコラベル「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」の認証ロゴマークを付けた秋サケの商品展開に乗り出している。厳選した生鮮ラウンドをはじめ、切り身個包装やレンジ調理品、いくらなどの加工品を自社のネット通販主体に販売。環境や資源に配慮した定置網漁業への消費者理解や宗谷産のブランディングにつなげていく。