いぶり噴火湾漁協の加工貝出荷は、3月から日産200トンに増え最盛期を迎えた。付着物が多く成長不足を指摘する声も聞かれるが、へい死は例年より少ない地区もみられ、昨年の水揚げを超える可能性もありそう。一方、キロ700円台を付けた浜値は、渡島側も増産したことで600円前後に下降している。昨年10月~今年2月末水揚量は3475トンで昨季とほぼ横ばい。8100トンの計画に対する達成率は43%。金額は21億5796万円(税抜き)、キロ平均単価は621円。
散布漁協の養殖ウニは出荷終盤を迎え、2月末現在で取扱金額を前年同期比1割増に伸ばしている。浜値は「過去最高」となるキロ1万3千円に付くなど今季も高く推移。数量も前年同期を上回っている。
「せっかく獲った魚を余すことなく」。そんな思いを乗せて、網走市ポンモイ地区の漁業者らが構想5年、完成まで3年かけて生み出した「ポンモイ魚醤」。一昨年3月には4人で合同会社ポンモイを設立し、サケ、ニシン、カスべ、ウグイ、サバを原料に本格的に製造販売に臨んでいる。特に水産流通に乗らないウグイの魚醤は札幌市のイタリア料理店のシェフに刺さり、その口伝えで想定以上の需要先を獲得。漁業者だからこその水産資源を生かし切る魚醤づくりに向き合っている。
ユーチューブ配信をはじめクリエーターマネジメント事業などを手掛ける株式会社Carry On(キャリオン)は水産業・魚食文化の振興に取り組んでいる。人気ユーチューブチャンネル『きまぐれクック』などの影響力を活用し、水産物のPRや販売支援を展開。30~40代を中心ターゲットに、ユーチューブでの情報発信と公式オンラインストア「かねこ道具店」などでの販売を連動させる手法で魚食の魅力を訴求している。
岩手県大船渡市で2月26日に発生した山林火災で、定置網の保管倉庫など漁業施設も被災。加えて関係者らは「ワカメ出荷や春漁のイサダなど影響は大きい」と話す。
1日に解禁した宮城県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁は、3日に南三陸町と気仙沼市の両市場に合わせて73トンが水揚げされ、キロ平均単価は南三陸、気仙沼とも125円と高値スタートを切った。三陸沿岸の春漁の主役だが、同県のイサダ漁は昨年、親潮系冷水の波及が弱く漁獲ゼロで終えていた。2年ぶりに岸壁を桜色に彩る水揚げに、漁業者らは「幸先の良いスタート」と声を弾ませる。
東京都・豊洲市場の仲卸業者・株式会社キタニ水産(木村剛社長、電話03・3533・0832)は着実に取扱額を伸ばしている。従業員約70人の人材資源でマンパワーを最大限に引き出すために仲卸では先進的な受発注システムを駆使。また、自社便による無料配送体制も構築。首都圏の各繁華街で社名入りの車両を必ず見かけるほど細やかな配送網で顧客のニーズをつかむ機会につなげている。
西日本最大級の食材見本市「第22回シーフードショー大阪」(一般社団法人大日本水産会主催)が2月19、20の両日、大阪市のATCホール(アジア太平洋トレードセンター内)で開かれた。全国の水産加工・機器資材メーカー、漁業会社・団体のほか、中国や韓国など海外5カ国の企業も含め計220者が出展、最新の技術や加工機器、新商品などを売り込むとともに水産物の魅力を発信した。2日間で1万人余りが来場し活発な商談が繰り広げられた。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は2月26日、理事会を開き、北大北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋教授が取り組む環境耐性株の育種を柱とする研究に対し奨学寄付金(300万円)を提供することを決めた。