宮城県のカキ採苗は10日まで、松島湾の鳴瀬地区などと石巻湾の渡波地区から荻浜湾まではおおむね良好な付着、牡鹿半島の狐崎~小渕地区は原盤を投入できないでいる。販売用の生産が多い渡波と鳴瀬は厚種主体に十分に供給できる見通しだが、狐崎~小渕の動向によっては県外向けに影響が及ぶ可能性がある。
青森県の3漁協・支所が6月、ナマコの幼生を人工的に作出し粗放的放流を試みた。それぞれが荷捌施設などで浮遊幼生を2週間ほど給餌飼育し、1ミリにも満たない着底直前に40万~50万個体を漁港内に放流。一般的な人工種苗放流に比べ、漁業者自らの生産でコストを削減し、生残率より放流数量で資源増殖を狙う。4年後の漁獲に期待が高まる。
岩手県水産技術センターが同県の本年度秋サケ回帰予報を公表した。367万尾、1万943トンの予測で昨年度(297万尾、8746トン)を25%程度上回るものの、大震災前5カ年平均の半分以下という不漁が続く見通しだ。回帰時期の中心は11月下旬~12月上旬と推定。
福島県漁連は東京都の築地魚河岸で消費者や仲卸業者から、県産魚介類の購入意思などを聞いたアンケート結果をまとめた。アンケートは7月22日、県漁連主催の試食会(7月31日付掲載)で実施、297人から回答を得た。
青森市の食品スーパーで22日、「あおもりの肴フェア」が開催された。漁業者が朝水揚げした鮮魚やホタテ、ホヤ、海藻に価格を付け、さばき方や調理方法を直接説明しながら販売。5時間ほどでほぼ売り切った。消費者は地元産でも知らないことが多く、おいしく食べる方法を伝えることが消費拡大や付加価値向上につながると肌で知った。
産学連携の一般社団法人アグロエンジニアリング協議会(仙台市)は、宮城、岩手両県で漁獲されるナマコを「三陸ナマコ」としてブランド化する事業に乗り出した。消炎効果や健康効果などナマコの持つ効用を生かした商品を開発。ブランド化することで観光と結びつけて地域振興を図り、雇用の促進も促す。
クロマグロの資源管理で7日、岩手県の定置網で30キロ未満の小型魚が漁獲上限(68.4トン)を超えた。第3管理期間が7月から始まったばかりで、現場はこれから1年近く小型魚の放流を余儀なくされ困惑、翻弄(ほんろう)される。市場などの関係者にも戸惑いが広がっている。
岩手県大船渡市の鎌田水産株式会社(鎌田仁社長)は14日、同市笹崎地内に「大船渡工場」を落成し内覧会と祝賀会を開いた。これまでの工場を取り壊し新設、9月稼働を予定する。鮮魚の受け入れ、処理、凍結、冷蔵保管の能力が上がり、同市赤崎町の本社工場と両輪で2次加工まで含め幅広く操業。サンマをはじめ上質な魚介類を国民に提供し、地元の水揚げ増加と経済の発展に貢献していく。
岩手県のホタテで昨年採苗の稚貝にへい死や変形が増加した。とくに昨秋移入の北海道産で高率となり、春からの耳づりで稚貝の不足する生産者が多くなった。このため、県が養殖する全漁協を対象に6月から調査。同県水産技術センターでは、道内での育成管理、出荷に死滅の要因がある可能性を挙げ、「地場採苗に転換する一つの機会」と話す。
青森県のホタテ水揚実績は、4~6月末で前年同期比9%減の105億2522万円(税抜き)となり、3年連続で100億円の大台を突破した。数量は3割減と苦戦しているが、キロ平均単価は半成貝がキロ200台と堅調に推移、成貝も300円台を維持し金額を大きく押し上げた。