青森県、大畑町漁協の定置組合は3経営体が3カ統ずつ9カ統操業し、3年ごとに3カ統全ての漁場を順番に交代する。6経営体18カ統があったが撤退などで減り、残った3経営体が好漁場を選び海面を広く利用。漁獲と経営を安定させ、平等に水揚げしている。漁場移動の際に側張りも含めて網揚げし破網などの事故を未然に防いでいる。
宮城県北部のワカメ養殖で、内湾漁場を中心に種苗の幹縄への挟み込み作業が活発化している。「地種」「塩釜種」とも芽落ちがあったが、多くの浜で必要量を確保できる見通しだ。これから外洋漁場に挟み込まれる他県産種苗は「順調」と伝えられる。
青森県今別町でサーモントラウト(海産ニジマス)の養殖が10月27日、始まった。県の養殖試験で、引き続き深浦町の海面2カ所に幼魚が入り、昨シーズンの深浦1カ所から拡大。水揚げは来年6月が見込まれ、合わせて100トンが目標。支援する日本サーモンファーム株式会社(岡村恒一代表取締役社長・深浦町)は来季から事業として本格化、当面1000トンまで伸ばしたい考えだ。
むつ市は青森県の「エープレミアム」を活用し香港への水産物輸出の定着を狙う。翌日配達と消費できる富裕層、無関税が魅力。活ホタテで4カ月ほど実績があり、「海峡サーモン」も有望、ウニ、アワビでも可能性ありとみる。付加価値向上による漁業者の収入アップが目標、周年にわたる継続出荷が課題だ。
まるいち沼田商店株式会社(宮古市、沼田貫一社長)は自社ブランドの「氷頭なます」を復活させた。従来品に比べてプロテオグリカンを増量して差別化、販路の拡大を目指す。「40年かけた研究の成果」と沼田社長。サケが持つ機能性に早くから着目。しかし、今までは工場が老朽化していたため新商品生産になかなか踏み出せずにいた。昨年竣工した新工場を機に、増産体制に臨む。
11月1日解禁となる岩手県産アワビの第1期(11月)分入札が10月25、26日、盛岡市の県水産会館で開催された。227.3トン上場、10キロ当たり7万8671円平均で落札され昨シーズンを5%上回った。昨シーズンの価格下落要因となった干鮑(かんぽう)の流通がやや好転したほか、鮮鮑(せんぽう)の当面の流通見通しが良いことも反映。サンプル検査での肥満度の上昇も値上げを後押しした。
岩手県久慈市の定置網と市場で過冷却解除式シャーベット氷の利用が広がっている。8月からこれまでに約300トンに上り、すでに昨シーズン実績(140トン)の2倍を超えた。水揚げ、選別後のタンク収容で使い、「サバ、ショッコ(イナダ)など青物で最高」という。迅速冷却、保冷時間延長などで鮮度保持効果を高め、久慈産の評価アップに期待がかかる。
北海道内のホタテ水揚量が昨季同様低水準となる中、今年は国内消費が最重要課題となった。玉冷製品は昨年より低い価格帯で推移し、鈍かった海外輸出は8月以降徐々にペースアップ。内販も業務筋中心に少しずつ動き始めている。原貝水揚げの回復が期待されるボイル製品の動向は、中国向け両貝冷凍の引き合いと、それに伴う浜値次第だが、商品価値を見いだす好機会と捉えた販促活動に期待がかかる。今後のホタテ消費・流通対策などを道漁連の崎出弘和専務に聞いた。
大減産となった今季の噴火湾は、浜値急騰で製品高となり産地加工業者は厳しい経営を余儀なくされた。その対応策や諸外国の動向、来季の相場や水揚げ見通しを株式会社イチヤママル長谷川水産の長谷川博之社長に聞いた。
宮城県北部の南三陸町でマダコが大漁、高値となっている。同町市場では18日までの7日間で町外含め61トンの上場、少なくとも過去30年間にないハシリとなった。かご主体に一部いさり引(いしゃり)で約100隻が漁獲。中心の大サイズは900~800円ほどの大相場で安定し、昨シーズンのハシリを200円ほど上回る。