羅臼漁協で刺網を営む有限会社丸の野水産(野圭司社長)は、自船・第三十一吉定丸(19トン、野圭司船頭)で混獲される低・未利用魚などを中心に直販に力を注いでいる。高級・大衆魚も含め良質な魚だけを厳選し、希望に応じて神経じめを施すほか、冷水機を活用し帰港まで鮮度保持を徹底。産直ECサイトを通じ道内外の消費者や飲食店に発送している。取り組み開始から1年余りが経過しリピーターを多数獲得するなど一定の手応えをつかむ。今後は加工品の製造も視野に、羅臼産の付加価値向上や魅力発信に挑戦を重ねていく。
羅臼漁協の潜水漁業部会が着業する春のナマコ漁は、今年も全着業者が漁獲ノルマを達成して終漁した。一方毎年秋に行うホタテ漁は、3年前の大シケ被害から資源が回復傾向にあり、好漁を期待している。
増毛町のはますい株式会社(金平嘉則社長、電話0164・53・9410)は2020年4月に沼田町の食品加工・北斗興産株式会社(多田宏社長)の子会社として新たな一歩を踏み出し、代名詞の「たこのやわらか煮」をはじめ創業当初からのミズダコ、ホタテ、甘エビの加工に臨んでいる。今年はホタテで新規に玉冷を打ち出していく。
道水産林務部の若手職員が生産と販売の橋渡し役となる「道産水産物営業プロジェクト(PJ)」チームは、道産ホッケの消費拡大に向け、三井物産株式会社と同社グループ企業・エームサービス株式会社との共同で新たなホッケ料理を開発。6月24日から7月31日の期間、エームサービスが運営する道内の企業・病院などの食堂18カ所で提供した。新料理は「フライ 山わさびソース」「ひつまぶし」「塩昆布天」「蕎麦(そば)」「アクアパッツァパスタ」の計5品を考案し、5月25日に試食会・意見交換会を実施。その中から各食堂が提供メニューを選ぶかたちで「道産ホッケ料理イベント」を展開した。
森漁協元監事の山下良慈さんが進めていた天然マコンブの着生実験について、6月に行った調査の結果、浅瀬に投入した17基の「天然昆布種付着器」全てに種が付着し、大量に生育したことが明らかとなった。2020年度に始めた実験から3年半がたち「岩場のない場所でも藻場が形成できる」ことを実証。コンブ生成に大きな手応えをつかんでいる。
厚岸漁協のアサリ漁は禁漁期前に当たる7月上旬から中旬の出荷量が、例年に比べて減産傾向で推移した。かき・アサリ班の遠田城義班長は「潮回りの影響で、禁漁前の全体出荷は7~8トン。いつもの年の半分以下だった」と振り返る。一方で減産などを受け、市況は高値を形成した。
戸井漁協東戸井地区の天然コンブ漁が7月下旬に始まった。陸側主体に繁茂しているマコンブを採取。着業する芳賀浩平さんは「昨年の水が育った。個人的な印象はここ数年で一番の資源状況。まだまだ採れそう」とみている。
陸奥湾養殖ホタテの2023年度春季実態調査結果がまとまった。減少した22年産の成貝向け割合は直近5年平均よりやや多く、確実な再生産を目指すためにも、異常貝率が低く収容枚数が少ない成貝を親貝用に確保し、施設を安定させながら来春の産卵まで保有することを促している。親貝保有枚数は必要量を下回っており、今秋の稚貝分散時には収容枚数を減らした成貝用パールネットを多く作り、25年採苗に向けて親貝確保に努めることを示している。
歯舞漁協で定置網漁を営む共栄丸漁業部の宮下道博さんは、人手要らずで給水できる「ホース固定器」を考案した。ホースを装着した固定器をタンクや水槽のへり、トラックのあおりなどに引っ掛けて使用。荷揚げ時など人員配置の最適化、作業の効率化を図れるほか、水圧でホースが暴れるのも防ぎ安全性も確保。意匠・実用新案に登録され、製品化を視野に入れている。
サロマ湖内の養殖は、常呂漁協の水揚げが1日、湧別漁協が10日に始まった。今年の生残状況は例年より低い傾向にあり、各漁協では常呂が8~9割、湧別が6~7割の見通し。個人差も見られるが、湧別ではへい死率が高く成長不足による低歩留まりで安値に振れている。