北海道立水産高校3校が使用する実習船「若竹丸」が完成し、10日、船籍港の函館市で竣工記念式が行われた。大型化、船型変更などで先代船より居住空間を広げ、遠洋マグロ延縄漁を中心に1カ月以上に及ぶ長期乗船実習での生活環境、学習機能を改善。漁労設備なども充実し、作業の安全性を高めた。北海道の基幹産業・水産業、海洋関連産業の現場で即戦力となる人材養成への活躍が期待される。
稚内漁協のスルメイカの水揚げは前年同期の15倍と好調だ。来遊時期が例年より2週間ほど早く、7月上旬から水揚げが始まり、7月単月で前年実績(7~10月末)の3割に達した。8月上旬は多い日で発泡1万箱以上を水揚げ。組成は7月には25~30尾入れと例年より小型だったが、8月に入って20尾入れが見えだした。
カニなど卸・加工の株式会社札幌大成(札幌市、作間健太郎社長、電話011・633・8020)が水産具材5種などを使って製造する総菜「北海道 海鮮ねばねば ぶっかけ爆弾」。平成27年8月の発売以来、通販・ギフトを中心に扱われてきたが、ラーメンチェーン「北海道らーめん奥原流 久楽」の本店(札幌市中央区北2条西1丁目)が7月下旬から丼メニューに採用。同店を皮切りに業務筋の販路開拓に取り組んでいく。
戸井漁協東戸井地区の芳賀浩平さんは、自ら設計したこだわりのコンブ乾燥室と作業場で製品化を進めている。1階乾燥室の天井を高くしたのが特長。扇風機や移動式乾燥機の配置も工夫して温風を循環させるほか除湿も徹底、「空間を最大限利用」してコンブをむらなく乾かす。また2階作業場との乾燥コンブの昇降は、小型つり下げ式巻揚機にコンパネをつるした荷台で行うなど工夫。作業効率化と労力軽減を図っている。
鹿部漁協のツブかご漁は、堅調だったハシリから半値近くになり、着業者は観光シーズンを迎えた今後の需要増に期待を寄せている。水揚げは例年並み。
釧路市漁協流通加工センターは、マイワシを皮切りに、サンマ、マサバの加工で繁忙期の稼働に臨んでいく。特に今期はマイワシの水揚げ本格化が昨年より早く、増産に期待。独自ブランド「北釧(ほくせん)いわし」の冠名を前面に、漁期中のワンフローズンフィレーに加え、原料を確保し、加工品を拡充強化していく計画だ。
根室漁協のホッカイシマエビが高騰している。他の産地が不漁で前浜産の需要が強まっているため。7月下旬はキロ5000円台と例年より1000円近く高値を形成している。解禁日は昨年より遅れたが、金額は単価に支えられて巻き返している。
新星マリン漁協でナマコけた引漁に着業する隆徳丸(3.6トン)の濱谷克徳理事は、八尺に9本のチェーンを取り付け、ナマコを跳ね上げるように漁獲している。八尺は「全体的に重くすることがポイント」と話す濱谷理事に漁具・漁法を聞いた。
道東沖のマイワシ漁は好漁だった昨年を上回る水揚げだ。資源量の増加で、サケ・マス流網代替漁業の中型船が好調。加えて小型船が日産の許容漁獲量を増枠し操業している。一方、浜値は銚子や三陸などで例年に比べ水揚げが長引き、本州からの引き合いが弱く値崩れ。キロ100円割れ中心で推移している。