広尾、大樹の両漁協のシシャモ漁が5日に始まった。漁期前半は日間・船間差の大きい水揚げで推移している。雑魚の入網も多く、広尾では沈木による網被害も出ている。サイズは漁場でばらつきがあり比較的沖側で小さい傾向。浜値は強含みの展開だ。
記録的不漁となった北海道の秋サケ。日本海、えりも以西・道南を除いて全道的に前年割れで推移しているが、特にえりも以東は平成22年以降続く低水準の中、前年の4割減だった昨年の7割減と、2年連続の大幅減産に見舞われている。浜値は高騰しているが、補え切れず、定置、組合の経営に大きな打撃。底が見えない資源の低迷に先行き不安も増している。
大減産となった今季の噴火湾は、浜値急騰で製品高となり産地加工業者は厳しい経営を余儀なくされた。その対応策や諸外国の動向、来季の相場や水揚げ見通しを株式会社イチヤママル長谷川水産の長谷川博之社長に聞いた。
下げ相場となった今季の玉冷。輸出は夏場に一時動いたものの鈍化傾向にあり、内販も劇的な回復には至らず消費拡大に期待がかかる量販店は様子見の状況。シーズン当初に打ち出した目標値1万トンの国内消費に暗雲が立ち込めている。
枝幸町の有限会社丸二永光水産(永澤二郎社長、電話0163・62・3022)は、スモーク加工を拡充している。4年前に新規参入した秋サケ、ベニザケが順調に推移し、今年から新たにサンマ、サバ、ニシンの製造を本格化。北海道沿岸の主要魚種が軒並み減産で原料難の中、高次加工の付加価値商品で活路を開いていく。
室蘭漁協のスケソ刺網は4日に好スタートを切ったが次第に日量が落ちている。一方、漁場は上旬にオカ側の浅みに形成されたが、中旬から沖合の深場に移動した。
内閣府の「日本の国境に行こう!!」プロジェクト推進事務局は12~25日の2週間、東京都内の飲食店24店舗で「国境離島グルメフェア」を行っている。水産物を中心に離島の知られざる食材を、和食、中華、フレンチ、イタリアンなどの有名店が提供。認知向上と消費拡大、ブランド化の促進を図っている。
株式会社ティービーアイ(東京都中央区)が開発・販売する水冷式LED集魚灯がサンマ棒受網船で活躍している。従来の空冷式よりも冷却効率が高く、高出力、高耐久が特長。大不漁の中、今季導入した広尾漁協所属第一五一関丸(19トン)の伊東正人船頭は「昨年よりも捕れている。群れが一度着けば離れない」と高く評価する。
記録的不漁で異常高騰を見せている北海道の秋サケ。製品価格が空前の高値に達し、量販店、業務筋など末端の各方面で輸入物に切り替える動きが目立ってきている。供給量も近年の低水準からさらに急減し、北海道産の売り場縮小に拍車をかける状況。長引く資源の低迷が秋サケの加工・流通に深刻な影を落とし、生産回復時の反動に懸念も広がっている。