越年在庫の払底と記録的不漁で空前の高コストとなった北海道産新物いくらの市況は、しょうゆがキロ9000円、塩が1万円を超え、前年の5割高以上に高騰している。供給量は2000トン台の最低水準が見込まれるが、末端需要は輸入冷凍卵の製品に切り替える動きも目立つ。今後の価格変動は年末商戦での消費動向に行方がかかっている。
道南の企業や研究機関などが連携し、コンブに付く毛(ヒドロゾア)を除去する装置「昆布毛取り機」を開発した。回転式専用研磨ロール(意匠登録済)に伸した生乾きコンブを当てて、組織に入り込んだ毛を削り落とす仕組み。足元のペダルを踏み込んだときだけロールが稼働する省エネ型。軽量・シンプル構造で、メンテナンスやロールの着脱も簡単にできる。
7、8月に好漁だった稚内漁協のスルメイカ漁は、9月以降の秋漁で下火になっている。日量は9月中旬~10月中旬に多くても6000箱、少ない日は3千箱と夏のピーク時の半分以下。同一漁場での日変動も生じ、船間格差が大きい。
オホーツク海けた引漁は10月末で宗谷、頓別、沙留、湧別、網走の5単協が本操業を終えた。宗谷は2万6600トン、湧別は1万3500トンを水揚げ。当初計画に対する進ちょく率は頓別、沙留が120%を超えた。
北海道の秋サケは漁期中の8割超が水揚げされる時期が過ぎたが、漁獲尾数は1千万尾台にとどまっている。道総研さけます・内水面水産試験場が進めている年齢査定では、低来遊が予想されていた主群の5年魚(平成24年級)、4年魚(25年級)とも実際に低調。特に4年魚が日本海を除いて不振で、昭和59年以来の2千万尾割れも見込まれる凶漁に響いている。
日高昆布の優れた特性とそのうま味をPRする「日高昆布フォーラム2017inさっぽろ」(実行委主催)が23日、札幌の道新ホールで開かれた。節目の10回目を迎えた今回は料理研究家の星澤幸子氏とかつお節問屋の㈲永見社長で「だしソムリエ」としても活躍する桃井一元氏が講演。市民ら約450人に昆布やうま味の魅力、料理での活用法などを伝えた。
北海道沿岸一円で水揚げが定着してきたブリ。浜では新たな資源の有効活用に向け、船上活じめなどで価値向上に取り組む動きも広がっている。道内の消費はまだ拡大途上だが、水揚量が増える秋には量販店の売り場に刺身や切り身などが並んで消費者にも徐々に浸透。本州市場にも流通、脂の乗りなど品質が認知され、「北海道産天然ブリ」の存在感が高まってきている。
宗谷、稚内両単協の秋サケは前年並みの低調な水揚げで終盤に入ったが、浜値に支えられて金額は大幅に伸長。全道で記録的な大不漁となった今年は解禁から高値を維持している。
北海道内のホタテ水揚量が昨季同様低水準となる中、今年は国内消費が最重要課題となった。玉冷製品は昨年より低い価格帯で推移し、鈍かった海外輸出は8月以降徐々にペースアップ。内販も業務筋中心に少しずつ動き始めている。原貝水揚げの回復が期待されるボイル製品の動向は、中国向け両貝冷凍の引き合いと、それに伴う浜値次第だが、商品価値を見いだす好機会と捉えた販促活動に期待がかかる。今後のホタテ消費・流通対策などを道漁連の崎出弘和専務に聞いた。