スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン(株)(本社・東京、佐藤徹社長)は今季産で秋サケ商品を拡充している。自社工場を構える苫小牧産を使用。刺身用フィレーや市販用いくら、ギフト向け塩蔵姿切りなどを新たに投入。原料は漁獲時期を限定し厳選。水揚げ後迅速に処理できる産地加工の高品質を売りに販売拡大に乗り出している。
北海道昆布漁業振興協会(川崎一好会長)の「平成29年度北海道昆布漁業に関する懇談会」が7日、札幌の水産ビルで開かれた。今回は道内6地区の漁業者や水産試験場など関係機関の担当者らが参集。採取期間や出荷時期の見直し、陸作業の機械化や軽減対策などをテーマに意見を交わした。
八雲町漁協のカレイ刺網は、11月後半からイシモチガレイ中心の水揚げ。浜値はキロ200円台前半で推移。水揚げ全般に薄漁傾向の中、着業者は「まずまずの値段」と笑顔を見せる。
漁船漁業部会の大坂谷政次部会長(第二十八正竜丸=4.9トン)は、水深45~50メートルで4はい40反の操業。11月頭からオカ側の漁場に切り替えイシモチ狙い。「例年より遅く20日ごろから見えだした」と説明する。
根付資源で重要な収入源のナマコ。ひやま漁協江差地区の漁業者は来年からフリーズドライ加工で乾燥ナマコの製造販売を本格化する。乾燥ナマコは生鮮出荷より高単価で、漁業者自ら加工を手掛けることで収益向上を目指す付加価値対策の一環。北海道で漁業者がナマコ加工に取り組む先駆の枝幸漁協では資源管理、漁獲物の鮮度・品質保持にもつながっている。
太平洋沿岸のシシャモ漁は日高西部・胆振が2年連続の増産。十勝・えりも漁協庶野地区も不振だった昨年に比べ大幅に回復した。一方、釧路海域はシケにも苦戦し、低調な水揚げとなった。浜値は全域的に昨年より強含みとなり、平均単価が上昇した。
コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会(四ツ倉典滋理事長)は、「全道のコンブの応援団」としてイベント開催や講演・勉強会などを通した啓蒙活動を展開、道民のコンブへの関心を高めるとともに魅力発信に努めている。
カニなど卸・加工の株式会社札幌大成(札幌市、作間健太郎社長、電話011・633・8020)では、年末年始用やギフトなどで販売が伸長しているタラバガニ1肩のシュリンクパックの生産が最盛期に入った。今年急速冷凍の新技術「3D冷凍」のフリーザーを新たに備え、商品の品質向上と併せて生産性を大幅に増強。取引先の追加注文などへの対応力を高め、安定供給に臨んでいる。
枝幸漁協は今年初めてナマコの簡易採苗試験を行った。なまこ部会員も参加し宗谷地区水産技術普及指導所枝幸支所の協力を得てデモンストレーション。来年も同様の簡易採苗を行い同部会の取組方針を検討していく。
根室湾中部漁協の養殖カキの冬出荷は、12月に入って本格化してきた。今季は産卵が例年より1カ月ほど遅れたが、身入りが急速に回復。一部でへい死が発生し、減産見通しの着業者も出ているが、同漁協は「今年も全体では昨年同程度の10万個の出荷を目指す」と話す。
根室湾中部漁協は来春からアサリ漁場の観察にドローンを活用する。広範囲に造成した砂利や土嚢などの配置場所を空撮で確認し、アサリの成育安定を図る。