昨年12月から始まっている長万部漁協のナマコ潜水漁は、日産150キロ程度と例年並みの水揚げ。良型が多く、浜値はキロ4300円程度と例年より堅調に推移している。
白糠漁協のタコ縄は12月に操業を開始、序盤はシケに阻まれる日もあるが順調な日産で推移している。近年は資源が上向き基調で、山田明タコ縄部会長は「今シーズンも期待している」と話す。また浜値もキロ500円台と上々で、12月単月の平均単価は前年比3割高に付いた。
昨年(2017年)の北海道の秋サケ水揚げは、1572万7012尾、561億5007万5000円となった。尾数は平成に入って最低だった前年の2348万尾を33%下回り、1984年以来の2000万尾割れ。一方、金額は11.5%増で、過去20年では2006年(597億円)、07年(583億円)、15年(572億円)に次ぐ4番目の高水準となった。
根室海峡のけた引が6日、新年の操業を開始した。尾岱沼漁港水揚げ分の2018年計画量は前年実績比17%減の1万9500トン。現在日産200~220トンペースで、29号巽沖造成の歩留まりは11%、アソートM、S中心。11日の浜値はキロ345円と堅調だ。
就業者の減少や高齢化などの構造問題をはじめ主要魚種の漁獲低迷、自然災害の多発などの荒波が押し寄せている北海道の水産業界。ただ、浜は決して立ち止まらず、これまでも資源の発掘・造成など打開に挑んできた。その漁業者や漁協職員に密着し、知識や技術の普及などで漁村の活性化を担う水産業改良普及事業。浜の活力再生で一層の活躍が期待される水産技術普及指導所を追った。
10億尾の稚魚放流体制となった昭和57年以降で最低の来遊数に落ち込んだ昨年の北海道の秋サケ。4年魚(平成25年級)、5年魚(24年級)とも降海時の低水温が稚魚の生残に影響した可能性があり、来遊不振となった。一方、3年魚(26年級)は直近15カ年平均を上回り、来年の4年魚の回帰に期待がかかるが、近年海洋環境は大きく変動。秋サケ業界は引き続き、種卵確保対策、放流技術の改善などに取り組んでいく。
今季のサロマ湖産は種苗の付着が薄く、3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)合計のむき身出荷はおよそ3割減産する見通しだ。浜値は12月中旬に例年の約千円高となるキロ2千円台中盤と堅調。ただ殻付きが全道的に潤沢なこともあり荷動きは落ち着いている。
今年6月、北海道の室蘭市と岩手県宮古市がフェリーで結ばれる。新たな航路の開設は両市を直接つなげるだけでなく、宮古を中継とし、整備が進む復興道路も活用し東北一帯を巻き込んだ商流圏の活性化も期待されている。出航を前に、行政や産業界は機運醸成や情報発信の強化を確認し合っている。
昨年のオホーツク海けた引漁は、前年比14%増の20万4449トン(速報)となった。北部は宗谷、猿払村、頓別の3単協、南部は雄武、沙留、紋別、網走、斜里第一、ウトロの6単協が前年超え。歩留まり、アソートは各浜で異なり北部は3S、南部は4、5S中心と総体的に小型が目立った。
春先に若葉の状態で収穫する道南の促成マコンブ「春採り昆布」で昨年、新たな利用が始まった。軟らかい食感が特長で、従来ボイル塩蔵品の生産が主体だったが、函館の食品メーカー(株)三海幸(本多智和社長、電話0138・31・7101)は菓子感覚で食べられる乾燥製品「春採り真昆布スティック」を製造。百貨店の詰め合わせギフトにも選ばれた。