留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の稚貝仮分散は、苫前地区を残し終了した。産卵時期が例年より早く、作業は4単協とも10日~2週間ほど早い開始。各地区で成長が進み付着量も十分で、7月末には大半の漁家が作業を終えている。
南かやべ漁協の促成は、順調な水揚げが続き漁期終盤を迎えている。おおむね実入りは良好。例年に比べてコケムシの付着も少なく「近年にないくらい良質なコンブ」と話す着業者も。同漁協は「計画数量の2500トンは上回る見込み」としている。
増毛漁協のエビかご漁は、主体のナンバンエビが船団1航海で600箱前後と苦戦している。漁場が固定できず移動しながらの操業。浜値はコロナ禍で一時安値に振れたが、昨年並みに回復している現在は薄漁で押し上げた格好。着業者は漁模様の好転を願っている。
カニの輸移出入・加工・卸を手掛ける網走市の(有)マリン北海道(下山大輔社長、電話0152・43・8536)は、地元・網走産の魚介類を使った特産品づくりにも挑戦している。これまで秋サケの生珍味・総菜、シジミの米飯商品などを開発。自社店舗や通販での直販、ふるさと納税返礼品などで浸透に取り組んでいる。
-青魚特集-
道東沖のマイワシ漁は群れが薄く、組成も小型化で苦戦を強いられている。ミール向けが主体で浜値も全般的に低調に推移。本州への生鮮出荷も振るわない。ロシア水域からの群れ南下が期待できる8月中旬の盛漁期での挽回に望みをつなぐ。一方、サンマ漁は大臣許可の棒受網船が10日から順次出漁。水産庁の漁況予報では昨年より厳しい見通しが示されている。
・来遊量昨年下回る
・イワシ組成回復が鍵
・新資源活用に挑戦
-他、本紙紙面にて
羅臼漁協の小定置で徐々にマスが乗網、着業者は今後迎える盛漁期に期待している。福岡勝小定置漁業部会長は「ピークは盆過ぎ。まだまだこれから。昨年は最低の年だったので今年は揚がってくれれば」と願う。
道水産林務部は昨年度、シンガポールの飲食店向けに冷凍イワシの試験輸出に取り組んで、船便輸送で生食用商材として供給できる鮮度・食味評価を確認した。特にミドル層(中流階級)主体の店舗で価格面も併せて市場開拓の可能性を見いだした。
厚岸漁協(川崎一好組合長)が厚岸漁港湖南地区の人工地盤に建設を進めていた新荷捌施設が竣工、1日に供用を開始した。屋根付き岸壁などと一体的に機能し、陸揚げから出荷まで安全・安心な水産物を供給する衛生管理型漁港を形成。蓄養・活魚水槽、低温庫の整備など品質・鮮度保持体制も強化し、サンマ、イワシ、カキ、アサリ、ホッカイシマエビなど厚岸産ブランドの付加価値向上に一層力を入れていく。