「産地直送」を掲げる飲食店は数多いが、札幌市内で「港町酒場もんきち商店」を展開する株式会社ラフダイニング(大坪友樹社長、電話011・251・7187)は一歩先を行く。“浜直結”はもちろん、もともと産地から札幌へ運行されていたトラックに荷を混載することで末端での価格優位性を確保、ことしから他店向けに電子受注・決裁(EC)活用の卸事業も展開している。
水産物卸・小売の株式会社フーディソン(東京都中央区、山本徹社長)は、自社用に開発・運用している鮮魚に特化した受発注システム「魚ポチ(ウオポチ)」を、他業者にも提供する。「魚屋」のノウハウを生かした機能はそのままに、サプライヤー用に個別にカスタマイズして展開。システム導入会社の業務を支援し、水産業界全体の活性化を図る。
回転ずし「根室花まる」を展開する株式会社はなまる(根室市)は31日、東京・銀座に同日開業した商業施設「東急プラザ銀座」内に2店舗を同時にオープンした。このうち1店は、同社初の立ち食い店。
(株)カネカシーフーズ(気仙沼市、昆野直社長)は商品カテゴリーにフローズン(冷凍品)を新たに加える。主力のめかぶを使ったカップ商品で展開、第一弾として全国各地の土産店向けに販売を進めていく。それをベースとした、第二弾、第三弾の商品展開もすでに計画している。
小樽市の(株)小樽海洋水産(松田亙社長、電話0134・33・6323) は、海藻の商品展開にも力を入れていく。岩手産めかぶと水産具材を組み合わせた海鮮丼シリーズが昨年の年末ギフトで好評を得て、通年化に取り組む。食べ切りの小分け・少量化で個食ニーズに訴求。がごめ昆布で北海道産を前面に打ち出した商品も投入していく。
同社は、道産水産物をメーンに鍋商品、漬魚切り身、一夜干し、魚卵などを製造。歳暮・中元のギフト需要のほか、百貨店のカタログ通販、日本郵便㈱の頒布会などを通じ、産地直送で販売している。
海藻を使用した商品は数年前にがごめ昆布と真昆布を使った松前漬を商品化。いくら、カニ、ホタテの3種類で80グラムの小分けパック。健康志向もとらえ、引き合いが増えており、昨年、岩手県のめかぶ加工業者と知り合い、新たな商品開発に取り組んだ。
明治35年創業の「五辻の昆布」(久世留美子社長)は、本店(京都市上京区)と金閣寺店を構える老舗昆布専門店。主力のつくだ煮や塩吹きなどは京都に関連する美しい絵柄をあしらった包装が特長的で、土産品としても人気が高い。ハート型にくり抜いたおやつ昆布「ハート昆布」も「代名詞的商品の一つ」(久世裕己常務)だ。
山椒、椎茸入りなどのつくだ煮や塩吹きは数十種類展開。京都の寺や景色、舞妓、祭りなどが描かれた包装が目を引き、陳列棚は彩り豊か。「絵ははやり廃りのないタッチ」(久世常務)で数十年前から包装に採用。「京都らしいお土産」と、絵柄で選ぶ買い物客もいる。
創業100年を超える岡田屋昆布老舗は、安居院(あぐい)商店街唯一の昆布専門店で、天然のみを扱う。道南産真昆布を原料に、店主の安部勝さんが削るおぼろやとろろが看板だ。
職人歴は20歳から。「よそに頼んでいた時期もあった」というが60年以上の経験を持つ。「昆布は採取だけでなく、作るのも自然相手」と強調。その時期の気温や湿度、昆布の状態を見極め、酢への漬け具合を判断する。
削るのは「中心部の良いところだけ」。その際に履く草履は妻・敏子さんの手作り。昆布用ダンボールパッドの結束バンドを再利用、水に漬け軟らかくしてから編み込む。敏子さんは「わら草履だと耐久性に乏しく、削った昆布の中にほつれたわらが混じり異物混入につながる。バンドは丈夫だしエコ」と話す。
えりも以西栽培漁業推進協議会の諮問機関「マツカワ魚価対策プロジェクトチーム」は17日、札幌の第2水産ビルで本年度第2回目の本会議を開き、消費拡大イベントの実施など平成28年度事業計画を決めた。
日本の伝統料理の一つで、おせちの定番として親しまれる昆布巻き。しかし近年は若者を中心に需要が減退、消費が苦戦している。その中で、昆布巻き主体の製造販売を手掛け、ことしで40年目を迎える札幌こんぶ屋は、創業当初に比べ販売量を伸ばしている。「昆布を食べる後継者をつくる」を信条とする桑折廣幸代表に需要喚起のポイントなどを聞いた。
少人数世帯が増え、他食品同様、昆布巻きに関しても太巻きなど大きなサイズは1度に食べきれず敬遠されやすい。やはり消費者が手に取りやすい少量食べきりの手頃価格が良い。うちは需要期の12月のみ全体の2割ほど太巻きを作るが、それ以外の時期は小サイズの2本1袋が主体だ。
留萌市の井原水産㈱(井原慶児社長、電話0164・43・0001)は、DHA・EPAの機能性成分を前面に、数の子=写真=の消費促進に取り組んでいる。「健康数の子」の商品名で北海道独自の食品機能性表示制度「ヘルシーDo」の認定を取得。さらに消費者庁の同制度にも申請済み。1日分の食べ切りサイズで健康志向に訴求し、通年消費を喚起していく戦略だ。