岩手県広田湾の特産、エゾイシカゲガイの出荷が21日、始まった。天然採苗の2年養殖で、成育は順調だ。今季水揚げ見込みは43トン。キロ値は3千円となり昨シーズンを200円上回る。課題となっていた採苗も今季は良好といい、出荷する生産者の表情は例年にも増して明るい。
羅臼漁協の養殖コンブは、水揚げが最盛期を迎えている。早い漁家で7月半ばに開始、順調に操業している。長さなど生育はばらつきがあり、日照不足で「実入りはいまひとつ」との声も。また、全般的にカキの付着も早く、ハシリから除去作業に苦慮する着業者もいる。
日本水産㈱は2019年秋・冬新商品76品(リニューアル品34品含む)を発表した。「尖りと差別化で、食シーンを豊かにする食卓応援団」をコンセプトに、多様なライフスタイルや健康訴求、魚食普及に対応したラインアップで新たな価値と市場を創造する。
(株)極洋は道産秋サケを使ったものなど、秋の新商品として市販用18品、業務用33品、合計15品(リニューアルを含む)を8月から発売する(一部は9~10月)。家での簡単調理を求める傾向や、中食・外食現場の人手不足など社会的背景を踏まえ、メインコンセプト「便利を提案、美味しさ提供」のもと、(1)簡便提案、(2)健康提案、(3)魚の付加価値提案をサブコンセプトに開発した。
増毛漁協のミズダコはいさり、樽流し、空釣縄が苦戦する一方、タコ箱は好調だ。ハシリは1尾13キロ以上の大型中心。最近は中型も増えてきたが1隻で日産平均500~600キロの水揚げを維持している。
道の日本海漁業振興対策の一環で始まったひやま漁協熊石支所西浜地区の蓄養キタムラサキウニが、東京の飲食店で利用客に鮮烈な印象を与えるデビューを飾った。平井徳雄さん・徳之さん・裕太さん親子が蓄養するもので、まとまった量が首都圏で提供されるのは今回が初。客の反応に手応えをつかんだ飲食店側も、今後出荷シーズン時には、優先的に店で出したいとの意思を固めている。
首都圏を中心に「寿司 魚がし日本一」をチェーン展開する株式会社にっぱん(東京都)は「発酵熟成鮮魚」を使った握りずしの販売を7月の期間限定で始めた。特別なシートを使用して熟成させた魚を仕入れから加工、配送、販売まで一気通貫で行うのはすしチェーン業界で初の取り組み。
宮城県とJR東日本グループの株式会社鉄道会館は1~2日、朝採れのホヤを新幹線で仙台駅から東京駅まで輸送し、隣接する商業施設「KITTE丸の内」のイベントスペースで販売した。東京駅エリアの飲食店6店舗では朝採れホヤを使用したメニューを提供し、認知向上と国内消費拡大に取り組んだ。
北海道の産地で活じめが一般化している春定置のトキサケ。さらなる付加価値向上を目指し、羅臼で今季から新たな挑戦が始まった。羅臼漁協の峯浜水産㈲(石川勝代表)と(有)丸モ田中漁業(田中英輔代表)の計2カ統が根室市の鮮魚卸業者・松田商店(松田英照社長)と連携し、神経じめで出荷。同商店の独自技術を武器に、道内外の消費地で差別化を狙う。松田さんが伝授する神経じめは、脳天からT字スパイクを刺し込んだ後にワイヤーを通し、神経を破壊する。加えて特徴的なのが、ある一定の電圧で心臓を動かして体内に残る「抜けきれない血」を絞り出す「強制的心肺蘇生放血」。電気刺激処理で魚体の細胞間でやり取りされている情報伝達信号を抑制し、身にかかるストレスを軽減させる。