宮城県のホタテ水揚げはペースアップが遅れている。例年、大型連休に向け出荷が増えるが、4月中旬から水揚げが始まった昨秋移入の北海道産半成貝も、先行した地種養殖と同様に、成長が鈍くまだわずか。4月下旬で地種含め1日5トン程度にとどまっている。価格は400円台前半から半ば。半成貝は生残率は上がっている模様で、連休明けから水揚げが活発化する見込みだ。
余市郡漁協や同漁協の着業者3人、道総研中央水試、余市町、後志地区水産技術普及指導所などで組織する「ムールガイ養殖研究協議会」は4月中旬から余市港内で養殖したムール貝(ムラサキイガイ)の試験出荷を始めた。札幌市内の食品卸会社を通じ、同市内や東京のレストランに流通。同漁協は「卸会社から、使用先の評判は上々だと聞いている」と話す。
製麺会社であり、首都圏を中心に業務用食品卸を営む株式会社麻生(神奈川県平塚市、麻生政雄社長)は、2年前に新設した岩手県釜石市の工場の機能を生かして水産品の拡充を図っている。急速凍結機を複数台導入して付加価値を高めた商品を効率良く生産。三陸沿岸の地元企業と協力しながらオリジナル商品の開発を進めている。
散布、浜中両漁協の養殖ウニは徐々に価格が向上し、散布は昨年度、浜中は昨年に過去最高額を記録した。味や色みをはじめ供給量の安定も相まって、ウニ流通の中心となる東京・豊洲市場でブランドとして評価を確立。高級すし店の需要も増大している。漁家経営を支える漁業種に成長し、新規着業者も参入。今後徐々に出荷する見通しで、生産拡大にも期待がかかる。
国内生産の9割以上を占める北海道のコンブは減産傾向が続いている。2018年度の格付実績が1万5161トンと前年度を14%上回ったものの往時に比べると半減。主要因の一つとして挙げられるのが着業者の減少で、各浜では生産増・後継者育成対策などに注力している。
羅臼漁協で定置網に従事する若手漁業者らが14日、羅臼町内のカフェ「Nо Bоrders Cafe」で、漁師のやりがいや魅力、漁業の将来などについて観光客らと膝を交え語り合うイベントを開く。旗振り役の田中英輔理事は「漁業者が観光客と語り合う交流イベントは羅臼で初めての試みでは」と意気込む。
野辺地町漁協のトゲクリガニは、年明けの水揚げが大幅に増えた。1~3月で前年同期の2.7倍に伸長。現在は例年並みの水揚げに落ち着いたが、着業者は最盛期を迎える4月末~5月頭の好漁に期待を寄せている。
10~15軒が着業し刺網で漁獲する。1~3月の水揚量は10.3トン。オスが同3倍8.4トン、メスが2倍1.9トン。
タコ加工の有力企業(株)あ印(茨城県ひたちなか市)は、インドネシア産ワモンダコの取り扱いを伸ばしていく。将来的には、現在の主力であるアフリカ産マダコに代わる原料として拡大させる。数年前から取り組んできたインドネシアでの技術支援を実らせ、これまでと比べても遜色のない品質レベルまで引き上げることに成功した。近年調達に不安のあるアフリカ産との差別化を図っていく。
宮城県の養殖ギンザケは序盤、水揚げのペースアップが遅れ高値が続いている。石巻、女川両市場合わせて1日10~15トンペースで900円前後(税抜き)となる日が多い。水揚げは徐々に増えるが、活発化は例年より遅れ4月末ごろになりそうだ。
函館市の(株)ユニフーズ(三好恵美子社長、電話0138・40・3232)は、チーズとの組み合わせなど塩辛を中心に新感覚のイカ加工品の開発に取り組んでいる。「イカのまち・函館」ならではのオリジナルキャラクターと併せてパッケージデザインで発信力も追求。若年層、女性層など新時代のマーケットの取り込みも狙って販売提案に臨んでいる。