枝幸町で沖底船「第八龍賽丸」を操業する(株)枝幸水産商会(岩谷隆行社長、電話0163・62・1622)は、漁獲物を主体に取り組む加工販売事業で昨年来、マホッケのフライの販路開拓を進めている。今年6月に富良野市の商業施設「フラノマルシェ」のハンバーガー店で具材に使った「真ホッケフライバーガー」が発売され、需要拡大への波及効果に期待を込める。
管義偉新内閣が16日発足した。野上浩太郎農林水産大臣は17日の就任会見で2030年までに農林水産物と食品の輸出額を5兆円に増やす目標の達成を、最重要課題として取り組む考えを示した。新型コロナウイルス感染拡大で需要が落ち込んだ農林水産物の消費拡大などさまざまな課題に取り組んでいく。
函館水産試験場が試験養殖に取り組む促成ガゴメは、今季順調に生育、このほど行った収穫で良好な結果が得られた。実厚・幅広で天然ガゴメに匹敵する品質もあり、昆布取扱業者は「資源が激減する中、代用品として活用できる」と太鼓判。これにより天然の漁獲圧が抑制され、資源回復につながる可能性があるほか、将来的な事業化で漁家収益向上も期待できる。来季は間引き時期や最適な株密度・施設深度などを検討、養殖技術向上を図る。
帯広地方卸売市場(株)(高橋正行社長)は、通販事業に乗り出した。6月の改正卸売市場法施行やウイズコロナ・アフターコロナの消費行動も踏まえ、一般消費者に取扱商材を発信。今後、PB商品の開発を含めアイテムを充実させ、市場流通の活性化や新たな収益確保を目指す。7月中旬に通販サイトを運営するストアーズ・ドット・ジェーピー(株)のサイト内に専用サイトを開設。水産と青果を持つ総合市場の強みを生かし、取り扱う農水産品をはじめ、新得そばや本別産乾燥小豆などの特産品を販売。役員個人のSNS(ツイッター)でも情報発信している。水産物は現在、たらこ、ホタテのボイル・玉冷、毛ガニ、干物、昆布、昨年商品化したPB商品の漬け魚シリーズなどをラインアップしている。
(株)泰興商事(岩手県大船渡市、町田健司社長)のフィッシュソーセージ専用工場であるサンリクフーズ(宮城県気仙沼市)は農林水産省のEU向け輸出水産食品取扱施設(EU・HACCP)の認定を8月27日付で取得した。認定書交付式が7日農水省で行われた。輸出品目は「三陸フィッシュソーセージ ブラックペッパー」「同 チリペッパー」の2品で、宮城県で初の認定。今後はフランスやオランダ、イタリアなどの国々と商談を進め、来年早々には輸出を始めたいとしている。
上磯郡漁協知内涌元地区の成澤栄蔵理事はメバル(ウスメバル)釣りに着業。晩夏は比較的低調で、秋以降の水揚げ向上に期待している。
漁場は水深50~80メートル。第八雄生丸(4.5トン)で操業。船にはさお2本を装備し、食紅で赤く染めた冷凍イカを餌にメバルを釣り揚げる。「赤いと魚の付きがいい。また、夜明けは魚がかたまりよく釣れる」と漁の特徴を話す。
高値発進となった北海道の秋サケ。特に生筋子相場は製品在庫の滞留で下方修正の滑り出しだった昨年に比べ上昇幅が大きく、札幌圏の量販店は商戦の組み立てに苦慮している。出足の売価も昨年より高値設定だが逆ざや。伸長した昨年の売上実績確保と併せて今年もサンマの不漁で秋サケの販売に傾注せざるを得ない状況下、浜値の高止まりを懸念している。
宮城県石巻市小渕浜の阿部水産(阿部祐二代表、電話090・6453・5643)は、ワカメやカキの休漁期にキクラゲの栽培と販売に挑戦している。手塩にかけたキクラゲは潮風を受けてミネラルたっぷり。牡鹿半島で育った「金華きくらげ」として、地域の新たな特産品化を目指す。水産業の閑散期に手軽にできる副業のモデルケースとしても注目を浴びる。
北海道の秋サケ定置はメス、オスとも昨年より高値でスタートした。特に卵需要のメスは先発の十勝に続き根室、日高など各地で出足から異例の高値キロ千円台。サンマの不振に伴う量販店の生鮮需要なども影響、通年商材の価格形成は今後の漁況に懸かっているが、在庫薄のいくらは今季上昇局面。低水準の来遊予想下、消流安定への適正価格の形成が焦点になる。
仙台市青葉区の(株)阿部蒲鉾店(阿部賀寿男社長)は1日、(株)サンリオ(東京都)の人気キャラクター「ハローキティ」とコラボレーションした「笹かまぼこ チェダーチーズ味」を通信販売で数量限定発売した。手軽にカルシウムなどの栄養を摂取したいという健康志向や「家飲み」の拡大で、家庭用チーズ市場は好調が続く。ハローキティの赤いリボンをメインにしたパッケージデザインは目を引き、贈り物や手土産としても喜ばれそうだ。