北海道の秋サケ定置が30日開幕した。今季は40年ぶりに5万トンを切る凶漁だった昨年比13%増の来遊予測で、依然低水準の生産見通し。消流は親製品の売り場回復が途上下、新型コロナウイルス感染症に伴う消費構造の変化など先行きが不透明。今季の商戦展望、流通対策の重点などを道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に聞いた。
地区漁協組合長会会長会議、系統団体、道漁業環境保全対策本部は26日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の適地調査への応募を検討している寿都町の片岡春雄町長に即時撤回と断固反対を訴える抗議書を提出した。抗議書は25日に地区漁協組合長会会長会議を緊急に開き、全会一致で決議。寿都町には代表して道漁連の本間靖敏常務が訪れ、片岡町長に手渡した。
道漁連は今季産から日本発の水産エコラベル「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」の認証ロゴマークを付けた秋サケ商品の拡販を本格化していく。自営工場などの流通加工段階(CoC)認証の取得拡大で生産・供給体制を整備。環境や資源に配慮した定置網漁業の理解促進やMELの認知度向上と併せて北海道産秋サケの消流安定につなげていく。
昆布森漁協青年部(能登崇部長)が試験養殖に取り組むトロロコンブは、飲食店などでの活用が徐々に広がりをみせている。青年部加工のボイル刻み製品は、飲食店がそばや丼などに使いメニュー化。ラーメン関係者も活用に興味を示す。乾燥品を使った海鮮ふりかけも販売されており、消費者への浸透と知名度向上が期待されている。
宮城県気仙沼市の(株)阿部長商店(阿部泰浩社長)は、三陸産の魚を野菜と一緒に食べられる長期常温保存が可能な総菜4品を発売した。いずれも食卓の「もう一品」にぴったりなトレータイプ。カツオとたけのこ、ブリとだいこんといった組み合わせが健康志向の高まりに応える。トレーごと電子レンジで温めるだけで風味が増す手軽さも魅力だ。
室蘭市のabba(アバ)合同会社(平塚和美代表、電話0143・83・5512)は、前浜・室蘭産の魚介類を使った加工品の製造・販売に取り組んでいる。シーフードカレーやアヒージョといった簡便・即食の商品開発に注力。魚食拡大の一助を目指している。
首都圏小売の昨年のサンマ商戦は不漁で苦しみ、比較的好調だった一昨年を大きく下回る結果になった店舗が多い。近畿圏で150店、首都圏では120店ほど展開する(株)ライフコーポレーションは、昨年8~10月の生サンマの売り上げは前年比53%と大苦戦。それだけに今年は「まずは前年クリアを」と目標を立てている。しかし、今年も厳しい漁予報を受けてシーズン中は他魚種の販促も視野に入れて売り場作りを進めていく。
ひだか漁協(石井善広組合長)は、主力魚種・シシャモの水揚げ安定に向け、蓄養施設で仔稚魚の中間育成に挑戦している。通常のふ化直後より大型の種苗放流で降海後の生残率を高めて資源増大につなげる試み。今年4年目で飼育技術も向上し、現在順調に成長。夏場の海水温上昇期を乗り切って、今秋の初放流を目指している。
カニの輸移出入・加工・卸を手掛ける網走市の(有)マリン北海道(下山大輔社長、電話0152・43・8536)は、地元・網走産の魚介類を使った特産品づくりにも挑戦している。これまで秋サケの生珍味・総菜、シジミの米飯商品などを開発。自社店舗や通販での直販、ふるさと納税返礼品などで浸透に取り組んでいる。
日本水産(株)は2020年秋冬新商品として43品、リニューアル品18品を9月から10月にかけて順次全国発売する。このうち水産品カテゴリーでは、宅配向けの冷凍食品として「レンジで簡単!やわらかにしんと彩り野菜の炊き合わせ」を9月1日に発売。ニシンが持つ栄養価に着目、小骨が気にならないよう加熱加圧処理を施し完成させた。